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ライフスタイル

「好きなところは、全部」即答できる関係は、どうやって育つのか

2026年6月4日

福岡で開かれた出版講演会のあと、ささやかな食事会があった。
その席で、ある方がミヒロくんにこう尋ねたらしい。

「奥さんの、好きなところはどこですか?」

あらためて言葉にしようとすると、するりと逃げていく。
でも、その質問への答えは、ミヒロくんの中ではもう決まっていた。

箱根の夜、その「答え合わせ」をする、という夫婦の会話。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.235 お互いのどこが好き?
▶ エピソード全文・音声はこちら → Listenで聴く

1. 「特に、聞きたいことはない」という安心

そもそも、この回のテーマは「お互いに質問してみたいことを聞いてみる」だった。
でも、わたしの答えはこうだった。

「特にない」

冷たく聞こえるかもしれないけれど、そうじゃない。
普段から、聞きたいことはそのとき聞いている。
気になることを溜めずに、その場で渡し合っているから、あらためて「質問」として残っているものがない。

聞きたいことがない、というのは、ちゃんと聞けている、ということでもあるんだよね。

魔法の質問
あなたが大切な人に、いま「聞けていないこと」はある?

2. 「好きなところは?」——全部です

食事会で、わたしも同じことを聞かれていた。
「ミヒロさんの、好きなところはどこですか?」
わたしの答えは、いつもひとつ。
「全部です」

そう言うと、みんな決まって「えーっ」とびっくりする。
「それ、本気で言ってるの?」「全部ってことはないでしょう」って。

でも、簡単だから言っているわけじゃない。
本当に、全部なんだよね。どこか一か所を選ぶ、という感覚のほうが、わたしにはむずかしい。

魔法の質問
あなたが「全部好き」と言える人や物事は、何?

3. 「嫌いなところは?」——ありません

続けて、こうも聞かれた。
「では、嫌いなところは?」
わたしの答えは「ありません」。
そう答えると、相手の方はまた、すっかり立ち往生してしまっていた。

「嫌い」という言葉が、わたしにはあまりピンとこない。
嫌なところ、心配なところ、ならまだ考えられるかもしれない。

でも「嫌い」は、直感的に、ない。
無理して「ない」と言っているのではなくて、探しても出てこないという感覚に近い。

魔法の質問
あなたにとって「嫌い」と「嫌」は、どう違う?

4. 答え合わせをしたら、ふたりとも同じだった

食事会では、こんな質問もあった。
「奥さんが思う、ご主人の嫌いなところはどこだと思いますか?」

その答えも、箱根で確かめてみた。

ミヒロくんに「わたしの嫌いなところは?」と聞いてみると、やっぱり「ない」。
嫌いって何だろう、と一緒に考えても、ふたりとも同じところに行き着く。
「嫌いはないんじゃない?」
だから、わたしが食事会で答えた「ミヒロくんにも嫌いはないと思う」は、ちゃんと正解だった。

それ以上、いろいろ言葉を足すと、かえって正解じゃなくなってしまう気もして。

魔法の質問
言葉を足さずに、そのまま受け取りたい関係は、どれ?

5. AIの提案より、自分たちの体験がしっくりくる

じつはこの回、AIに「お互いに質問してみたいこと」を相談してみた。
10項目くらい、いろんなテーマを提案してくれた。

視点としては、すごくありがたい。
でも、わたしたちはどれもしっくりこなくて、結局ぜんぶ却下してしまった。

面白いかどうかは、結局のところ主観的なもの。
そして、いちばん自然に話せるのは、自分たちが実際に体験したことなんだよね。

福岡で聞かれた、あの素朴な質問。
あれを箱根で答え合わせするほうが、どんなテーマよりもずっと、ふたりらしい会話になった。

魔法の質問
あなたが「いちばんしっくりくる」のは、誰かの正解?それとも自分の体験?

まとめ

「好きなところは、全部」
「嫌いなところは、ありません」
即答できるこの関係は、特別な努力で作ったものではなくて、聞きたいことをその場で渡し合ってきた、日々の積み重ねの先にある気がする。

溜めない。
ジャッジしない。
足しすぎない。
そうしていると、「嫌い」を探すこと自体が、だんだん必要なくなっていく。

あの方は、本当は何を知りたかったんだろう。
もしかしたら、ただ聞いてみたかっただけかもしれない。
でも、その素朴な問いのおかげで、わたしたちは「好きなところは全部」を、もう一度ちゃんと確かめることができた。

あなたなら、大切な人の「好きなところ」を、なんて答えるだろう。

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: 直感, 自然体, 夫婦の会話, 好きなところ, 全部, パートナーシップ, ライフトラベラー

予定を入れない、を予定する。余白とは『ユニバーサル・アポイントメント』が起こる状態のこと

2026年5月21日

「余白あるよね、WAKA」
軽井沢のカフェで、ミヒロくんがまた、わたしに確認するように言った。

横にいた友人が、すこし笑いながらつぶやく。
「余白ある人って、余白あるって言わないよね」

その一言が、なんだか妙に心に残った。
そもそも、余白ってなんだろう。
口にした瞬間に、するりと逃げていくこの感覚を、ちゃんと言葉にしてみたくなった。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.234 余白とは?
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1. 余白とは「ユニバーサル・アポイントメント」が起こり得る状態

わたしが思う余白は、ユニバーサル・アポイントメントが、自然に起こり得る状態にしておくこと。

「やらなければいけない」予定を入れないのはもちろんだけれど、それだけじゃない。
たとえ自分の好きなことや、快適になることだったとしても、「やること」が前日からひとつでも決まっていると、もう予定が入っている状態なんだよね。

「これを何時にやろうかな」と頭が動き始めた瞬間に、すでに余白は閉じていく。

本当の余白は、やることさえもない状態。
そのときにこそ、ふっと舞い込んでくるインスピレーションや出会いがある。
それが、ユニバーサル・アポイントメントなんだと思う。

魔法の質問
あなたのスケジュールの中で、「やることさえない時間」はどこにある?

