オンラインスクールをつくるとき、同じところでつまづく人が多いのが実情です。
そこでこの章では、できない理由とその対策についてご説明します。
次に挙げる10の理由に、あなたが該当するものがないか、確認してみましょう。
1.そもそも自信がない
2.売れるかどうか自信がない
3.いつまで経ってもリリース(販売)できない
4.YouTubeなどに同じようなテーマのコンテンツがあるので不安
5.同じようなオンラインスクールの競合がたくさんありそうなので自信がない
6.動画で話すことに自信がない
7.やりたいオンラインスクールがたくさんあって、どれにすればいいか決められない
8.価格が決められない
9.お客様のリサーチができない
10.つくったレッスンのボリュームが多すぎて心配
オンラインスクールがまだ完成していない場合は、どれかにあてはまっている場合が多々あります。
では、どうすればいいか。
今回は6〜10までの対策をお伝えしていきます。

6. 動画で話すことに自信がない
完璧な動画を最初から撮ろうとすると挫けやすいものです。
ぼく(寒川井さん)の場合は、カメラがまわっただけでしどろもどろの状態でした。「これからは動画の時代なのに、これはまずい」と思い、毎日3分間の自撮り動画をしどろもどろのままFacebookにアップするということをしました。
100本目くらいになってようやく、「自分はこういうふうに話すのが普通かも」という感覚が出てきました。中身のないフリーテーマで毎日3分間、最初はひどい状態でしたが、本当にやってよかったと思っています。
Facebookにアップするのは必須ではありませんが、フリーテーマで3分間の動画を毎日撮る、動画に撮ることを日常にして慣れるのがお勧めです。
自信がないと思っている人は、1回もやっていないか、1,2回やっただけという方が多いと思います。そういう方には、本当は30回、と言いたいところですが、まずは3分間を10回撮ってから、「自信がないなあ」と思ってください。
「もっとよくしていこう」と考えるのは、その後です。
うまくなろうと最初から考えず、まずは慣れることから始めてください。
なお、動画は撮るだけではなく、必ずその動画を見てください。
最初の10回は、改善しようと考えないことがポイントです。ただ見るだけにしてください。
自分の動画に慣れることが目的です。最初は、自分の声や表情が受け入れられないものです。「これ、私じゃない」なんて言う人がいるくらいです。
認識のズレを修正するために、「これが自分だ」と知っていくことが重要です。やっておいて損はないので、まずは慣れることを目指してください。
これはマインドというものではなく、行動すればするほど変わります。
10回くらい動画を撮った後で、1回につき1カ所ずつ、「ここはこう直したほうがいいな」と思ったらところを直しては撮る、確認する、ということを繰り返していきましょう。
これを30回くらい続ければ、かなり上達するはずです。
7. やりたいオンラインスクールは?

「どれでもいいので、やってみる」というのが結論なのですが、「どれが一番売れそうですか?」とよく訊かれます。
「売れるか/売れないか」よりも、「やりたいか?」と「やりやすいか?」の指標で評価することが重要です。
たとえば5つのコンテンツがあるとすれば、「やりたいか?」という観点で10段階でスコアをつけます。次に「やりやすいか?」という観点で10段階でスコアをつけ、20点満点で一番高いスコアがどれかを評価しましょう。
同列一位が複数ある場合は、サイコロで決めてください。
というのも、どれでもいいからです。自分で決めようとするから決められないのです。誰かに強制的に決めてもらいましょう。
そうはいっても、「やりたい」「やりやすい」両方のスコアが高いものが複数ある場合、「一番売れるものからつくりたい」と思うかもしれません。ですが、売ってみないとわからないのです。
そもそも、なぜ「一番売れるものからつくりたい」のでしょう?
もしもその理由が、「売れるものを早く売ってお金を手に入れたい」というものであれば、早くつくるのがいいわけです。
10カ月間どれにするかを悩んで1つの講座をつくるよりも、10カ月間で10個つくればいいのです。悩んでいる暇があったら、つくりましょう。
もしも仮に、3つやりたいものがあり、3つつくるのは決まっているけれど、どれからやるのかを悩んでいる場合は、3つつくるというゴールは同じなので、どれからつくってもいいわけです。
「売れそうなものからつくる」というよりも、ぼくは「つくりやすいものからつくる」ことをお勧めします。というのも、人は誰でも、新しいことを1度経験すると慣れることができるからです。
たとえば1本目を1カ月かけてつくった場合、2本目も1カ月かかることはありませんし、3本目はもっと短い期間でできるでしょう。やりたいコンテンツをつくってしまえば、どんどん制作期間は短くなります。
もしも本当に「売れるコンテンツ」なるものがあるとしたら、慣れていない最初につくるよりも、慣れてからつくったほうがクオリティ高いものができますよね、笑。
ですので、「やりたいもの」「やりやすいもの」からつくっていきましょう。
8. 価格が決められない

