2組のカップルがいました。
1組目のカップルは
「何であなたは、私のことをもっとわかってくれないの?」
「おまえだって、俺のことを全然考えてくれないじゃないか!」
相手と対話するたびに、ついつい喧嘩腰に言葉を発してしまう。
本当は、もっといい関係をつくりたいのに。
昔は、お互いに仲が良かったように思えるけど、
いつしか会話が少なくなり、ただ一緒に生活をしているだけ。
何を大切に生きたいか?
どんなことを感じて過ごしているのか?
これからどんな人生をつくっていきたいか?
相手がどんなことを考えているかは、まったくわからない。
「私はこのままの生活で、この相手でいいのだろうか?」
そう思っています。
人生を共にするのであれば、
愛し愛されて生きていきたい。
そう思うのは当然ですし、
そのような関係をつくっていきたいですよね。
もう1組のカップルは
「今日はどんな1日だった?」
「買い物に行ったら、帰りにとても仲良さそうなおじいちゃんとおばあちゃんが
手をつないでいたのを見ていたの」
「素敵な夫婦だね」
「私たちもそんな風になるために、何ができるかな?」
そんな対話が毎日行われています。
自分が心地よいのはもちろんのこと、相手のために何ができるか、
相手と自分でどんな未来をつくりたいか?
そんなコミュニケーションをしています。
お互いに自立して生きているけど、支えあって生きている。
2人が思い描いていたパートナーシップを築いています。
実は、この2組のカップルは同じカップルなのです。
以前は何を話してもうまく行かなかったカップルですが、
あることを2人で取り組みました。
それは「しつもん」を活用した対話です。
それぞれが
自分にしつもんし、自分との対話をする。
相手にしつもんし、相手のことをより理解する。
お互いの答えを認め合い、寄り添う。
そんなことを積み重ねた結果、
理想的なカップルへと変化していきました。
それぞれの対話では違うしつもんが必要になってきます。
パートナーシップをより良くするために、なぜしつもんが大切なのでしょうか?
それはしつもんとは「対話をするための道具」だからであり、
対話をすることで相手との関係性が深まっていくからです。
今回は、
SNSに活用できる対話術を紹介します。
1. 自分を知るための対話
人は、自分のことはよく知らないというケースが多いものです。
なぜならば、忙しい日々を過ごしていると、自分だけのために
立ち止まる時間を取ることが少ないからです。
では、あなた自身のことを少し思い出してみましょう。
「最近、家庭のことも仕事のことも考えず、
自分のことだけを5分間考えたのはいつですか?」
もしかしたら、1日24時間のうち、たった5分間も取ることができていなかったかもしれません。
自分よりも家族が大切、自分のことよりも仕事が大切というように、
自分のことは後回しになってしまいがちだからです。
では、しつもんを変えてみましょう。
「あなたにとって一番大切な人は誰ですか?」
きっと多くの方が「自分自身」と答えを出していることでしょう。
あなたにとって一番大切な自分自身との時間を、より多く取りましょう。
自分との時間をつくることで、自分のことをより知ることができます。
自分は何が大切で、何が嫌いで、何を求めていて、
何をしてほしくなくて、どんな未来をつくりたいか。
まずは、それを知ることから始めていきましょう。
2. 相手を知るための対話
あの人はどう思っているんだろう?
そんな推測で、人はコミュニケーションをしています。
でも、あなたがいくら考えても、その答えは出てきません。
相手の気持ちを察することは必要ですが、
その人の答えはそのひとの中にしかないからです。
こんなシーンを思い浮かべてください。
毎日、夫はベッドに入りながらテレビを見ています。
妻は同じベッドで本を読んでいます。
夫は「いつ本を読み終わるんだろう。早く寝たいのに。」と思っていて、
妻は「いつテレビを見るのをやめるんだろう。早く寝たいのに。」と思っています。
あなたにも、今までこれに似たシーンはなかったでしょうか?
たった一言、相手の気持ちを聞くことができれば、
お互いにストレスなく過ごすことができていたかもしれません。
相手の気持ちや答えを聞かないことで、すれ違いは起こるのです。
最初は小さくても、その積み重ねが大きなすれ違いになってしまうのです。
相手の気持ちを知るには、しつもんして聞くだけです。
でも、しつもんするときに大切なことは、答えやすい環境をつくること。
「どんな答えを答えてもいいよ」という意識が最も大切です。
相手のことをより深く知るためにも、しつもんを活用していきましょう。
3. 自分と相手の考えを共有するための対話
自分のことを知ることができ、相手のことも知ることができたら、
そのお互いの答えを元に歩み寄ることが大切です。
大事なのは答えを同じにすることではなく、違う答えを受け入れ合うこと、
そして違う答えであればどのように取り組んでいくかを明確にすることです。
例えば、
「働く上で大切にしたいことは何ですか?」というしつもんにおいて、
男性が「お金」女性が「やりがい」と答えたとします。
「2人の答えが違うから、わたしたちはわかりあえない」という結論ではなく、
答えが違うとしたら、このケースにおいては、
自分の答えを優先するのか、
相手の答えを優先するのか、
2人の新たな答えを見つけ出すのか
などのアプローチが考えられます。
お互いの考えが違うことにフォーカスをするだけではなく、
違うことを認めたうえでどうすりあわせていくか、
お互いの考えが重なる部分をどうつくりあげていくかという共同作業がとても大切になってきます。
相手を責めるのではなく、
2人にとって理想の答えを出すことにエネルギーをかけましょう。
いかがでしたでしょうか?
自分のことを知らないと、どんな人が自分と合うのか?
どんなパートナーが理想なのかが見えてきません。
そして相手を知ることができないと
自分の理想のパートナーとしてあっているのかどうかも見えてきません。
自分を知り、相手を知った上で
今度はお互いの考えを共有しすり合わせていくことが必要です。
また、
会話をする時に何を話したらいいかがわからないという時があるかもしれませんが、
そこにしつもんがあるだけで会話がスムーズになります。
「2人で未来のことを考えようね、では何を話そうか・・・」
こんなシーンでも
「10年後、どんな1日を過ごすのが理想だとおもう?」
というしつもんがあったほうが
お互いが話しやすいという経験をしたことはありませんでしょうか?
しつもんは、コミュニケーションのきっかけにもなり、
本質的な答えを知るための道具にもなります。
SNSでも、メールでも活用して、関係性を深めていきましょう。
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