待てないと感じるのは、どんなときでしょうか。
もしかすると、いつも何に対しても、待つことができずに「早く解決したい」「すぐやってほしい」と、願っているときかもしれません。
そして、ちょっとでも待たされると、イライラしているのでは?
今回は、「待つゆとり」についてのお話です。
1. 焦ってもしょうがない
日本はとても時間に正確なので、電車が1分でも遅れると、すぐに怒る人もいることで
しょう。
でも海外では、時間通り来ないどころか、時刻表がないところもあるくらいです。
ですので、遅れても怒る人は、それほどいません。
「自分の力でどうにもならないことに焦ってもしょうがないと思っている」からです。
そして、この感覚が大事なのです。
2. 待つゆとり
南仏のある街に行ったときのことです。
友人と雰囲気のいいレストランに入ったのですが、どうも人手が足りていないようです。
席はあるのですが、注文を聞いてもらうことができないお客さんであふれていました。
さすがにイライラしている人、怒っている人も多い中、私たちは、慌てることなくお
しゃべりに花を咲かせていました。
30分ほどたって、ようやく注文をとりに来てくれたので、「今日は忙しくて大変ですね」とねぎらいの言葉をかけました。
「ありがとう。そんなふうに言ってくれたのはあなたたちだけよ」と、彼女は笑顔を見せてくれ、なんと、注文していないシャンパンをごちそうしていただきました。
焦っても、怒っても、状況は何も変わらず、いいことは何一つありません。
待てるゆとりがある人は、待っている時間をどう過ごすか、どう楽しむかを考えていま
す。
待ち方を知っているのです。
そして人を傷つけることなく、喜びを循環させていくことができます。
人と関わりを持つときに「待つゆとり」を身につけましょう。
3. タイミングは必ず来る
また、車の運転免許をとるために、実際の道路に出て教習を受けたときのことです。
車が途切れることなく、本線に合流しようとするのですが、どんどん走ってくるので、いつ入っていったらいいかわかりません。
すると教官は、こう言いました。
「ずっと待つんだよ。車が途切れるまで。待っていれば、タイミングが必ず来るから」。
いざ、合流できるまで待った時間は、おそらく2〜3分でしょう。
そのときの私には20分にも30分にも感じましたが、無事に合流することができました。
このときに、待っていれば必ずタイミングが来るということを体感できました。
時には、待つしかない、ということがあるのです。
4. 信じて待ち続ける
質問を発したとき、多くの人は「すぐ答えてほしい」と思っています。
ですが、質問はすぐ答えることに価値があるわけではありません。
質問をした相手が「わからない」と答えるとき、その様子を観察してみてほしいのです。
本当にわからないのかもしれません。
でも、言ったら怒られる、否定される、と思って「わからない」と言っている可能性も
あります。
また、「まだ答えが出ないの?」「早く答えなさい」という圧力を感じて、仕方なく口にしているのかもしれません。
待ってもらえないと「とりあえず何でもいいから何か答えを言っておこう」という気持ちになります。
これでは、質問の意味がなくなってしまいます。
「あなたの答えをいつまでも待っているよ」という人から質問されると安心しませんか?
そんな状態で質問をされると、自分の本当の答えを探そうとします。
大事なのは、信じて待っているよということを伝えること。
「(いまは)そうなんだ。じゃあ、(答えを)思いついたら、教えてね」
暖かいまなざしで、黙って、待ち続けることです。
ふだんから、待つ練習をしてみましょう。
待つために何をしますか?

*書籍の一部を無料でご覧いただけます。
鶴﨑八千代 says
ミヒロさん、お久しぶりです。
本田健さんとの公開収録で去年お会いした、フランス在住、客室乗務員、「キャリア&ライフアドバイザー」です。
「タイミングは必ず来る」ちょうど今の私にしっくりと心に響きました。25年ぶりに?!マニュアル車運転チャレンジ、それもフランスで。なかなか合流出来ない…. 私。主人に「今だ!!」と言われても、私のタイミングでなく合流できない。でも、人によりタイミングがありますよね? きっと、人生もそうなんだな…..ミヒロさんの文章を読み改めて思いました。素敵な言葉ありがとうございます。
ミヒロさんのご活躍応援してます❤️
追伸、健さん、ミヒロさんとの3ショット写真宝物になりました。