オンラインスクールをつくるとき、同じところでつまづく人が多いのが実情です。
そこでこの章では、できない理由とその対策についてご説明します。
次に挙げる10の理由に、あなたが該当するものがないか、確認してみましょう。
1.そもそも自信がない
2.売れるかどうか自信がない
3.いつまで経ってもリリース(販売)できない
4.YouTubeなどに同じようなテーマのコンテンツがあるので不安
5.同じようなオンラインスクールの競合がたくさんありそうなので自信がない
6.動画で話すことに自信がない
7.やりたいオンラインスクールがたくさんあって、どれにすればいいか決められない
8.価格が決められない
9.お客様のリサーチができない
10.つくったレッスンのボリュームが多すぎて心配
オンラインスクールがまだ完成していない場合は、どれかにあてはまっている場合が多々あります。
では、どうすればいいか。
今回は5までの対策をお伝えしていきます。

1. そもそも自信がない
自信をつけようと思っているのが、そもそも間違いです。
「自信がないと進まない」と思うかもしれませんが、実がそれが落とし穴なのです。自信があると、売れません。なぜなら、コンテンツができて自信がある場合、買ってくれないとなったときに、「客が悪い」「世の中が悪い」「時代が合わない」と考えてしまうからです。
自信がない人は、「ここがダメなのかな」「あそこがダメなのかな」「ここを改善しようかな」と改善する方法を考えられます。こういう意味で、自信があると、危ないわけです。
とはいえ、「自信がないといつまで経っても進まない」という方もいらっしゃるでしょう。この場合は、「改善しなくていいときがくる」と思っているのが、問題です。というのも、改善しなくていいときは、こないからです。ぼくたち自身、何年も前につくったオンラインスクールを改善し続けています。
そもそも完璧なものをつくることはできません。お客様の声をフィードバックしてもらいながら、変えていくものです。ですので、自信はないほうがいいわけです。
なお、お客様の声を「クレーム」として受け取ると、崩れてしまいます。そもそも自信はなくてもいいのですが、自信をなくしてしまいます。「改善の声」として受け取ると、クオリティが上がっていきます。
自信がなくても、まずは100%を目指さずに進めて、発売してみましょう。
「自信はつかない」ということを前提としてください。ぼくも自信はありません。自信がある人は、「生まれたときから自信がある」という別の人種と考えてもいいでしょう。
「自信がある/ない」と「売れる/売れない」はまったく関係ありません。そもそも自信はつかないのですから、「自信がない」という方は、「私には自信がない」と思うだけで、そのまま進めましょう。
2. 売れるかどうか自信がない

「この商品は売れますか?」とよく聞かれるのですが、リリースする前に売れるかどうかはわかりません。売ってみないとわからないのです。正直、ぼくたちのオンラインスクールも、売れるかどうかわかりませんでした。予想をしてみましたが、誰も当たらなかったくらいです。
売れるという自信もつける必要はありません。売れるかどうかを知っているのは、お客様だけだからです。商品をつくったあなたも、コンサルタントも、一緒につくっている仲間も、誰にもわからないのです。買うかどうかを決めるのはお客様ですから。
売れない場合、悪いのはお客様ではなく、お申し込み(販売)ページの文言のどこかが悪いのです。つまり、あなたが悪いわけでもありません。
ここで勘違いしがちなのが、コンテンツ(中身)が悪いと思って、一生懸命コンテンツを直そうとすることです。まだ買っていないのですから、誰も中身を見ていないわけです。
商品を買った10人のお客様全員から、コンテンツに対してクレームがきたら問題ですが、売れる前からコンテンツの心配をする必要はありません。
もしも心配があるのなら、お申し込み(販売)ページを変更しましょう。
まずは商品をつくってみて、売ってみて、改善していくことが重要です。
ほしいのは、売れるという自信よりも、売れるか売れないかのデータです。たとえば、お申し込み(販売)ページを見た100人見た人のうち、1人買うのか、10人買うのか、0人なのか、というデータが必要です。
たとえば、0人というデータがあった場合は、お申し込み(販売)ページのどこかに問題があるので、どこかを変えて、もう一度告知します。それでもデータが悪ければ、またどこかを変えてもう一度告知する、ということを繰り返します。
この「データと改善」において、自信は関係ありません。
極端な話、これはやる必要はありませんが、オンラインスクールをつくるより先に、お申し込み(販売)ページをつくってみるとよいかもしれません。
予約先行販売にして、たとえば、「3ヶ月後/半年後にスタートします。本来5万円のところ、3万円です」という告知をして、売れたらつくればいいわけです。
こうすれば、売れる自信がついた状態でリリースすることができます。
できなかった場合は、返金すればいいのです。大切なのは、1人に売れた商品は、10人に売れる、ということです。1人も売れなかったら、2人にも売れません。1人に売れた商品は10人に売れ、10人に売れた商品は100人に売れます。
このように、販売ページを先につくるという荒技もあります。ぼくたちも、すべてのレッスンをつくり終える前にリリースすることがあります。
「商品をつくってから売らなければいけない」と思っている方は、「先行販売してもいい」というマインドシフトをしてみましょう。
基本的に、お客様が求めるものをつくればいいのです。
少し脱線しますが、『深夜食堂』という漫画・映画をご存知ですか?メニューが豚汁しかないお店で、何かを「食べたい」と言うと、「つくるよ」と料理してくれます。
頼まれたものをつくるので、絶対に売れるわけです。これが商売の基本だと思います。
売れるかどうかわからないものを頑張ってつくろうとして悩んでいるのであれば、先に売ってみるのもいいかもしれません。
売れるかどうかは、コンテンツの問題ではなく、お申し込み(販売)ページの問題ですので、まずはつくってみて、売れるように改善を続けていきましょう。
3. いつまで経ってもリリース(販売)できない

