部下には、段取りよく仕事をこなしてもらいたいと思うものです。
でも、最初から完璧にできる部下はそういないでしょう。
つい「こんなふうに進めて」「これと同じように作って」と、自分の理想の形にはめるような指示をしてしまいがちです。でも、これでは長期的な成長にはつながりません。
どんなしつもんをして部下を伸ばすべきなのか、ここで押さえておきましょう。

1. 「完成度」を高めるためのポイント
部下に仕事を依頼する際には、ただ仕事を頼むだけではなく、その仕事のポイントを考えてもらうしつもんを添えると、より効果的に取り組んでもらうことができます。
たとえば、企画書を依頼する場合、こんなふうに問いかけるといいでしょう。
上司「企画書を作ってもらいたいんだけど、この企画書は、なぜ必要だと思う?」
部下「新商品の販売促進のためですかね」
上司「そうだね。じゃあ、この企画書で一番重要な部分はどこだと思う?」
部下「新商品の良さをわかりやすく説明することですかね」
上司「そうだね。そこをメインにするといい企画書になりそうだね。あとは、どんな工夫ができそうかな?」
部下「他者の商品との差を、グラフで入れるのはどうでしょう?」
上司「いいね、それはわかりやすいね!まずはそれで作ってみよう」
このように、しつもんを使うことで、重要な部分が見えてきます。
一方的に「企画書を作って」と依頼すると、「前回の形式に合わせて作ればいい」「自分ができるものを作ればいい」など、ただの取り組みになってしまいがちです。
でも、その先に見る人がいることを意識したり、大事な部分が明確になると、完成度が上がります。これに気づかせてあげることが上司の役目です。
ときには、的外れの答えが返ってくることもあるでしょう。
そのような場合でも、「違うだろう?」と相手の意見を否定するのは避けてください。それを言ってしまうと、部下は意見を言いづらくなってしまいます。
自分とは違う意見だったとしても、いったん「そう考えているんだ」「そうなんだ」と受け止めましょう。
そして、
「ぼくはここがすごく大事だと思ってるんだ。それは◯◯だからだよ。どう思うかな?」
と、最後は上司の意見を伝えましょう。
相手の意見を聞くだけで終わってしまうと、結果的に全く違った方向に進んでしまうことがよくあります。ですから、部下の考えを聞いた上で、上司のあなたの意見を忘れずに伝えるようにしてください。

2. 最終の目的を意識づける
また、仕事にはいろいろな側面があり、行動は同じでも、その目的が異なることがあります。
たとえば、あるイベントを行うため、部下にチラシを1000枚配るよう依頼したとします。部下は、必死になって1000枚のチラシを配ってきました。
しかし、当日を迎えてみたら、お客様は数えるほどしかいません。
「ちゃんと配ったのか?」と部下に聞くと、「はい、全部配ってきました!」と自信満々の返事が返ってきました。こんな話は、よくあるケースかもしれません。
この場合、どんなことが問題だったと思いますか?
その部下は、ただ「チラシを配ってきて!」と言われたので、多くの人に渡せるようオフィス街でランチの時間に配っていたのです。しかし、残念ながら、そのイベントは学生向けの内容だったので、適切なお客様にチラシを渡すことはできませんでした。
ここで必要だったのは、「多くの学生に来てもらう」という目的の共有でした。
それがなかったので、部下の目的は「チラシを配ること」になってしまっていたのです。
まず、仕事を依頼するときには、
「この仕事の最終的な目的は何だと思う?」
としつもんすることが大切です。
すると、部下の仕事への取り組み方が変わってきます。
その目的に合った「最善の行動」を生み出せるようになるのです。
仕事を達成させるために、この部分の確認は不可欠です。どこにフォーカスするべきなのか、部下に考えてもらうことによって、部下自身も取り組みやすくなるでしょう。
部下に仕事をお願いするときには、ぜひこのしつもんを使ってみてください。
一番重要な部分はどこだと思う?
ヤマちゃん says
一番重要な部分はどこだと思う?
→この仕事は、happy moneyにつながっているか?それともunhappy moneyになってしまうのか??