迷ったら3万円を推奨しています。とは言え、価格の考え方にはいろいろあります。相場を気にする人もいるかもしれません。「値頃感」がある商品は確かにあります。
ここで質問です。
相場はどうすればわかりますか?
たとえば、ヨガのオンラインスクールであれば、「ヨガ ダイエット スクール」で検索した結果、Aスクールは3万円、Bスクール3.5万円、Cスクール2.5万円、だとすると、相場は3万円とわかります。
ここで、「その調べた相場くらいの価格でいいのかどうか、確信が持てない」という人がいます。ですが、値段というのはいくらでもいいものです。相場がわかった上で、相場より上にするのか、相場感でいくのか、値下げしていくのか、というのは、どれでも正解です。
ポジショニングは、ただ自分で決めればいいだけです。
もしも、競合調査をしたときに、「みんな、すごそう。自分はそこまで実績がないから、相場より下かな」と思ったときは、「1.そもそも自信がない」を読み返しましょう。
価格には正解がありません。
肩書きや実績に惚れる人には、そういうお客様がついてきます。
たとえば、ヨガのスクールをやっている競合商品を5つ購入してリサーチした結果、
・ライバルよりも多くの内容とボリュームでつくる
・ライバルよりも、ボリュームが多く、かつ、安くつくる
ということもできます。
相場は足して割れば平均がわかるので、20%安く設定してもいいし、一番安い価格帯に設定してもよいでしょう。
その商品が売れたら、値上げしていくのがお勧めです。
調べた結果、「同じような内容の講座がなくて相場がわからない」ということもあるかもしれません。
たとえば、自分で酵母をつくってパンをつくる、という場合で考えてみましょう。リアルで教えている方は、リアルの2割〜3割引で販売するのがいいと思います。リアルで教えていない方は、3万円にしましょう。
売れてきたら、3.5万円、4万円、4.5万円と価格を上げていきましょう。
値上げしていくうちに、全然売れなくなる時期がくるので、高く設定しすぎていることがわかります。早く買った人が「安くてお得だった」分には問題はありません。
逆に、価格を下げるのは、問題です。返金すればいいかもしれませんが、もう使ってしまったということもあり得ます。(⇦信頼を損なう恐れがあるので削除)
9. お客様のリサーチができない

たとえば、「経営者向けのコンテンツをつくりたいが、自分の周りには経営者が全然いない」という場合です。
ぼくとしては、お客様の生態系がまったくわからないのであれば、売れないのでつくるのをやめたほうがいいと思います。
というのも、もしもぼくがケニアの経営者にコンサルをするとしたら、売れる自信がありません。まったくつながりがないので、何に困っているかがわからないからです。
ただ、諦める前に、友達をたどってみるのはお勧めです。
一次つながり(自分の知り合い)、二次つながり(自分の知り合いの知り合い)、三次つながり(自分の知り合いの知り合いの知り合い)まで広げれば、経営者にたどり着ける可能性があります。五次つながり(知り合いを5人)までたどれば、世界中の誰とでもつながれる、とも言われています。
お客様になりそうな人を友達の友達に紹介してもらって、お話を聞かせてもらいましょう。
探すときのポイントは、「経営者の人を知りませんか?」と聞くのではなく、「経営者を知っている人を知りませんか?」と聞くことです。
二次つながりの人を探していくと、絶対にたどり着くことができます。
実際にその人と会う時、自分にはお客様の声を聞けるというメリットがあります。一方、相手にとっては自分に会うメリットが何もないので、「会えるかどうか?」「会ったところで大丈夫なのか?」と心配する人もいるかもしれません。
ぼくだったら、「その人のためになることで、僕にできることは何だろう?」といろいろ考えて、事前にお知らせしたり、オファーしたりしています。
経営者Aさんと経営者Bさんは求めることがまったく違うので、AさんBさんそれぞれに対して、自分ができることを考えます。AさんとBさんが求めていることは、彼らを紹介してくれる人に確認すればわかります。
どんな人?どんなことが好き?どんな食べものが好き?などを調べておけばいいわけです。忙しい時間の中でいろいろ教えていただくのですから、お土産といった「モノ」に限らず、「何かしらのギフト」を贈る心積りで会いにいくとよいでしょう。
コンテンツは、自分の周りにいる生態系を知ることができる方向けにつくるほうがつくりやすいのですが、「どうしてもこうした人に届けたい」という思いがある場合は、紹介してもらうとよいでしょう。
手紙の一筆でも書いて、あなたの本気度が伝われば、会ってくれるはずです。
ちなみに、あなたが会おうとしている方は、あなたのお客様になってくださる可能性があるわけなので、あなたは何かしらの解決策を持っているはずです。
たとえばぼくの場合、数多くの学生さんから「今度、会ってください」と言ってもらうのですが、スケジュールが合わなくてほとんどは会うことができません。ですが、ある学生さんは「なぜマツダミヒロ に会いたいのか?」という理由を手紙3枚に書いてくれたので、ぼくのほうから福岡まで会い行ったことがあります。
「お忙しいとは思いますが、30分だけ、こういう理由でどうしても会ってほしい」という手紙が届いたら、あなたも会ってみたいと思うのではないでしょうか。
あなたの真剣度、本気度が伝わると、会ってくれるでしょうし、その相手はあなたに対価を求めることもないでしょう。「それだけの思いがあるのなら」と思ってくださるわけです。
ひとつ注意点があります。
あなたがもし、「オンラインスクールで月収100万円を売りたいので、リサーチのために会ってくれませんか?」と頼まれたのしたら、どう思いますか?(⇦言われるのは、嫌ですよね。)
「自分の商品を通じて、どんなことがよくなるのか。なぜ私はそれをやるのか?」という気持ちを伝えれば、全員とは言わないまでも、たいていは会ってくれるのではないかと思います。
あなたの熱い思いを綴った手紙を10通も送れば、おそらく1人は(⇦必ず1人以上の方が)会ってくれるでしょう。
もしかすると、10人が会ってくれるかもしれません。
10. つくったレッスンのボリュームが多すぎて心配