先に発売日を決めましょう。Facebookなどで「いつ販売します」と公言してしまえば、やる気になります。「やらなきゃいけない」と背水の陣で臨むのです。
「いつか発売したいなあ」では、「いつかタイミングがきたら」となってしまいがちです。いつ発売すると決めれば、徹夜してでもやるものです。
期限を決めて公言するだけです。
なお、「追い込まれるとやらない」というタイプの方は、リリース日を公言する必要はありません。「追い込まなかったら、やるんですね」ということさえ、確認できればOKです。
動画撮影に慣れていない人でも、本気で追い込まれたら、朝から晩までずっと取り組んで1週間でできます。それが数ヶ月かかってもできないという場合は、自分のペースでやり続けるよりも、締め切りをつくったほうがよいでしょう。
締め切りをつくったほうがやる人は、締め切りを設定しましょう。
締め切りがなくてもできるという人は、「本当にやりますか?」と確認しましょう。「できます」と言えないのであれば、締め切りを設けます。
もうひとつのアプローチは、できている姿を想像する、というものです。
たとえば、Aさんがすでにオンラインスクールをつくって200万円くらい売り上げている場合、「私もつくったらそうなるんだ」という姿が想像できたら、私もやろうという気持ちになって、モチベーション高く取り組めます。
「ミヒロだんだからできるんでしょ」と思うかもしれませんが、オンラインスクールを学んだ受講生さんの中には、Aさんのような方が何人もいらっしゃいます。
4. YouTubeなどに同じようなテーマのコンテンツがあるので不安

大丈夫です。オンラインスクールは、1つ1つのノウハウを少しずつ蓄積・習得して形ができるという「パッケージ」に価値があります。ステップ・バイ・ステップのステップが小さければ小さいほど、わかりやすくて丁寧なスクールになります。
YouTubeは、15分、30分という大きなステップで提示されていますし、体系化するには散らばっているコンテンツを集めるのに大変な労力がかかります。
お金を出しても学びたい人はオンラインスクールで、楽しみたい人はYouTubeが適しています。
たとえば、ぼく(寒川井さん)の場合、「オリジナル講座のつくり方」という講座を提供していますが、実は内容はすべてブログに掲載しているものです。
つまり、自分でブログを並び替えてワークをやれば、数十万円の講座を受けなくてもつくることができるのですが、講座に来てくださる方がいらっしゃいます。
このように、体系的にパッケージで提示されているものと、無料で散在しているものは、価値が違います。
ぼく(ミヒロさん)の場合は、ブログに書いてきたものをまとめた本が、ベストセラーになっています。ブログを読めば書いてあるのですが、本を買って読んでくださる方がたくさんいらっしゃるわけです。
「パッケージ」つまり、まとまっていることに価値があるのです。
5. 同じようなオンラインスクールの競合がたくさんありそうなので自信がない