2. ミヒロくんの余白は、「自分のペースで過ごせる」感覚

余白って、人によって違うんだよね。
ミヒロくんに聞いてみたら、こう言ってた。
「何をしてもいい時間を作ること。自由感とか、開放感を感じる、この感覚が余白につながる」

たとえば土日休みの人にとっての、金曜の夜。明日から自分のペースで過ごせるという、あの解放感。
たしかに、あれは余白の手触りそのものかもしれない。

同じ言葉でも、わたしとミヒロくんで、すこし入口が違っていておもしろい。

魔法の質問
あなたが「自由だな」「ゆるんだな」と感じるのは、どんな瞬間?

3. 好きなことで余白がなくなる、というパラドックス

軽井沢で会った友人ファミリーも、別な日に会った友人も、口をそろえて言っていた。
「やっと好きなことができるようになったのに、どんどん予定が埋まっていくんです」

嫌な仕事じゃない。むしろ好きなこと。
だからこそ、楽しいし、もっとやりたくなる。
そして、人の役に立てているという実感もある。
「これも役に立てるかも」「これもよくできるかも」——その思いで、予定が重なっていく。

活力も湧いてくるし、世界も広がっていく。
それはまぎれもなく、大切なエネルギーの拡大。

でも、そのなかで自分の余白がなくなっているとしたら、ちょっと無理をしている状態だとしたら、それは「今の自分にとって自然じゃない」というサインなんだよね。

魔法の質問
あなたが「好きなのに、ちょっと無理をしている」と感じる予定は、どれ?

4. ものさしを置いてみる——「役に立ちたい」がどれくらいか

その友人に、こんな提案をしてみた。
頭のなかに、一本のものさしを置いてみる。
真ん中の「ゼロ」が、ニュートラルポジション。
左側に向かって「誰かのため、何かのために役に立ちたい」という思いが、0から100まで伸びている。

今やろうとしていることが、左側に20くらい振れていたら——
一度ゼロに戻って、もう一度考えてから予定を入れてみる。
もし100まで振り切っていたら、たぶん自分でも気づくと思う。
「あ、これは自分のためじゃなくて、相手のためだけになっているな」って。

もちろん、誰かのために動くことは尊いこと。
ただ、自分の余白を全部削ってまで応える状態が続くと、人生もエネルギーも、今の自分の限界を超えていってしまう。

慈悲とはまた違う話で、ここでは「自然なリズム」の話。

魔法の質問
あなたのものさしで、いまの予定はどれくらい「他者寄り」?

5. 余白ある人ほど、余白があると言わない

友人が言ってくれた「余白ある人って、余白あるって言わないよね」という一言。
あの言葉は、今もときどき思い出す。

たぶん、本当に余白がある人は、それを取り立てて確認しなくても、もうそこに在る状態なんだろうな。あえて言葉にしているうちは、まだ自分のリズムを取り戻している途中なのかもしれない。

言わなくても余白がそこにある、というところに、わたしも少しずつ近づいていきたい。

魔法の質問
あなたが「言わなくても在る」と感じたい状態は、何?

まとめ

余白は、何もない時間じゃなくて、何かが舞い込んでくる余地のある時間。
やらなければいけないことだけじゃなく、「やること」そのものを置かない時間を、自分にプレゼントしてあげること。

好きなことであっても、役に立てる実感があったとしても、ものさしが「他者のため」に振れすぎていたら、一度ゼロに戻る。
そして、今の自分にとって、いちばん自然なリズムを取り戻す。
そのリズムの中にしか、ユニバーサル・アポイントメントは降りてこない。

余白は、空白じゃなくて、未来からのギフトを受け取るためのスペース。
今日の予定を見て、ひとつだけ、「やらない」を置いてみる。
そこから、人生のリズムは、しずかに整っていくのかもしれない。

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: バランス, ライフトラベラー, ユニバーサルアポイントメント, 余白, 自分のペース, ものさし, 自然なリズム

軽井沢でパリのチーズ。土地と土地を結ぶ「アースウィービング」という旅のしかた

2026年5月14日

軽井沢の朝は、青空がやけにクリアに見える。
サングラスをかけたときみたいに、空の青がそのまま透けて入ってくる。

起きてすぐ、コンタクトもしないまま見上げた空が、こんなにも鮮やかなのかと、毎回あたらしく驚く。

そんな軽井沢で、今回はパリから届いたチーズを味わっていた。
場所は、和食のお店「そらいろ」さん。軽井沢に来たら、いちばん最初に足を運ぶ、わが家の隠れ家のような一軒。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.233 軽井沢でアースウィービング
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1. アースウィービングという、土地と土地を結ぶ感覚

和食のお店で、パリのチーズを食べる。
言葉にすると不思議な組み合わせだけれど、その場にいると、ふしぎなくらいしっくりくる。

「アースウィービング」という言葉がある。
ひとつの食べものや人を通じて、ひとつの土地と、もうひとつの土地を結ぶこと。
結ぶことで、両方の土地のエネルギーが、ふっと活性化していく。
パリと軽井沢を、チーズというささやかな糸で編みなおすような、そんな時間だった。

魔法の質問
あなたが今、心の中で結びなおしたい「土地」と「土地」はどこ?

2. 行くべき場所は、不思議な検索でやってくる

そらいろさんとの出会いは、2年ほど前。
「エネルギーが高くて、でもやさしくてほっとする。静かに食べたい」——そんな気持ちを抱えながらGoogleで検索したら、ぽんと最初に上がってきた一軒だった。

初めて訪れたとき、感動した。
こんなにエネルギーのある料理を、軽井沢の家のすぐ近くでいただける。
大将の、しずかで研ぎ澄まされた純粋なたたずまい。女将のたまちゃんは、まるで木の陰からそっと覗いている妖精さんみたいに、気がきく。

普段はあまり検索しないのに、ある時だけ、行くべき場所がぽんと現れる。そういう出会いは、自分が選んでいるようで、じつは選ばれているのかもしれない。

魔法の質問
あなたが「ぽんと現れて、すっと出会えた」場所はどこ?

