
今日は、誘われてゴミ拾いに行ってきた。
場所は、うちの近所。ハイブランドやセレクトショップが並ぶ、いわゆる“ハイセンスの通り”みたいなところ。
駅前に集まって、緑のベストを着て、かわいいゴミ袋を受け取って、軍手とトングを持つ。
それだけで、ちょっと気分が上がるのが不思議。
たった1時間、街を歩きながら拾うだけなのに、冬なのに汗をかいた。
ゴミって、ただのゴミなのに。
拾っていると、街の見え方も、人の優しさも、自分の内側も、じわじわ変わっていった。
出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.222 パリの街でゴミひろい
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1. 小さな行動は、世界観を変える
ゴミ拾いって、派手じゃない。
だけど、やってみると分かる。これは「街をきれいにする」以上のことが起きる。
緑のベストを着て歩いているだけで、いつもの道が違う舞台に見えてくる。
自分の足取りも、視線も、呼吸も変わる。
気づけば、ルンルンで吸い殻を拾ってる自分がいる。前の自分なら「うっ…」って思ってたはずなのに。
人生って、大きい決断より先に、小さな行動で方向が変わることがある。
しかも、意外とそのほうが確実に、自分を変えてくれる。
今日できる小さな一歩は何?
2. 誇りは、手を動かした人に宿る
印象的だったのが、最初はブーイングだった話。
「そんな仕事をするためにここにいるんじゃない」
「他のゴミ拾いの人の仕事を取る」
言い分は分かる。でも、そこで終わらせなかったのがすごい。
しかも舞台が、世界的ハイブランドの店舗前。
高級なものを買いに来る人たちが、待ってる間にタバコを吸って、ゴミを落としていく。
そのギャップに違和感を抱いて、制服のまま拾う提案をした。
それって、プライドを捨てるんじゃなくて、プライドを更新する行為なんだと思う。
「私たちは何者で、何を大事にしたいのか」
それが、いちばん素直に表に出るのが、こういう地味な行動だったりする。
いま更新したいプライドは何?
3. リスペクトは、伝染する

活動中、声をかけられた。
ありがとうって言われたり、「なんでやってるの?」って聞かれたり。
中でも忘れられないのが、タバコを吸っていたおしゃれな店員さん(たぶん)が、
吸い終わった吸い殻を、丁寧にこちらの袋へ入れてくれた場面。
ポイじゃなくて、ちゃんと“入れる”。
肩に手を置く感じも含めて、リスペクトが手触りとして伝わってきた。
人って、見下されたら固くなるけど、尊重されたらほどける。
だから、こちらが誰かを裁かずに拾っていると、相手もまた、こちらを尊重する形で返してくれることがある。
街って、人の心が循環してできてるんだなって思った。
今日、誰を尊重する?
4. 見ているものが、あなたの世界を決める
ゴミ拾いをしていると、視線がずっと地面にいく。
ゴミを探すから、街並みは見えなくなる。
ふっと顔を上げた瞬間、「あ、いつもの道だ」って驚いた話があった。
同じ道なのに、見ているものが違うと、体感がまるで変わる。
最初の頃は、パリの街がきれいで、建物や空気を味わいながら歩いてた。
今日は、吸い殻しか見てない。
でも、どっちも良かった。どっちも“現実”。
人生も、何を見るかで世界が変わる。
希望を見る日もあれば、欠けてるところばかり見える日もある。
大事なのは、どちらかが正しいじゃなくて、自分が今、何を見ているかに気づいてあげること。
いま、何を見てる?
5. 嫌悪が、愛しさに変わる瞬間

一番不思議だったのは、吸い殻に嫌悪感がなかったこと。
むしろ、ちょっと愛しい気持ちで拾っていたこと。
捨てられてるのに、邪魔をするわけでもなく、ひっそりそこにあって、自然とともに朽ちていく。
勝手に「健気」とか感じて、勝手に心がほどけていく。
これはゴミの話というより、自分の見方の話だと思う。
苦手なもの、汚いと思っていたもの、避けていたもの。
それが、関わり方ひとつで、別の表情を見せることがある。
人生が柔らかくなるのって、たぶんこういう瞬間の積み重ね。
苦手を一つ、やさしく見直すなら何?
まとめ
ゴミ拾いは、街をきれいにする活動だけじゃなかった。
小さな行動が世界観を変えて、
プライドが更新されて、
リスペクトが伝染して、
“何を見るか”が体感を変えて、
嫌悪が愛しさに変わる瞬間まで連れてきてくれた。
またやろうと思う。
エリアが変わったら、見える生活も変わるだろうし、出会う人も変わる。
そのたびに、自分の内側も少しずつ整っていく気がする。
今日の自分の世界を、少しだけ良くする。
その入口って、意外とトング一本から始まるのかもしれない。




































