部下を見ていると、「あの仕事に取り組んでいる様子が見られない」「あの仕事はもう完了していい頃なのに、どうなっているのだろう」と進捗状況が気になることがあります。
1. 「見えるもの」で確認するのが一番
経験値が違うので、仕事にかかる時間に関して部下の見積もりが甘く、本人はまだ十分間に合うと思って、仕事に手をつけていないということもあるでしょう。
そんなとき、上司であるあなたが、「あの仕事は、今の時点でこのくらいできているといい」「時間がかかるから、もっと早めに取りかかったほうがいい」などアドバイスしたくなる気持ちも十分わかります。
でも、しつもんこそが部下の成長の一歩になりますので、ここでは、
「今、できているところまで見せてもらえる?」
という進捗を確認するしつもんが適切だと思います。
もし、「これから取りかかります」と返ってきた場合は、「この仕事にどれくらい時間がかかると考えている?」と部下の考えを確認します。何をどう進めていくのか、考えを話してもらうのもいいと思います。具体的に答えてもらうと、部下の仕事に対する問題意識も明確になっていくでしょう。
ときに、「大体できています」「もう少しです」という答えが返ってくることもあります。その答えに安心して待っていたら、結果として全然できていなかった・・・という経験も、上司の皆さんならあるかもしれません。
ここで抑えておきたいのは、人によって「大体」「もう少し」という感覚はそれぞれ違うということです。部下の場合、仕事の全体像が見えていない可能性もあるので、その言葉を鵜呑みにするのは少しリスクがあります。
このような答えが返ってきた場合には、進捗状況を共有できる成果物や書類、経過のわかるメモ書きなどを見せてもらい、実際に目で確認することをお勧めします。するとおおよその進行状況がわかり、上司のあなたも安心できます。
【NG質問】「あの案件、一体どうなってるんだ?」
今、できているところまで見せてもらえる?
2. 迷いなくホウレンソウができる状況を作る
仕事において、報告、連絡、相談 ーホウレンソウはとても重要です。
ここがスムーズにいかないと、上司の知らないところで何か大きなトラブルが起きることがあります。
たとえば、他社にプレゼンテーションに行った部下が、職場に戻ってきて、半日過ぎても報告してこなかったとします。できれば上司でもあるあなたが促す前に、部下から報告してもらいたいものです。
しかし、部下の中には「そのうち報告すればいい」「後でまとめて言えばいい」「上司が忙しそうだからやめておこう」などと思っている場合があります。
ここではまず、次のようなしつもんを部下にしてみましょう。
「なぜ、報告が必要だと思う?」
これは、報告の重要性を考えてもらうためのしつもんです。
さらに、「どんなタイミングで報告するのが一番いいと思う?」と聞き、いつ報告するのがベストなのかを共有しましょう。
もし「帰り際でいい」「メールでもいい」などと返ってきたときには、なぜそう思うのかを聞いてみましょう。
その上で、上司としてのあなたの考えを伝えます。
ここでは、何が良い、悪いということを明らかにするよりは、お互いの気持ちを共有して、ホウレンソウを迷いなく行える状況を作ることが大切です。
上司のあなたが「あの件はどうなってるんだ?」と聞いている状況が日常茶飯事の場合には、一度時間を取って、このしつもんをしてみるのがいいかもしれません。
ここでは報告のみを取り上げましたが、連絡、相談に対するしつもんも同じです。
部下にその重要性を理解してもらうように、上司サイドから働きかけていきましょう。
【NG質問】「なんで、報告してこないの?」
なぜ、報告が必要だと思う?