3. 町に着いたら、まずここで整える

どの町に行っても、まず立ち寄る場所が、ひとつある。
「ここでご飯を食べたら、帰ってきた」と思える、その町のホームのような一軒。

軽井沢では、それがそらいろさん。

軽井沢に着いてすぐ、ここに来る。
大将と女将に会って、その料理をいただいて、深呼吸する。
そうすると、土地と自分が、ちゃんとなじんでいく。

ものすごく整うし、繋がるし、自分自身もふっと需要されていく感覚。
旅をしていると、こういう「整う場所」をどれだけ持っているかが、その町での過ごし方を、ぐっと豊かにしてくれる。

魔法の質問
あなたが「ここに来たら整う」と感じる場所は、どこ?

4. 隠れ家の魅力は、世界観ごと味わうこと

そらいろさんは、日本料理のお店だけれど、コースの最後にうなぎを目の前で焼いてくれる。
キラキラと脂がはぜていく音と、香り。
そのうなぎが楽しみで、いつもそわそわしてしまう。

予約はなかなか取れなくなってきていて、隠れ家らしさが増している。
でも、味だけじゃなくて、雰囲気や世界観も含めて味わってほしい一軒。
軽井沢で日本料理を、と思ったら、ここがいちばん。

魔法の質問
あなたの「世界観ごと味わいたい」場所は、どこ?

5. アイス談義と、軽井沢のゆるみ

収録の途中で、なぜかみんなのアイス好きが発覚した。
ストラチャテッラ、ソフトクリーム、シェイク——
1日3回でも食べられるくらい、アイスが大好き。
あったかいアイスってあるのかな、なんて話で笑い合う、たわいない時間。

軽井沢にいると、よく眠れる。緩む場所、と多くの人が言うのも、わかる気がする。
木々のあいだを抜ける風と、青い空と、整える場所と、こうしたとりとめのない会話と。
そのぜんぶが、ゆるみの正体なのかもしれない。

魔法の質問
あなたが「ここにいると、ゆるむ」と感じる場所はどこ?

まとめ

旅は、ただ移動するだけのものじゃない。
その土地と、自分が今までいた場所を、ささやかに編みなおしていく営み。

パリのチーズを軽井沢で味わうという、それだけのことが、両方の土地をふっと活性化させる。

町に着いたら、まずそこに行く場所を持つこと。
その町の空気と自分をなじませる時間を、ちゃんととってあげること。

そして、目の前のチーズや、誰かの笑顔や、たわいない会話を、丁寧に味わうこと。
旅の豊かさは、たぶん、そういうところに宿っている。

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: 軽井沢, パリ, 和食, そらいろ, チーズ, アースウィービング, 隠れ家, 土地のエネルギー, 旅

1ヶ月ぶりの日本で出会った、まろやかで丸い、なごやかバイブス

2026年4月23日

1ヶ月ぶりに、日本へ帰ってきた。
降り立った空港のロビーから、空気がもう違う。
うまく言葉にできないけれど、肩の力がすっと抜けるような、まろやかな空気。

海外がどんなに快適でも、好きな場所だったとしても、日本に戻ってくるとどこかでほっとする瞬間がある。
その正体を、今回の帰国でようやく言葉にできた気がする。
「なごやかバイブス」——日本にしかない、丸くて、やわらかい、独特の和やかさ。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.232 なごやかバイブス
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1. 山も、木も、空気も、なんだか丸い

日本に帰ってきて、まず感じるのは「景色の丸さ」。
山の稜線も、木の枝ぶりも、海外で見てきた風景とはどこかが違う。
切り立っているのではなく、ほろっとほどけているような、やわらかな輪郭。

それは「日本人だから感じるんでしょ」と言われるかもしれない。
でも、空港に降り立った瞬間から、空気そのものが違う。
木々のあいだを抜けてくる風も、なごやかという言葉がいちばんしっくりくる。
長く住んでいた場所だからこそ、離れてみて初めて見えてくる、日本の景色の丸さ。

魔法の質問
あなたが「ここに帰ってくるとほっとする」と感じる場所はどこ?

2. 甘酒、しじみの味噌汁、おはぎ。帰国してすぐ手にする味

日本に着いて、真っ先にスーパーへ向かう。
買い物カゴに迷わず入るのは、甘酒、しじみの味噌汁、おはぎ。
長いフライトで疲れた体に、甘酒のひと口がしみわたる。

パックに詰められたおはぎが、2個で200円。
機械が作るとはいえ、その機械を動かす人がいて、パックを詰める人がいて、店頭に並べる人がいる。
その全部がこの値段でいいのかな、と思わず手を合わせたくなる。

食べることは、いただくこと。
日本の食卓には、その感覚がするんと残っている。

魔法の質問
あなたが「これを口にすると帰ってきた気がする」と感じる味は?

3. スーパーで、思わず泣きそうになる

味噌汁コーナーひとつとっても、棚の端から端まで種類がならんでいる。
クオリティも、値段も、海外で暮らしているとちょっと信じられない。

「ありがたいね、ありがたいね」と言いながら、スーパーをうろうろしてしまう。

世界中で物価がぐんと上がっているなかで、日本のスーパーの棚は、まるで時代から少しだけ守られている場所のよう。

その背景には、たくさんの人の手間と、誰かのがんばりが必ずある。
当たり前の便利さを、当たり前と思わずに、ありがたいと感じられる。
その感性のスイッチが入るだけで、毎日の景色がふっとあたたかくなる。

魔法の質問
今、あなたが「当たり前すぎてありがたみを忘れていたもの」は何?

