部下の表情が浮かないとき、上司としては心配になるものです。
どう声をかけるのがベストなのか、対応に迷うことも多いでしょう。
下手に声をかけて、やる気を削いでしまったり、さらに追いつめてしまったりしては元も子もありません。
でも、そのようなときにしつもんが有効です。部下の悩みを紐解き、前向きに次の行動に移せるようなサポートをしていきましょう。

1. 「力になりたい」ことを伝える
部下が疲れた表情をしているとき、それが気になるけれど、どう声をかけたらいいものか迷う方がいるかもしれません。ぼくは、それを見逃すことなく、「気にかける」ことが大事だと思います。
ぼくの場合、こんなふうにしつもんします。
「今、何が一番大変?」
「何か手伝えることはある?」
大切なポイントは、「上司として気にかけていること」「力になりたいと思っていること」をしっかり伝えることです。
また、仕事において悩んでいるようであれば、
「誰かに振れそうな仕事はある?」
「後回しにできる案件は何?」
「減らしても問題のない業務はある?」
などとしつもんし、事態を少しでも改善に向かわせるようにします。
これはぼく自身の体験談ですが、「その仕事に関して、上司として手伝えることがなくても、『手伝えることはある?』『できることはある?』と聞いてもらえるだけで満足する」と、部下に言われたことがあります。
実際に行う、行わないが問題ではなく、気にかける一言で、仕事のやる気がアップしたり、元気が出ることもあるのです。
一方で、「少し休めば?」「昨日、飲みすぎたの?」など、現状を把握していない状況でのデリカシーのない質問は、部下の反感を買うだけです。
「あなたのせいよ!」「こんな仕事をさせているあなたがいけない!」と新たな問題を生む可能性もありますので、安易な質問には注意しましょう。
今、何が一番大変?
2. 意外と「なぜ?」を押さえていない

部下が感情的になっているとき、まずしたいことは、受け止めることです。
部下「クライアントから、『納期を1週間前倒ししてくれ』といきなり言われたんです!」
上司「そうだったんだね」
部下「そんなのできるわけないじゃないですか!」
上司「そうか、そうか」
部下「あそこはいつも勝手なことばかり言うんですよ!」
上司「そうなんだね」
部下「ああ、腹が立つ!」
上司「そうか。じゃあ、なぜその状況になったのだろう?」
部下「・・・。 それはわかりません・・・」
上司「そこを考えてみようか」
ここでは、話を受け止めながら、現状把握に努めることが大切です。
クライアントの要求がいくら理不尽でも、「なんでその状況になったのだろう? その理由は何だろう?」と、客観的に問題を捉えるように促します。
もしかしたら、その状態になる伏線があったかもしれません。
経験者だったら、それを見逃さず、その先を見越して仕事ができたかもしれません。でも経験が少ない部下は、小さな変化など見逃してしまうことがあります。
クライアント側の「なぜ?」を理解できるようになると、次から対策ができるようになります。同じ状況を再発させないためにも、部下にその部分を考えてもらうようにしましょう。
そして、クライアントの「なぜ?」がわかったら、解決策を考えることにシフトします。もし、部下が冷静な状態に戻って、解決できそうであれば任せたほうがいいでしょう。
しかし、理不尽さを感じていて、ベストな対応ができないようであれば、一緒に考えるスタンスがいいと思います。上司が先に解決策を言うのではなく、部下の考えをもとに一緒に考えるというかかわり方がいいでしょう。
このような場合、上司は、つい「しかたないだろう」「なんとかしろ」と、最初からお客様目線で部下に対応してしまいがちです。でも、上司が敵になってしまったら、部下は反発するだけで、冷静な判断などできなくなります。
部下が感情的になっているとき、部下以外の味方になってしまう上司の方は意外と多くいます。ここは、上司として注意しておきたい大事なポイントかもしれません。
まずは、上司が部下の話を受け止めることで、部下を冷静な状態にすることが大切です。
なぜその状況になったのだろう?