この章では映像のクオリティについて考えていきます。
「いい映像」と「品質のよくない映像」の違いはどこにあると思いますか?
映像の解像度、横と縦の比率、パソコン画面やスライドの見え方、照明など、確認すべきポイントがたくさんあります。
ハイクオリティの映像を目指すときに意識したいものは3つあります。

1. 録画の環境を設定する
撮影のために、デジタルビデオカメラを購入する必要はありません。iPhoneがあれば、十分に美しい映像が撮れます。かなり動きの速いものにも対応できるので、フィットネスジムのエアロビクス(⇦最近あまり聞かない言葉なので他のスポーツが良いかと思います)などは、何の問題もなくiPhoneで撮影できます。
下手なデジタルビデオカメラよりもiPhoneのカメラほうが高性能になってきていますので、まずはお手持ちのスマートフォンで試してみましょう。もちろん、高性能なデジタルビデオカメラをお持ちの方は、こちらを活用ください。
◎解像度
映像の美しさを示す単位。横と縦(高さ)をピクセル(p)で表します。iPhoneであれば、「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」から設定することができます。
数字が大きいほうが美しく、スタンダードは720p(ピクセル)ですが、さらに美しい1080pを選ぶのがお勧めです。(ちなみに4K=4,000p)
◎フレームレート
解像度の右側に表示されている30fps、60fpsがフレームレートと呼ばれるものです。1秒間に何枚の写真で動画を表現するかを示します。30fpsは1秒間を30枚で表現するということです。
デジタルテレビ放送が30弱fpsですので、iPhoneはそれ以上に滑らかな動画を撮ることができます。
ただし、撮影してみた結果、もう少し滑らかな動きを撮りたい場合は、60fpsを試してみましょう。これで撮れない動画はほとんどないと思います。
基本は30fpsを試し、滑らかさが必要な場合は60fpsを試しましょう。最初から60fpsにすると、動画を保存するときに容量が大きくなる点に注意しましょう。
2. 実際に映像を撮る場所の環境を整える

◎照明
撮影では、被写体が明確に見えるように明るく照らされている必要があります。暗すぎるよりは、明るすぎるほうがよいでしょう。ただし、被写体の後ろに影ができるのはお勧めできません。
映像にこだわりたい方には、「3点照明」をお勧めします。左・右・上から照明を当てることで、影を作らずに撮影ができます。(約10万円)
ぼく(寒川井さん)はiPhoneに取り付ける簡単な照明を使っています。(Amazonで約3,000円)照明の有無によって被写体の見え方が変わります。ライトの当て方を研究してみましょう。
また、iPhone本体で明るさを調節することもできます。自分の顔を長押しするとフォーカスがロックされますので、指を上のほうにスクロールすると明るくなります。
3. 自分自身を整える

◎被写体の位置
カメラで撮るとき、被写体の位置も重要です。写真撮影で推奨されている「三分割法」を活用しましょう。
縦、横それぞれを三分割し、縦横2本ずつのラインの交わっているところに、写したいものを持ってくるという方法です。
見てほしい背景やスライドなどを右側に写したい場合は、自分の体を画面の左側1/3のところにずらし、右側を見るようにするとよいでしょう。(左右は逆でも構いません)左、右、真ん中、いずれの位置で写るとしても、カメラに向かって話すようにしましょう。
なお、インタビューアーを立てて、その人と会話する方法もありますが、オンラインスクールではお勧めできません。というのも、このやり方では、受講生が主人公にならない、つまり、蚊帳の外で傍観しているような感じにになってしまうからです。対話形式の場合でも、カメラに向かって話すことが重要です。
◎三脚
カメラに対する自分の位置が決まったら、必ず三脚を使いましょう。自撮り棒などを持って撮影すると、手ブレがひどく、見ている人が酔ってしまいます。カメラを動かして周りの風景などを見せたい場合は、自撮り棒ではなく、手ブレを防ぐ専用の機材を使いましょう。
基本は、自分の体から離れたところに、三脚を立ててカメラを固定します。(自分が手をつくテーブルの上に三脚を置くと、ブレることがあります)
◎体の癖
緊張すると手にしたボールペンをカチカチしてしまうなどの癖があると、カメラから見えていなくても、ノイズを発生させてしまいます。
無意識に出てしまう体の癖にも注意を向けましょう。
◎ショット(カメラ・ワーク)
基本は3つです。
①バストアップ
相手に話しかける(説明する)ときに最適。
あなたの頭や肩が画面から外れる(⇦見切れる)ことがないように、1/3のラインを意識して、頭のてっぺんまでが画面におさまるように胸から上を写します。
②全身ショット
ウォーキングやヨガ、体操などのオンラインスクールでは、体の動き全体を見せるために全身ショットが必要になるかと思います。
カメラから離れるために声が響くことがあります。必要に応じて、ワイヤレスマイク(約19,000円)の購入を検討しましょう。
自分の体を見本にしながら解説する場合は、息が切れてしまったり、話すことに専念できないことがあります。余裕があれば、モデルを立てることがお勧めです。モデルの方に見本を見せてもらいながら、あなたが注意点などの解説をします。
あなたの業種やスクールの映像をイメージして、どちらのやり方があっているかを考えてみてください。
③アップ
たとえば、ヨガで立ち方や重心のかけ方などを足元を見せながら説明するなど、体の一部をアップで見せる場合に使います。これらのショットを別々に撮影しておくと、「編集」の方法を使って動画をつなげることができます。
場面に応じて、「何と伝えたいのか?」「何が伝わったらいいのか?」を考えながら、ふさわしいショットで撮影してきましょう。
◎背景
背景を使って、雰囲気やイメージを伝えることができます。次の点に注意しましょう。
・ロケーション(場所)探しに情熱をかける
・注意をそらすような余計なものが写りこまないように注意する
・背景が明るい(白い)場合は、濃い色の洋服を着る
※照明が暗いと、白い背景がねずみ色がかって見えるため、顔色も悪くなるので注意する
(白い背景は難易度が高いので、緑色、水色がお勧め)
背景と自分のファッションで何を伝えていきたいのか?いろんな場所で撮影して検証してみましょう。
◎カメラの高さ
基本は、あなたの目の高さに三脚でカメラを固定します。下からのアングルにすると、受講生は見下ろされている感じや威圧感を感じます。
◎ボディーランゲージ
身ぶり手ぶりを意識的に活用します。あまりにうるさいと受講生の気が散って集中できなくなりますが、声以外で注意をひくときなどは、身ぶり手ぶりは重要な要素です。
フリーテーマで3分間の動画を撮る練習をする際には、無意識にやっているボディーランゲージにも注意しましょう。
・目線が泳ぐ、上を見る
・洋服の一部を握ったり引っ張ったりする
・鼻の頭をかく
・髪をかきあげる
・無駄に手をたたく
・体を揺らす
・首が傾く
・緊張した表情になる(笑顔がかたい)
・声のトーンが上がり下がりする
など、不自然な部分があるかもしれません。
言葉以外のコミュニケーションには大きな影響力がありますので、意識的にコントロールして練習していきましょう。映像を撮り、客観的に自分にフィードバックをしては改善していきましょう。
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