4. コンビニアイスパーティーという、ささやかなご褒美

もうひとつ楽しみにしているのが、コンビニのアイスコーナー。
新しいフレーバーが次々と出てきて、棚の前で目移りしてしまう。
ひとりだと2個しか食べきれないから、何人かでアイスパーティーをして全部少しずつ味わう。

大人になってもこういう小さなワクワクが日常にある国って、なかなか他にない気がする。
日本のコンビニは、海外でちょっとしたブームにもなっているらしい。
「あの便利さ、楽しさ、もう一度味わいたい」と思う人がいるのも、わかる気がする。
大きな贅沢じゃなくて、ささやかな選ぶ楽しさ。それが日本のコンビニには詰まっている。

魔法の質問
今日、自分にあげたい「ささやかなご褒美」は何?

5. たまたまの再会、その奥にある「流れ」

帰国してすぐ、たまたま立ち寄った場所で、バイロンベイで親しかった友人と再会した。
そのお母様まで一緒で、しかもそのお母様とは以前、山形のお宿でも偶然お会いしていた。
「またお会いしましたね」と笑うしかない、不思議なめぐり合わせ。

これは偶然ではなくて、流れ。

縁というものの正体は、たぶんこういう積み重ねの中にある。
パリにいるときも、日本から来た友人たちが同じ日に5組重なったことがあった。

会うべきタイミングで、会うべき人に、ちゃんと会える。
無理に手繰り寄せるのではなく、ただ流れに身を任せて、目の前の出会いを大切にする。それだけで、十分。

魔法の質問
最近あった「たまたま」の出会いの中に、どんな流れを感じる?

まとめ

「なごやかバイブス」というのは、自然にも、食卓にも、コンビニの棚にも、人との出会いにも宿っている。

派手ではないけれど、確かにそこにある、まろやかであたたかい空気。
それは日本という国がずっと大切にしてきた、目に見えない財産なのかもしれない。

これから2ヶ月、日本で過ごす日々の中で、どんな出会いが待っているのか。

派手な体験じゃなくていい。
一日のなかに、ささやかな和やかさをいくつ受け取れるか。
それを味わいに、ゆっくり歩いていきたい。

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: ライフスタイル, 暮らし, 縁, 日本に帰国, 和やかさ, 食卓, スーパー, コンビニ, 出会い

87歳のマダムが教えてくれた元気の秘訣

2026年4月16日

サンシュルピス教会の前のカフェで、87歳のマダムとお茶を飲んだ。
60年前にパリへ渡り、そのまま住み続けてきた人。
佇まいも、話す言葉も、まとっている空気も、「年齢」という枠からふっと抜けていた。

お茶のあと、一緒に教会を歩いた。
ステンドグラスの光の中で、マダムの横顔は少女のように見えた。
なぜこの方はこんなに元気なのだろう。
その答えは、とてもシンプルで、少し拍子抜けするほどだった。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.231 生涯現役元気の秘訣
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1. 元気の秘訣は、「なんでも楽しむ」こと

「なぜそんなにお元気なんですか?」
そう聞いたら、マダムはふわりと笑ってこう答えた。
「なんでも楽しんでるから」

特別なサプリでも、運動法でも、食事のこだわりでもなかった。

ただ、目の前のことをとことん楽しむ。
それだけ。でも、それがいちばん難しくて、いちばん効く。
元気かどうか、幸せかどうか。その根っこは、ちゃんと楽しめているかどうかにつながっている。

魔法の質問
今、あなたが「とことん楽しんでいる」ことは何?

2. 年齢は表面。中身は、その人の生き方だけ

最近、70代、80代の方とご縁をいただくことが続いている。
不思議なのは、みんな「年齢」を感じさせないこと。
姿勢も、話し方も、好奇心の量も、ちっとも衰えていない。

何歳なのか、どこに住んでいるのか、何をしているのか。
そういうのはぜんぶ表面の話で。

本当に元気な人は、ただ「自分の人生を楽しんでいる」。
年齢は、その人の中身には関係ない。数字はただの記号。

魔法の質問
年齢という枠をはずしたら、今日は何をしてみたい?

3. 60年前、パリで高田賢三と一緒にデザインしていた

マダムは60年前、まだ若かった高田賢三さんと一緒にパリでデザインをしていた人。
日本の女性誌、アンアンやエルの挿絵も手がけていた。
日本人女性にとっての「パリのイメージ」を、まさに作っていた一人だった。

パキスタンで暮らした時期もあれば、ブラジルに住んでいた時期もある。

死ぬ寸前の交通事故さえも「楽しかった」と語る。
人生を、ただ通り過ぎる時間ではなく、全部味わい尽くす対象として扱ってきた人。
そういう生き方が、今の佇まいに全部にじみ出ている。

魔法の質問
今までの人生で、「味わい尽くした」と言える瞬間はどこ?

4. 作ったものが、作ったそばから売れていく

マダムは今も手を動かし続けている。
お手製のポーチ、鍋つかみ、キルト、そして絵。
展示会をひらくと、並べたそばから全部売れてしまう。

売るために作っているのではなくて、作りたいから作っている。
楽しいから続いていて、続いているから磨かれていて、磨かれているから誰かに届く。

「好きなこと」を大切にしている人の作るものには、ちゃんとその温度が乗る。
才能豊かだけど、それ以上に、人生が豊か。

魔法の質問
売るためじゃなく、「作りたいから作りたい」ものは何?

5. ああいう大人に、なりたい

マダムと別れたあと、ふたりでぽつりと言葉を交わした。
「ああいう大人に、なりたいね」

派手でも、偉くもない。
ただ、自分の好きなことを大切にして、目の前のことをとことん楽しんでいる。
それだけで、人はこんなにも魅力的になれる。
目指すのは、若々しさじゃなくて、楽しさの密度。そんなふうに思えた午後だった。

魔法の質問
あなたが「ああいう大人になりたい」と思う人は、誰?

