ぼくは質問家なので、初対面の人に「質問家です」と名乗ると、「じゃあ、質問して!」と言われることがよくあります。
ただ、いくらしつもんを使う仕事をしていても、相手がどういう人なのか、どんな思いを持っているのか、何に困っているのかなどがわからないと、適切なしつもんはできません。

1. 相手を理解しないと、いいしつもんはできない
何もわかっていない状態では、相手の本当の思いを引き出すことはできないのです。
いいしつもんとは、相手のことを理解した上で使うものです。
それは部下に対しても同じです。
まず、部下がどんな思いを持っているのかを知ることから始めてみてください。
そのときには「相手のことをもっと知りたい」という思いで話を聞くことが大切です。
2. 「受け入れる」ではなく「受け止める」

相手の話を聞くときには、ひとつのポイントがあります。
それは、意見を「受け入れる」のではなく、「受け止める」という姿勢で聞くことです。ときには、相手の話に対して反論したくなったり、話を合わせようと無理に賛同してしまうことがあるかもしれません。
でも、すべての話を受け入れていると、こちらの心が疲れ切ってしまいます。
ですから、人の話を聞くときは、すべて「いいね」「わかるよ」と受け入れるのではなく、「そうなんだ」「なるほど」「へぇー」と受け止める聞き方がいいと思います。
この姿勢の中には、相手に対する否定も批判もありませんし、容認や賛同もありません。相手の感情に振り回されずに「受け止める」姿勢を保つことで、話の中にある真実を見つけ出すことができるようになるのです。
3. 適当な答えが返ってきたら?

ただ、「ちゃんと考えていないな」「これは適当に答えているな」と感じたときは、受け止めた後に、もう一度考えてもらうことを意識してください。
そのような場合は、「なぜ、その答えなのか?」を聞きます。
上司「どのような方法で宣伝するのがいいと思う?」
部下「(適当に)フェイスブックですかね〜」
上司「なるほど、そうなんだね」
部下「はい。絶対いいと思います」
上司「なぜ、フェイスブックだと思う?」
部下「・・・」
それに全く答えられなかったら、考えていないということです。
でも、ここで「何も考えてないだろう!」と責めてはいけません。
もし、「わかりません」と答えが返ってきたら、「じゃあ、一緒に考えてみようか」と一緒に考えるスタンスを提示してください。なにより、部下に「考えてもらうことが大切なのです。
4. どんな答えでも「正解」

このとき、ぼくはひとつのルールを決めています。
それは、「相手の答えはすべて正解」というものです。
○✕のクイズでないかぎり、どんな答えでも「正解」として受け止めるようにしています。
これは相手の考えを引き出すために、とても大事なルールです。
答えの良し悪しは後にして、部下が考えて出した答えはどれも、その時点での「正解」として受け止めるようにしましょう。
また、しつもんをするときには、部下の成長にある程度の時間がかかることも頭に入れておきましょう。どんなに効果的なしつもんをしたとしても、それまで考える習慣がなかった場合、おそらく最初の10回「わかりません」と返ってくると思います。
でも、考えた上で出した答えなら、それも受け止めてあげることが大切です。
習慣を変えるのは、上司も部下も大変です。
最初は答えがうまく出てこないこともありますが、長期的な目で、根気強く部下とかかわってあげてください。
なぜ、その答えなのか?







