なぜ、今この段階で「ビジョンをつくる」ことに取り組むのかということからお伝えしたいと思います。
ビジョンは、ないよりももちろんあったほうがいいし、ビジネスをスタートする前からあったほうがいいと思います。
でも、ぼくの経験からすると、何か仕事や活動をする前にビジョンを掲げようといわれても、どうつくったらいいのかわかりませんでした。つくってみても、本当にこれでいいのか疑ってしまうし、現実とあまりにかけ離れすぎていて役に立たなかったということもあります。
やはり、実際にスタートしてある程度のことをやってみないとビジョンはつくれないな、と肌で感じました。
1. 改めてビジョンを明確にする
ここまでステップアップしてきたあなたは、いろいろな方法を試し、考え方に触れてきた中で、「これは自分の目指す世界かな」「これは自分の考え方と違う」と方向性が見えてきたかと思います。
このタイミングで、改めてあなたのビジョンを明確にしてほしいのです。
ビジョンがないまま、または古いビジョンのままで進んでいくとどうなるかというと、「どうしてこの仕事をやっているのか?」「この活動をやっていて何の意味があるのか?」と自分のやっていることに迷い始めます。
すると、売上や利益や収入だけで価値を判断してしまうことが多くなります。
自分のやっていることに意味を見いだせなくなれば壁に突き当たることになるし、どうしても消極的な守りの大勢に入り、せっかく好きで始めたビジネスもうまくいかなくなってしまいます。
そうならないためにも、ここでビジョンをつくっていきましょう。
といっても、「あなたのビジョンは何ですか?」と質問して出てきた答えを書いて、「できました、これがビジョンです」という簡単なものではありません。
「私はこうなりたい、こんな姿になりたい」というのは大事なことなのですが、個人の希望だけでは、ビジョンではありません。
これを少し広げると、自分の属する場所に対しての希望、「私の会社はこうなりたい、私たちのチームや組織はこうありたい」となりますが、これもまだビジョンではありません。
できればもっと大きなスケールで、「どんな世の中になったら幸せだろうか」「100年後、どんな世の中をつくりたいだろうか」と考えてみてほしいのです。
そこを掘り下げるために、なぜ、私はこの仕事をしているんだろう?何のために私たちは存在しているんだろう?と考えてみてください。
ちょっと漠然としているかもしれませんので、まずは、大枠をつくって思ったことを書いてみて、それをもとにしながらビジョンを磨いていってください。
そして、ビジョンが見えてきたら、新しい商品をつくる、新しいサービスをつくるというときに、それが自分のビジョンにあっているかどうかを確認してみてください。
そうすると、芯の通った活動ができるようになりますよ。
2. お金は「ありがとう」の形
なぜ、今のビジネスを始めたのですか?
ビジネスを始めたときには、きっと熱い思いがあったのではないでしょうか。
そのときの思いをもう一度思い出してみましょう。
「初心に」です。
どんなときに感謝されますか?
仕事中やプライベートで、あなたは、どんなときに「ありがとう」と言われますか?
その場面を思い出してみましょう。
どんな言葉で感謝されますか?
あなたは、どんな言葉で「ありがとう」と言われるでしょうか?
「〇〇で、ありがとう」の〇〇には、何が入りますか?
感謝される理由を思い出してみてください。
世の中にどう役立っていますか?
あなたは、世の中にどんなふうに役立っているのでしょうか?
お金は、「ありがとう」の形です。
たくさん「ありがとう」と言われると、たくさんのお金もいただけます。
「どうやって儲けるか」から、「どうやってありがとうと言われるか」に考え方をシフトすると、自然と売上も上がっていくのかもしれません。
キャッチフレーズは何ですか?
あなた(あなたの会社)のキャッチフレーズは何でしょうか?
お客様にも、自分自身にも、自分のことをわかりやすく伝えていく言葉がキャッチフレーズです。
そこにもビジョンが込められているとなおいいですね。
合言葉(キーワード)は何ですか?
自分を表すキーワードをたくさん書き出してみましょう。
短い単語を集めていき、その中で特に自分らしいものはどれだろう?と厳選していくと、より自分らしいキーワードが見つかりますよ。
見つかったキーワードは、ホームページや名刺、ブログなどのあなたを表現するものに入れたり、商品やサービスを開発するときの切り口として活用しましょう。
あなたがいなくなると、誰がどんなふうに困りますか?
あなたがいなくなることで、誰がどんなふうに困るでしょうか?
「誰も困らないよ」と思われる方もいるかもしれませんが、今、仕事ができているということは、誰かのお役に立てているということ。
自信を持って答えてくださいね。
100年後、どんな姿になっていたいですか?
100年後、あなたはもうこの世界にはいないかもしれません。
ですが、あなたが残した何かは、きっとまだこの世に受け継がれていることでしょう。
あなたが一生懸命に仕事をした結果、世の中にどんな変化をもたらすことができたのか、世の中はどんなふうによくなったのか、そんなことを考えてみましょう。