部下にはさまざまなタイプがいるので、同じしつもんでも、相手によって響く場合と、あまり響かない場合があります。
ここでは、部下のタイプを大枠で把握しておくことをお勧めします。
仕事において、人は大きく2つのタイプに分かれると思います。
1つは「コミュニケーション型」、もう1つは「自立型」です。
1. コミュニケーション型は「気にかけること」
まずコミュニケーション型は、人とのかかわり合いを好むタイプです。このタイプの人は、感情を聞いてもらうとモチベーションが上がります。
たとえば、
・今、どんな感じで進んでる?
・困っていることはある?
・何か手伝えることはある?
など、できるだけ「気にかけている」ということを伝えるしつもんをすると効果的です。
コミュニケーション型は、総じて人にかまってもらいたいタイプです。
ですから、何もせずに放っておくと、モチベーションは下がり、周りや仕事に対しての不満が溜まっていきます。ぜひ、多くのしつもんを通じてかかわることをお勧めします。
2. 自立型は「干渉しすぎないこと」
これと対象的なのが、自立型です。
自立型は仕事をすべて任せてほしいタイプなので、仕事のプロセスにおける上司との深いかかわり合いをあまり好みません。
放っておいてもらいたいこのタイプには、タイミングを計りながら、次のしつもんをしてみましょう。
・進捗状況はどう?
・どれくらい達成してる?
しつもんは必要最低限に留めますが、ずっと放っておくのはリスクがあります。必要なときは遠慮することなく、現状把握や事実確認をしましょう。ただ、過干渉にならないように気をつけてください。
またこのタイプには、しつもんだけでなく「必要なときは言ってね」などの声がけも有効です。
一方で、「大変?」「悩んでない?」「本当に大丈夫?」などを頻繁に繰り返すと、仕事への意欲を下げてしまうことがあるので、できる範囲内で見守る姿勢を見せましょう。
3. 未来志向型は「未来にフォーカス」
さらに、部下の得意分野に焦点を当て、もう2つのタイプを押さえておくと、しつもんをより効果的に使うことができます。
これは、部下に役割を与える際に役立ちます。
人には、未来のことを考えるのが得意な人と、過去の事実や実績に目を向けることが得意な人がいます。前者を「未来志向型」、後者を「リスクヘッジ型」としましょう。
たとえば、あるプロジェクトを進めるとき、未来志向型にはこんなしつもんをすると効果的です。
・どんなことがあったら、この企画が盛り上がるかな?
・たくさんの人の役に立つにはどうしたらいいかな?
・どのようにすればもっとうまくいくかな?
未来志向型の場合、アイデアがどんどん出てきます。
4. リスクヘッジ型は「過去にアプローチ」
一方で、リスクヘッジ型は、過去の事実や実績を分析するのが得意なタイプです。
そういったタイプには、次のようなしつもんが有効です。
・うまくいかないとしたら、何が原因だと思う?
・改善するとしたら何ができると思う?
・どんなリスクがあるだろう?
このように聞いてあげると、冷静に判断して、そのポイントを考えてくれます。
部下のタイプを細かく把握する必要はありませんが、どのようなタイプなのか、大まかに押さえておくことは重要です。
しつもんはどんな人の可能性も引き出しますが、もともと持っている得意な分野に合わせたしつもんをしてあげると、より効果を発揮します。
コミュニケーション型も自立型も、未来志向型もリスクヘッジ型も、企業にとってはどれも必要です。上司が部下のタイプを知り、その良さを引き出してあげることが大切です。
最初は、部下がどちらのタイプかわからないこともあるでしょう。
もし、しつもんをしてみて反応が悪いと思ったら、他のタイプのしつもんにトライしてみてください。その中で、相手に合うしつもんを見つけていければ、部下はどんどん成長していきます。
akaz says
私は1人で仕事をしているので部下はいませんが、取引先と対応するのに役に立つ質問ですね。
とくに相手に喜んでもらうため、3の未来志向型は活用します。
反対にうまくいかない原因を解消・解決するため、4のリスクヘッジ型を活用します。