
サンシュルピス教会の前のカフェで、87歳のマダムとお茶を飲んだ。
60年前にパリへ渡り、そのまま住み続けてきた人。
佇まいも、話す言葉も、まとっている空気も、「年齢」という枠からふっと抜けていた。
お茶のあと、一緒に教会を歩いた。
ステンドグラスの光の中で、マダムの横顔は少女のように見えた。
なぜこの方はこんなに元気なのだろう。
その答えは、とてもシンプルで、少し拍子抜けするほどだった。
出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.231 生涯現役元気の秘訣
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1. 元気の秘訣は、「なんでも楽しむ」こと
「なぜそんなにお元気なんですか?」
そう聞いたら、マダムはふわりと笑ってこう答えた。
「なんでも楽しんでるから」
特別なサプリでも、運動法でも、食事のこだわりでもなかった。
ただ、目の前のことをとことん楽しむ。
それだけ。でも、それがいちばん難しくて、いちばん効く。
元気かどうか、幸せかどうか。その根っこは、ちゃんと楽しめているかどうかにつながっている。
今、あなたが「とことん楽しんでいる」ことは何?
2. 年齢は表面。中身は、その人の生き方だけ
最近、70代、80代の方とご縁をいただくことが続いている。
不思議なのは、みんな「年齢」を感じさせないこと。
姿勢も、話し方も、好奇心の量も、ちっとも衰えていない。
何歳なのか、どこに住んでいるのか、何をしているのか。
そういうのはぜんぶ表面の話で。
本当に元気な人は、ただ「自分の人生を楽しんでいる」。
年齢は、その人の中身には関係ない。数字はただの記号。
年齢という枠をはずしたら、今日は何をしてみたい?
3. 60年前、パリで高田賢三と一緒にデザインしていた

マダムは60年前、まだ若かった高田賢三さんと一緒にパリでデザインをしていた人。
日本の女性誌、アンアンやエルの挿絵も手がけていた。
日本人女性にとっての「パリのイメージ」を、まさに作っていた一人だった。
パキスタンで暮らした時期もあれば、ブラジルに住んでいた時期もある。
死ぬ寸前の交通事故さえも「楽しかった」と語る。
人生を、ただ通り過ぎる時間ではなく、全部味わい尽くす対象として扱ってきた人。
そういう生き方が、今の佇まいに全部にじみ出ている。
今までの人生で、「味わい尽くした」と言える瞬間はどこ?
4. 作ったものが、作ったそばから売れていく
マダムは今も手を動かし続けている。
お手製のポーチ、鍋つかみ、キルト、そして絵。
展示会をひらくと、並べたそばから全部売れてしまう。
売るために作っているのではなくて、作りたいから作っている。
楽しいから続いていて、続いているから磨かれていて、磨かれているから誰かに届く。
「好きなこと」を大切にしている人の作るものには、ちゃんとその温度が乗る。
才能豊かだけど、それ以上に、人生が豊か。
売るためじゃなく、「作りたいから作りたい」ものは何?
5. ああいう大人に、なりたい

マダムと別れたあと、ふたりでぽつりと言葉を交わした。
「ああいう大人に、なりたいね」
派手でも、偉くもない。
ただ、自分の好きなことを大切にして、目の前のことをとことん楽しんでいる。
それだけで、人はこんなにも魅力的になれる。
目指すのは、若々しさじゃなくて、楽しさの密度。そんなふうに思えた午後だった。
あなたが「ああいう大人になりたい」と思う人は、誰?
まとめ
生涯現役の秘訣は、特別なことじゃなかった。
ただ、なんでも楽しむこと。好きなことを大切にすること。
そして、年齢という数字に、自分の可能性を預けすぎないこと。
87歳のマダムが教えてくれたのは、シンプルだけど本当に大切なこと。
今日をどれくらい楽しんでいるかが、20年後の自分の若さを決める。
さあ、今日は何を楽しもう?