オンラインスクールでお勧めは30本ですが、それ以上の数のレッスンがあっても問題ありません。
その根拠は、ある調査機関によるリサーチです。「オンラインスクールの途中で離脱せずに最後まで受講することができる期間」をリサーチした結果、3ヶ月コースが最適とされています。次によいのは6ヶ月コースとされていて、それ以上長くなると途中でやめてしまうそうです。
30本という数は、この最適とされている3ヶ月コースをつくるケースで算出したものです。
・動画1レッスンを配信し、知識やスキルを学んでもらう
・それを日常で身につけてもらうためのチャレンジ課題に取り組むために1〜2日くらいかかる
・2〜3日ごとに1回配信すると、3ヶ月間に30本ほどの動画が配信できる
たとえば、毎日1本ずつできるようなレッスンであれば、3ヶ月間に90本ほどの動画があってもよいわけです。少しヘビーにはなりますが。
ですので、レッスンの本数が多くても問題はありません。30本くらいがちょうどいい数ですが、40本、50本、90本でも構いません。
ちなみに、20分のレッスンを30本つくるよりも、5分を90本つくるほうがお勧めです。長い動画は最後まで見てもらえませんが、短い動画であれば、本数が多くても見てもらえます。
10分を超えたレッスンが3本続くと、見なくなる人がぐっと増えますので、ご注意ください。
5分程度の動画がお勧めです。
しつもんオンラインスクールマスター講座
- お金よりも大事なものを味方に
- 時間と場所にとらわれないビジネスモデルとは?
- 新しいビジネスモデルを考える
- オンラインスクールができない10の理由〜前編〜
- オンラインスクールができない10の理由〜後編〜(この記事)
- 今の状態をすべて捨てて「理想」を考える
- 理想のワークスタイルを考えるときのポイント
- 発信していきたいことは何ですか?
- 自分が経験してきたことの中で「乗り越えてきたもの」
- オリジナル商品作りのポイントは「生の声の状態」
- 商品をつくる前にお客様をつくる
- お金を払ってでも聞きたいこと
- 「これを買うとどうなるんだろう?」がゴリヤクです
- 商品作りより、コンセプト作りの方が価値がある
- 価格には正解がない
- 商品構成の中でも特に重要なところ
- クリエイティブデーをつくる
- 評価とは優劣ではなく、本人に実感してもらうこと
- 自分で話をすることで「考え」がまとまる
- 成果が出ないのは「聞き流してなんとなくで終わる」から
- 行動を提案したことは、自分でもやってみる
- 「よい動画」「よい音声」とは?
- 「いい映像」と「品質のよくない映像」の違い
- お客様の感想を集めるコツ
- お客様の質問やリクエストは改善のチャンス
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