まとめ

生涯現役の秘訣は、特別なことじゃなかった。
ただ、なんでも楽しむこと。好きなことを大切にすること。
そして、年齢という数字に、自分の可能性を預けすぎないこと。

87歳のマダムが教えてくれたのは、シンプルだけど本当に大切なこと。
今日をどれくらい楽しんでいるかが、20年後の自分の若さを決める。
さあ、今日は何を楽しもう?

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: 楽しむ, ライフスタイル, 暮らし, パリ暮らし, 生涯現役, 年齢, サンシュルピス, 創作, 出会い

パリで書いた「やりたいことリスト」を、破いてみた日

2026年4月9日

誕生日の朝、パリの部屋で手作りのハンバーグを食べた。
豆腐とひき肉を混ぜたやわらかいハンバーグと、小さなケーキ。
特別な日なのに、驚くほど穏やかな時間が流れていた。

そのテーブルの端に、パリに来た日に書いた「やってみたいことリスト」があった。
30項目。どれも新しい街での高揚感から生まれた願い。
日本に帰るまで、あと3〜4ヶ月。
ふと手が動いて、そのリストを破いてしまった。
捨てたのではなく、手放した。そう言いたくなる感覚だった。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.230 やりたいことを全部捨ててみた
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1. 誕生日の食卓に、丁寧な時間があった

豆腐とひき肉を合わせた、ふわっとしたハンバーグ。
バターを混ぜ込んだ小さなケーキ。
パリの台所で作られた、手作りの食卓。

誕生日だからといって、特別なレストランに行くわけじゃない。
部屋の小さなテーブルで、ふたりで食べる。
それだけで、もう十分だった。
豊かさは、派手な場所にあるんじゃなくて、丁寧に作られた時間の中にある。

魔法の質問
誕生日に、どんな時間を過ごしたい?

2. 読めない手紙は、アートになる

誕生日に、手書きの手紙をもらった。
でも、筆跡がくせがあって、ほとんど読めない。
読もうとしても、読み解けない。
普通なら「読めないね」で終わる話。

でも、見方を変えた瞬間、手紙が「アート」に変わった。
額に入れて、壁に飾ろう。
意味がわからないからこそ、文字の形や紙の余白が、ただ美しく見える。
わからないまま、味わうという選択肢もある。
わかろうとするより、感じる方が、豊かになることもある。

魔法の質問
わからないまま、味わってみたいものは何?

3. やりたいことリストを、手放すとき

パリに来た最初の日、30項目の「やってみたいこと」を書いた。
あの時のわたしは、新しい街でたくさんの刺激を求めていた。
でも、数ヶ月暮らして、見える景色が変わった。
今のわたしは、あのリストのわたしじゃない。

過去の自分が決めたことに、今の自分を縛らなくていい。
達成するためにパリにいるんじゃない。
今この瞬間を、ただ感じるためにここにいる。
リストを破った瞬間、肩の力がすっと抜けた。
手放すことは、あきらめることじゃない。今を選び直すことだった。

魔法の質問
今のあなたに、もう必要のないリストは何?

4. 勉強をやめたら、ことばが入ってきた

フランス語も、最初は「勉強しなきゃ」と思っていた。
テキストを開いて、単語を覚えて、文法を学んで。
でも、それをやめた。

街を歩く。カフェで聞こえてくる会話に耳を傾ける。看板の文字を、ただ眺める。
「勉強」じゃなく「浸る」に変えたら、不思議とことばが体に入ってきた。
頭で覚えるのをやめて、空気ごと吸い込むようにした。
学び方には、いくつもの形がある。
がんばることだけが、吸収する方法じゃない。

魔法の質問
「勉強」をやめて、「浸る」に変えたいことは何?

5. 何もしない時間が、人生を変えていく

ミヒロの新しい本のテーマは「何にもしない」。
環境にも、心にも、時間にも、余白をつくる。
以前のミヒロが苦手だったこと。
だからこそ、そこに学びがあったという。

「やりたいこと」を全部やる人生も、悪くない。
でも、「何もしない時間」を持てる人生は、もっと深い。
余白のある一日の方が、風景がよく見える。
手放すことと、余白をつくることは、同じ方向を向いている。
軽くなった両手に、次の大切なものが、そっと置かれる気がする。

魔法の質問
今日、どこに「余白」をつくってみる?

まとめ

やりたいことを全部捨ててみた日。

リストが消えた後に残ったのは、空っぽの時間じゃなかった。
やわらかく、自由で、ただ「今」を感じられる、ゆったりとした時間だった。

過去の自分が決めたことに、今の自分が縛られなくていい。
変わっていくことは、裏切りじゃなくて、成長。

手放したぶんだけ、新しい風が吹いてくる。
あなたは今、何を手放したい?

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: 暮らし, 変容, 余白, パリ暮らし, 誕生日, 何もしない, フランス語, やりたいこと, 手放す

看板のない一つ星で、「手放す」という強さを知った

2026年4月2日

看板のない寿司屋が、パリで一つ星を獲った。
オープンして間もなく、まだ看板すら出ていない状態で。
外からはレストランだとわかりようがないのに、ミシュランの調査員はたどり着いた。

以前このブログでも書いた、あのパリの寿司屋さん。

今回はその板前・花田雅芳さんに、じっくり話を聞いた。
出てきたのは、「技術を極める」という話ではなかった。

「手放す」という話だった。

自分の正しさを手放す。エゴを手放す。コントロールを手放す。
そうしたら、調和が生まれた。
寿司の話のようで、人生そのものの話だった。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
travel.56「パリ」手放したとき、調和が生まれた HANADA 花田雅芳さん
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1. スーパーの寿司しか知らなかった少年が、カウンターで人生を決めた

花田さんが寿司職人になったきっかけは、中学の頃にさかのぼる。
高校卒業時、大学には興味がなかった。料理の世界で「稼ぎながら学びたい」と父に伝えたら、知り合いの寿司屋を紹介してくれた。

それまで食べていたのは、スーパーや出前の寿司だけ。
カウンターの寿司なんて、テレビでしか見たことがなかった。
でも、目の前で職人が握る姿を見た瞬間、「美しい」と思った。

食べて「美味しい、これを作りたい」と確信した。
18歳のあの日から、一度も止まっていない。

魔法の質問
人生を変えた「初めての体験」は何だった?

