やりたくないことを減らし、
実際に、やりたいことを増やすための行動を起こしていきましょう。
まず、今の状況を把握するために、行動記録を取ります。
ここで、ひとつ質問です。
「今日、何分間メールをチェックしましたか?
そのとき、自分の感情はどんな状態でしたか?」
いきなりこう聞かれても、きちんと答えられる人はいないと思います。
それは、行動は無意識レベルで起こしていることが大半だからです。
無意識で起こしている行動にどんな感情が伴っているのか?
それを普段から意識している人はあまりいないでしょう。
でも、その状態だからこそ、
人は好きでもないことを我慢して続けることができるのかもしれません。
そこを改めて意識することで、自分の行動を見直すことができるようになります。
では 早速、次のワークをしながら、
自分の行動と、そこに付随している感情を見ていくことにしましょう。
【ステップ1】行動を書き出す
ステップ1では、一日の行動を時間ごとに書きだします。
朝起きた瞬間から、寝る瞬間までの行動をできるだけ細かく書くようにします。
このワークに初めて取り組むときは、
比較的、自分の自由にできる休日をチェックするといいでしょう。
イレギュラーな休日ではなく、平均的な休日をチェックするようにしてください。
慣れてきたら、仕事をしている日の状態をチェックするようにします。
【ステップ2】それに伴う感情を書き出す
ステップ2では、その行動に伴っている感情を見ていきます。
書き出された行動を眺めながら、その行動についている感情を横に書き出します。
その行動によって、自分がどんな感情を感じていたかを観察していきます。
よく、「その行動にどんな感情を感じますか?」と質問すると、
「時間がもったいない」「もっとしっかりやろう」
「規則正しい生活をしなくちゃいけないと思った」という人がいます。
でも、それらは全て感想、つまり、思考です。
そうではなく、その行動に伴っている、
「嬉しい」「悲しい」「辛い」「楽しい」「切ない」「ワクワクする」
などの感情を感じてください。
よくわからないときは、
「良い感じがする」「嫌な感じがする」というのでもいいでしょう。
習慣化された行動に関しては、
自分ではその感情を感じていることすら気づかないことが多いものです。
だから、書き出すことで、
自分でも思ってもいなかった感情に気づく人もいるかもしれません。
「この行動をしているときは嬉しい」
「この時間はいつも同じように過ごしているけど、あまり良い状態じゃない」
「この行動は良い習慣だと思って始めたけど、実はあまり嬉しくない」
その行動が自分にとって、どんな感情を生んでいるのかを知ると、
どの行動を減らして、どの行動を増やしたいのかがわかると思います。
やめると決めるものも見えてくるでしょう。
人生は瞬間の繰り返しです。
その瞬間、瞬間に感情が伴っているのなら、
できるだけ嬉しい瞬間を増やしていきたいと思いませんか?
このチェックを行うと、一日に感じている自分の感情がわかって、
「あまりいい一日を送れていなかった」と落ち込む人がいます。
でも、その必要はありません。
「今、自分はこんな状態なんだ」と知ることが大事です。
これまで無意識下で感じていたことを知ることができたのですから、
改善していけると思って、むしろ、喜ぶようにしましょう。
これは、企業でバリバリ働いている女性のSさん(35歳)のケースです。
Sさんは、平日は遅く帰ることが多いので、
休日である土曜日の午前中は寝ていることが多いそうです。
時には、お昼過ぎまで寝てしまうことも多く、
起きた瞬間は、
「ああ、天気のいい日なのに、もう1日の半分が終わっちゃった。がっかり」
と思うことが多いそうです。
その後、大抵は掃除を始めますが、
雑誌を開いたら、そのまま読みふけってしまうなど、全部を終えることはまずないそうです。
ある休日では、掃除の途中で友人から電話がかかってきて、
そのまま支度をして出かけたそうです。
友人と出掛けるのはワクワクするけれど、夜遅くに家に帰ってきたとき、
部屋の中が雑然としているのを見て、「来週までこの状態なんだ」と、
とても悲しい気持ちになったそうです。
自分の休日をチェックしてみてSさんは、
「起きた瞬間にがっかりすると、その日1日ががっかりで始まっていることに気づいた。
同じような週末をこれまで何度も繰り返していたと思うと、とても寂しい気持ちになった。
もっとワクワクする休日を過ごしたい!」と思ったそうです。
Sさんのように無意識下にあった自分の感情に驚く人は多いと思います。
でも、知らなければ、改善しようがありません。
「そうだったのか」と事実は受け止め、次のステップに進みましょう。
【ステップ3】理想の状態に近づくには?
ステップ1、ステップ2を終え、
自分がどんな状態で一日を過ごしているかを把握したらステップ3に進みます。
ステップ3では、自分がどうしていきたいかを考えていきます。
「自分の理想の状態はどんな状態だろう?」と自分に聞いてみましょう。
理想の状態がイメージできたら、後は、「それにどう取り組んでいくか?」を考えます。
「メールのチェックが済むと、そのままネットサーフィンをしてしまい、
気づくと2時間を越えることも。メールを開いたら、使用時間を決めておく」
「家事を終えた後、お茶を入れると、テレビのスイッチを入れ、そのまま2時間くらい、
そんなに観たくない番組を惰性で観るのが習慣。
それをやめて、家事が終わったら、すぐに買い物にいくなど、
その日できることを先にすませる」など、改善策がでてくると思います。
ただし、仮に無駄な時間が多いとしても、
その時間が自分にとって心地よい場合もあります。
その無駄な時間も含めて、それがその人のバランスがとれている状態だからです。
自分に質問しててみて、「今のままでいい」というのなら、それでOK。
理想と違ったときのみ、一歩ずつ、理想に近づくようにしていきます。
このワークでは、日々の生活の中で、
できるだけ「良い感じ」の瞬間を増やしていけるよう意識できるといいと思います。
また、本当に毎瞬毎瞬を心地よくするには、
日々の調整が必要だということも覚えておいてください。
これは、飛行機の操縦をしたときに始めて知ったのですが、
飛行機の操縦桿は常に風や抵抗にあおられるので、
一生懸命キープしなければ、まっすぐ飛ぶことはできません。
バランスライフも同じです。
その瞬間毎のバランスがとても大事になってきます。
行動も感情も毎日変化しています。
環境も変わっていきます。
一度決めて安心していると、周囲の状況が変わっていることに気づかず、
知らないうちにバランスを崩していることもあります。
自分の理想のバランスライフを目指すには、日々の微調整を意識することも大切です。
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