
誕生日の朝、パリの部屋で手作りのハンバーグを食べた。
豆腐とひき肉を混ぜたやわらかいハンバーグと、小さなケーキ。
特別な日なのに、驚くほど穏やかな時間が流れていた。
そのテーブルの端に、パリに来た日に書いた「やってみたいことリスト」があった。
30項目。どれも新しい街での高揚感から生まれた願い。
日本に帰るまで、あと3〜4ヶ月。
ふと手が動いて、そのリストを破いてしまった。
捨てたのではなく、手放した。そう言いたくなる感覚だった。
出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.230 やりたいことを全部捨ててみた
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1. 誕生日の食卓に、丁寧な時間があった
豆腐とひき肉を合わせた、ふわっとしたハンバーグ。
バターを混ぜ込んだ小さなケーキ。
パリの台所で作られた、手作りの食卓。
誕生日だからといって、特別なレストランに行くわけじゃない。
部屋の小さなテーブルで、ふたりで食べる。
それだけで、もう十分だった。
豊かさは、派手な場所にあるんじゃなくて、丁寧に作られた時間の中にある。
誕生日に、どんな時間を過ごしたい?
2. 読めない手紙は、アートになる
誕生日に、手書きの手紙をもらった。
でも、筆跡がくせがあって、ほとんど読めない。
読もうとしても、読み解けない。
普通なら「読めないね」で終わる話。
でも、見方を変えた瞬間、手紙が「アート」に変わった。
額に入れて、壁に飾ろう。
意味がわからないからこそ、文字の形や紙の余白が、ただ美しく見える。
わからないまま、味わうという選択肢もある。
わかろうとするより、感じる方が、豊かになることもある。
わからないまま、味わってみたいものは何?
3. やりたいことリストを、手放すとき

パリに来た最初の日、30項目の「やってみたいこと」を書いた。
あの時のわたしは、新しい街でたくさんの刺激を求めていた。
でも、数ヶ月暮らして、見える景色が変わった。
今のわたしは、あのリストのわたしじゃない。
過去の自分が決めたことに、今の自分を縛らなくていい。
達成するためにパリにいるんじゃない。
今この瞬間を、ただ感じるためにここにいる。
リストを破った瞬間、肩の力がすっと抜けた。
手放すことは、あきらめることじゃない。今を選び直すことだった。
今のあなたに、もう必要のないリストは何?
4. 勉強をやめたら、ことばが入ってきた
フランス語も、最初は「勉強しなきゃ」と思っていた。
テキストを開いて、単語を覚えて、文法を学んで。
でも、それをやめた。
街を歩く。カフェで聞こえてくる会話に耳を傾ける。看板の文字を、ただ眺める。
「勉強」じゃなく「浸る」に変えたら、不思議とことばが体に入ってきた。
頭で覚えるのをやめて、空気ごと吸い込むようにした。
学び方には、いくつもの形がある。
がんばることだけが、吸収する方法じゃない。
「勉強」をやめて、「浸る」に変えたいことは何?
5. 何もしない時間が、人生を変えていく

ミヒロの新しい本のテーマは「何にもしない」。
環境にも、心にも、時間にも、余白をつくる。
以前のミヒロが苦手だったこと。
だからこそ、そこに学びがあったという。
「やりたいこと」を全部やる人生も、悪くない。
でも、「何もしない時間」を持てる人生は、もっと深い。
余白のある一日の方が、風景がよく見える。
手放すことと、余白をつくることは、同じ方向を向いている。
軽くなった両手に、次の大切なものが、そっと置かれる気がする。
今日、どこに「余白」をつくってみる?
まとめ
やりたいことを全部捨ててみた日。
リストが消えた後に残ったのは、空っぽの時間じゃなかった。
やわらかく、自由で、ただ「今」を感じられる、ゆったりとした時間だった。
過去の自分が決めたことに、今の自分が縛られなくていい。
変わっていくことは、裏切りじゃなくて、成長。
手放したぶんだけ、新しい風が吹いてくる。
あなたは今、何を手放したい?