2. 透明な情熱は、食べる人の体にまで届く

花田さんの寿司には、美しさがある。
見た目だけじゃなく、握る姿勢、所作、そこに込められた想い。

研ぎ澄まされているのに、透明で、純粋。
他の職人も情熱は持っている。でも花田さんのそれは、何かが違う。澄んでいるのだ。

普段あまりお寿司を食べられない人が、全部食べた。
「美しさが栄養になった。体が重くならずに、魂が吸収してくれた」と。

情熱が透明であればあるほど、食べる人のところまで届く。
それは寿司に限らない。仕事でも、表現でも、同じことが言える。

魔法の質問
自分の情熱は、どのくらい「透明」だと思う?

3. 感情の状態が、味を変える

「自分の状態がフラットで、穏やかでないと握れない」と花田さんは言った。
忙しい時、疲れている時、移動の後。全部、味に出る。

自分自身でも違いがわかるし、手に「何かが宿る」感覚があるという。

素材への感謝を常に考えている。命をいただいている。
だからこそ、自分の状態を整えてから向き合う。
感情の乱れは、そのまま手に出て、そのまま味に出る。

「何を作るか」より「どんな状態で作るか」が先にある。
これは料理だけじゃなく、すべての仕事に通じる真理だと思う。

魔法の質問
今日の自分の「状態」は、何に影響を与えている?

4. 「見せてやる」を手放したら、パリに受け入れられた

パリに来た当初、花田さんの姿勢は「日本の技術をフランスの食材で証明してやる」だった。
でも、フランスのシェフたちを見て変わった。

異国の地で、自分の技術を持ちながら、フランスという土地への感謝と敬意を持って表現している姿。
「自分の小ささに気づいた」と。

技術を見せたいというエゴ。
正しさを証明したいという欲。
それを手放した時に、料理の哲学が変わった。

師匠も、兄弟子も、尊敬する人たちは皆、技術だけじゃなく「人間としての幅」を持っていた。
派手さより、感じること。フラッシュより、シンプルさ。手放した分だけ、本物が残った。

魔法の質問
いま、手放したら楽になる「正しさ」は何?

5. エゴを下ろすと、チームが息を合わせ始める

スタッフは全員、日本人以外。
以前は「2ミリ左」と指示していた。できない人は交代させていた。
でも、それではチームは育たなかった。

師匠を思い出した。
「いいよ、やってごらん」と言う人だった。
口を出さない。ただ、やらせてみる。

花田さんもそれに倣った。
「なぜこうしたの?」「こういう時、どう感じた?」と問いかけるようにした。
命令をやめて、対話に切り替えた。

すると、スタッフが自分から動き始めた。所作が美しくなった。調和が生まれた。
エゴを手放した分だけ、チームが呼吸を合わせ始める。

魔法の質問
指示を「問いかけ」に変えたら、何が変わりそう?

まとめ

看板もない、外からは寿司屋とわからない場所が、パリで一つ星を獲った。
その理由は、技術の高さだけじゃなかった。

「手放す」ことで生まれた調和。
素材への感謝。
自分のエゴを下ろす勇気。
対話で育てるチーム。
すべてが、ひとつの空間に凝縮されていた。

花田さんの寿司屋は、寿司を食べに行く場所じゃない。
自分の感性を磨きに行く場所だった。

「手放す」という強さは、誰の人生にも使える。
握りしめているものを、そっと開いてみる。

その先に、調和がある。

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: 調和, ミシュラン, パリ暮らし, 感性, 職人, 寿司, 花田雅芳, 手放す, 対談, チーム

パリのカフェ選び、星の数より「バイブス」で決める理由

2026年3月26日

おやつにマーブルチョコケーキを食べている。
デザートを食べないと食事が終わらないから。
そんな穏やかな日常の中で、ふと「カフェの選び方」の話になった。

パリの春は、人が一斉に外に出てくる。
カフェに行こうとしたら5軒連続で行列。リュクサンブール公園の椅子は全部埋まり、木のガードにまで人が座っている。

冬の間、パリの人たちは本当に家に隠れていたんだ、と初めてわかった。
そんな中で、どうやってお店を選ぶか。

答えは、意外とシンプルだった。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.229 自分たちがカフェを選ぶ時に大切にしてること
▶ エピソード全文・音声はこちら → Listenで聴く

1. 口コミより、足で決める

基準は「雰囲気」。

食べ物よりも、そのお店の空気感。
雰囲気はGoogleマップだけではわからない。だから、とりあえずお店の前まで行く。

行ってみて、いい感じか、それ以外か。
5軒歩いて回ることもある。でもそれでいい。

口コミの星の数やスコアよりも、自分の足で歩いて感じた空気。
それが、自分に合うお店を見つける一番確かな方法。

魔法の質問
最近、「自分の足」で確かめたことは何?

2. どんな時間を過ごしたいかを、先に決める

お店を探す前に、まず「どんな時間を過ごしたいか」を自分の中ではっきりさせる。

ゆっくり話したい時と、ホッと一息つきたい時では、選ぶ場所が全然違う。
仕事をしたい時と、2人でお茶をするだけの時も違う。

「美味しいもの」で探すと、頭が先に動く。

でも「今の自分たちに最善のお店を」と意図して探すと、不思議とベトナム料理が出てきたりする。

え?と思うけど、行ってみたら「確かに」と腹落ちする。
探し方を変えるだけで、出会いの質が変わる。

魔法の質問
今日の時間を、どんなふうに過ごしたい?