競合が何をしているを把握していないにもかかわらず、不安になっている方が多いようです。
たとえば、ぼく(寒川井さん)が「オリジナル講座のつくり方」講座を出そうとしたとき、有名な講師が3名ほどいらっしゃいました。他にもオンラインスクールがいくつかある中で、果たしてどんなオリジナル性が自分にあるのか、その段階ではわかりませんでした。
そこで、本を買ったり、セミナーに参加するなどして、自分で体験してリサーチをしました。他の方がどうやっているかを把握したことで、自分ならどうするかがやっと見えてき他のです。
ですので、不安がある方には、他の方の商品を買ってみてやってみる、他の方がやっていることで自分もやったほうがいいものがあれば取り入れる、ということが大切です。
競合と思う商品があれば、金額にもよりますが、全部買ってみるのがいいと思います。リサーチをすることは悪いことではありません。
たとえば、ヨガを使ったダイエットのコンテンツを売っていきたいと思ったら、ヨガのダイエット講座のオンラインスクールやセミナーに参加したり、本を買ったりしてリサーチしましょう。
考えてみてください。もしも、イタリアンのレストランを開きたいと思ったら、イタリアンの料理を食べ歩きませんか?それと同じです。シンプルで簡単なことです。
また、イタリアンの店がすでにたくさんあるからといって、「今まで誰も食べたことのない料理を出してみよう」と挑戦しても、おそらく売れることはないでしょう。
逆の視点で考えてみると、競合がまったくいないテーマの商品をつくっても、おそらくまったく売れないでしょう。売れないから誰もやっていないのです。
つまり、誰もやっていないテーマというのは、チャンスではなくて、ニーズがないので危ないと言えます。
インターネット広告が出ている商品のカテゴリーやジャンルは、「売れるから広告を出している」と言えます。ですので、広告が出ているジャンルの商品は売れます。
逆に、広告が出ていないジャンルというのは、「広告を出しても売れないもの」と言えます。そういう視点で広告を見るのもお勧めです。よく見る広告とは、よく売れている商品というわけです。
つまり、ライバルが多いジャンルというのは、よく売れる、ホットな市場と言えます。ただし、ライバルとまったく同じことをすればいい、という意味ではありません。競合他社をリサーチした上で、自分独自の切り口でつくっていきましょう。
次に、競合をリサーチした結果、オリジナリティのあるメソッド がなかった場合について考えてみましょう。
たとえオリジナリティがなかったとしても、人は「関係性がある人から買いたい」「全然知らない人からよりも知っている人から買いたい」と思うものです。ですので、すでにつながりのある方々との関係性を大切にしていれば、あなたの商品にオリジナリティがなかったとしても、その人が求めているものを提供できていれば、あなたから買ってくれることでしょう。
ここで注意したいのは、コンテンツで「私らしい」オリジナリティを出そうとしないことです。というのも、オリジナルの商品というものは、インターネットがあたり前となった今のこの世の中に存在しません。
オリジナリティというのは、コンテンツではなく、人にあります。たとえば、「講座のつくり方」にしても、ヨガやアロマにしても、コンテンツはほとんど同じものですが、誰から買いたいか、という違いがあるだけです。
人によってオリジナルの切り口はありますが、やっていることはそれほど変わりません。
その人の人となりが好きであれば、その人から買いたいと思うものです。その人自身がオリジナリティを発揮しているので、コンテンツをひねったり、エッジを立てる必要はありません。
どうぞ安心して取り組んでください。
しつもんオンラインスクールマスター講座
- お金よりも大事なものを味方に
- 時間と場所にとらわれないビジネスモデルとは?
- 新しいビジネスモデルを考える
- オンラインスクールができない10の理由〜前編〜(この記事)
- オンラインスクールができない10の理由〜後編〜
- 今の状態をすべて捨てて「理想」を考える
- 理想のワークスタイルを考えるときのポイント
- 発信していきたいことは何ですか?
- 自分が経験してきたことの中で「乗り越えてきたもの」
- オリジナル商品作りのポイントは「生の声の状態」
- 商品をつくる前にお客様をつくる
- お金を払ってでも聞きたいこと
- 「これを買うとどうなるんだろう?」がゴリヤクです
- 商品作りより、コンセプト作りの方が価値がある
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- 評価とは優劣ではなく、本人に実感してもらうこと
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- お客様の質問やリクエストは改善のチャンス
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