3. 2回目に目に止まるお店を、信じる

意図がはっきりしない時は、「今の自分たちに最善のお店を」とだけ思って探す。
そうすると、2〜3回検索するうちに、同じ店名が繰り返し目に入ってくることがある。それを選ぶ。

ピンとくるか、何度も目に入ってくるか。
頭で「ここがいいはず」と決めるのではなく、自然と目が引かれる方を選ぶ。

これで毎回いいお店に出会っている。
直感は、自分が思っている以上に正確。

魔法の質問
最近、何度も目に入ってきているものは何?

4. 写真を見るなら、お客さんが撮ったものを

Googleマップの写真でお店を選ぶなら、注意点がある。
すごく綺麗に撮られている写真は、お店側が用意したもの。
海外だと特に、実際に行くと「あれ?」となることが多い。

見るべきは、お客さんが撮った写真。
コーヒーを目当てに行くなら、コーヒーの写真を見て「これ美味しそう」と感じる感覚で選ぶ。
雰囲気で選ぶなら、なんとなくいい感じのバイブスが伝わってくるかどうか。

自分の雰囲気に合う場所は、写真からでもわかる。

魔法の質問
何かを選ぶ時、「公式情報」と「リアル」のどちらを見ている?

5. 目的地への途中で出会う店が、一番いい

どこかに向かう途中で、偶然目に入ったお店。
調べてもいない、予定にもない、ただ歩いていたら見つけたお店。

実はそういう出会いが一番記憶に残る。

たどり着けなかったとしても、その後に行った場所で友達とばったり会ったりする。
全部に意味がある。

意図して探すのも大事だし、意図を超えた出会いに委ねるのも大事。
お店選びは、人生の選び方の練習なのかもしれない。

魔法の質問
次に出かける時、途中で「ふらっと寄ってみる」としたらどこ?

まとめ

カフェ選びの基準はシンプルだった。

星の数じゃなく、バイブス。
口コミじゃなく、足で確かめた感覚。

そして何より、「どんな時間を過ごしたいか」を先に決めること。

お店を選ぶことは、時間の過ごし方を選ぶこと。
時間の過ごし方を選ぶことは、人生を選ぶこと。

次のカフェは、何を基準に選んでみる?

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: 暮らし, 意図, パリ暮らし, 選び方, バイブス, 春, カフェ, 直感, 散歩

エッフェル塔に「ただいま」。ふたつの街がホームになった日

2026年3月19日

パリに帰ってきた。
空港からの帰り道、エッフェル塔が見えた。

東京タワーを見て「ただいま」と思うように、エッフェル塔を見ても「ただいま」が出てきた。

東京タワーとエッフェル塔。
形は似ているのに、住んでいる街は全然違う。

でも、どちらを見ても「帰ってきた」と思える。
ふたつの街がホームになった日。それは、人生がひとつ広がった日でもあった。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.228 パリが東京にやってきた
▶ エピソード全文・音声はこちら → Listenで聴く

1. 「ただいま」が増えるほど、人生は豊かになる

3ヶ月前、最初にパリに来た時は、この場所に馴染むのに数日かかった。
でも今回は、着いた瞬間から溶け込めた。
「あ、卵はあそこに買いに行って、パンはここで」と体が覚えている。

「ただいま」と言える場所がふたつあるということ。

それは、根無し草になるんじゃなくて、根が増えること。
帰れる場所が多いほど、世界はやさしくなる。

魔法の質問
「ただいま」と言いたい場所は、いくつある?

2. 東京とパリは、思ったより近い

東京とパリは約24時間かかる。距離で言えば遠い。
でも、帰ってきてみたら、景色が「違う」という感覚がなかった。

パリの街並みも日常。東京の街並みも日常。
どちらも自分の暮らしの一部になっていた。

南青山の裏道を歩いたら、パリの近所にあるお店と同じ店がたくさんあった。
街が似ているのか、自分の感覚がつながっているのか。たぶん両方。

距離は数字だけど、心の距離は自分で縮められる。

魔法の質問
遠いと思っていたのに、意外と近かったものは何?

3. 期待しなかった時に、いいものが来る

帰りの飛行機はエコノミークラスだった。
ところが、エコノミーの食事がなくなってしまって、「ビジネスクラスのお食事でもいいですか?」と聞かれた。

もう喜んでしまった。

すごいお肉とサーモン。
2回目に出てきたチャーハンはまるで日本料理屋のおこわのようで、驚くほど美味しかった。普段は飛行機であまり食べないのに、全部食べてしまった。期待していなかったから、余計に嬉しかった。

人生のアップグレードは、予想しない形でやってくる。

魔法の質問
最近、期待していなかったのに嬉しかったことは何?

4. 表参道に、パリのカフェがやってきた

東京の表参道に、パリのカフェ文化を持ってきたお店がオープンした。
カフェ・ド・フロールで長年ギャルソンをしていた山下さんが作ったお店。

メニューがパリ。店内もパリ。佇まいもパリ。
ショコラショが、パリのそれだった。
カップとは別に銀色の入れ物に入って出てくる。自分で濃さを調整しながら、温かいのをつぎながら飲む。カフェクレームも、コーヒーとミルクが分かれて出てくるスタイル。

パリに行かなくても、パリの空気に触れられる場所が東京にできた。

魔法の質問
行きたい場所の空気を、近くで味わえる場所はどこ?

5. クロワッサン一つで、暮らしが動き出す

パリに帰ってきて、翌日クロワッサンを買いに行った。

3ヶ月もいたのに食べなかったクロワッサンを、帰ってきた翌日にさっそく食べてしまう。
パン・オ・ショコラは、丸いパンの中にチョコレートの塊がドカンと入っていて、美味しすぎた。

パリにいる時に何を食べようか考える。
日本にいる時にもパリのご飯を想像する。

食事は単なる栄養補給じゃなくて、暮らしへの楽しみの表明。
クロワッサン一つで「ここに住んでいる」という実感が蘇る。

魔法の質問
「ここに暮らしている」と実感できる、小さな楽しみは何?

まとめ

エッフェル塔に「ただいま」と言えた日、世界がひとつ広がった。
東京とパリ、二つの街が自分のホームになる。それは距離じゃなく、心の問題。

パリに行けなくても、表参道でパリの空気に触れることはできる。
大事なのは、どこにいるかじゃなくて、その場所をどれだけ自分のものとして感じられるか。
「ただいま」を増やしていく暮らし。それが、ライフトラベラーの生き方。

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: 帰国, ただいま, エッフェル塔, 表参道, ショコラショ, カフェ, 暮らし, 東京, パリ暮らし

箱根で出会ったフランス人に、「センスを大事にしなさい」と言われた話

2026年3月12日

箱根のスーパーで団子を買った。
隣のスーパーの商品だったけど、若い店員さんが笑顔で「全然、ありがとうございます」と対応してくれた。
しかも、荷物が多そうだと気づいて、大きなビニール袋まで渡してくれた。

その日は、小さな優しさがたくさん重なった一日だった。
スーパーの店員さんの心遣い、箱根で偶然出会ったフランス人の言葉、そして長年通い続けているイベントでの再会。

どれも予定にはなかった出来事なのに、心に残るものばかりだった。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.227 箱根でパリとの出会い
▶ エピソード全文・音声はこちら → Listenで聴く

1. 小さな心遣いが、一日の空気を変える

隣のスーパーの団子を持ってレジに行った。
普通なら気まずい場面なのに、店員さんは嫌な顔ひとつせず、笑顔で対応してくれた。
さらに、荷物が多いのを見て「大きいビニール袋、差し上げますよ」と。

たったそれだけのこと。

でも、一日の最初にそういう心遣いに触れると、その後の時間が全部やわらかくなる。
特別なサービスじゃなくて、自然ににじみ出る優しさ。それが、日本の力なんだと改めて感じた。

魔法の質問
最近、誰かの何気ない心遣いに感動した瞬間は?

2. 偶然の出会いに、人生の伏線がある

箱根の友人の店で、たまたまフランス人のおじちゃんに出会った。
78歳。55年前にパリに住んでいた人。いきなりフランス語で話しかけられて、そこから話が弾んだ。

当時のバゲットは50円くらいだったこと。バターをつけて食べると美味しいこと。

そして、ぼくたちがパリに住んでいると聞いて、心から喜んでくれた。
年に2回しか来ない人に、たまたまそのタイミングで会えた。偶然のように見えて、何かの伏線だったような気がする。

魔法の質問
最近の「偶然の出会い」に、どんな意味があった?

3. 「センスを生きなさい」という言葉

フランス人のおじちゃんが言った。
「一番大事なのはセンスだ」と。
感性を大事にして生きなさい。だからパリにいるのは最高だ、と。

彼は最初にインド哲学を学び、その後パリに行ったら東洋思想がより深く理解できるようになったと言っていた。

パリには東洋思想が根づいているから、そこから世界に広げていきなさい、と。
何気ない会話の中に、ぎゅっと濃い人生のエッセンスが詰まっていた。

短い時間だったのに、心にずっと残っている。

魔法の質問
いま、自分の「センス」を信じて選べることは何?

4. 場に行くだけで、絆が深まる

毎年参加しているきずな出版のイベント。創業者の桜井先生は95歳。
パーティーは本来苦手だけど、ここだけは毎年行く。
そこには、毎年その場で会う人たちがいて、SNSだけだったつながりがリアルになる瞬間がある。

95歳の桜井先生は、歩くのが速い。ついていけないくらい。
バッグを持って、さっそうと歩いていく姿を見ると、こちらも元気をもらえる。

場に行くだけでいい。その空気に触れるだけで、自分の中の何かが広がっていく。

魔法の質問
行くだけで元気になれる「場」は、自分にとってどこ?

5. 打ち合わせなしの対話が、一番刺さる

本田健さんと「AI時代の生き方」というテーマで対談した。
打ち合わせは一切なし。30分間の掛け合い。
次に何を言うかわからない。何を聞けばいいかも、その場で探る。

でも、会場のみんなはキラキラしながら聞いてくれていた。

準備しないからこそ、生きた言葉が出る。
打ち合わせをしないのは、怠慢じゃなくて、相手と自分を信じている証。

その場で生まれるものに委ねる対話は、いつも想像を超えてくる。

魔法の質問
次に誰かと話す時、準備を手放してみたら何が生まれる?

まとめ

団子を買ったスーパーの店員さん、箱根で出会ったフランス人のおじちゃん、95歳の桜井先生の早歩き、打ち合わせなしの対談。

どれも予定にはなかった出来事。
でも、心に一番残ったのは、そういう「予定外」の瞬間だった。

人生は、計画通りにいく部分より、偶然が連れてくるものの方が、ずっと面白い。
だからこそ、人に会いに行く。場に足を運ぶ。

「センスを大事にしなさい」。あのおじちゃんの言葉を、胸に置いておこうと思う。

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: 出版, パリ暮らし, 感性, 箱根, フランス, 出会い, 対談, 人とのつながり, センス

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プロフィール


マツダミヒロ

質問家。「魔法の質問」主宰。
時間と場所にとらわれないビジネススタイルで世界を旅するライフトラベラーでもある。 各国で「自分らしく生きる」講演・セミナー活動を行う。 著書は国内外で35冊を超え、年間300日は海外に滞在。

独自のメソッドの「魔法の質問」は世界各国に広がりインストラクターは5,000人を、 メルマガの読者は5万人を超える。 NHKでも取り上げられた「魔法の質問学校プロジェクト」では、ボランティアで世界各国の学校へ訪問。

『質問は人生を変える』(きずな出版)『賢人たちからの運命を変える質問』(かんき出版)ほか著書多数。
→著書をチェックする(Amazon)

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