全体的なチームのコミュニケーションは取れているのに、1人だけやる気がなかったり、協調性のない部下がいる場合があります。
たった1人でも、その人の士気を下げたままにしておくと、他の人に影響を及ぼすことがあります。放っておくのは得策ではありません。

1. 個人面談でとにかく話を聞く
そんなとき、ぼくはまず、そのやる気のない部下の個人面談をします。
目的は、ひたすら話を聞くことです。
たとえば、
「今、どんな状態なの?」
「どんなことが大変なの?」
「気になることはある?」
と、とにかくたくさん話を聞きます。
そして、並行して、他のメンバーの話もそれぞれ個別に聞きます。
「どんなことが大変なの?」
「困っていることは何?」
「どんな状態になったら嬉しい?」
全体の状況を把握できたら、メンバー全員から出てきた問題点を検討し、できるだけ改善するよう努力します。すぐには対応できない場合でも、上司として問題点を把握しておくことが大切です。
これが、やる気のない部下、協調性のない部下がいた場合に、ぼくが最初に取り組むことです。
部下の思いを聞くということは、どんなときでも上司としての最優先事項なのかもしれません。
2. 「〇〇してもらえると嬉しい」と伝える

個別面談で部下の思いを聞き、状況を把握したら、今度は上司のあなたが部下にリクエストするという方法を取りましょう。
部下に何かをリクエストするときのポイントは、「してほしい行動」にプラスして「自分の感情」を添えることです。
「私は、〇〇してもらえると嬉しいなあ」
「私は、こんなふうに対応してもらえると助かるなあ」
「私は、これくらいのスピードでレスポンスがもらえたら安心できるなあ」
「(あなたが)こう対処して」「(あなたは)もうこんなことはしないで」と相手を主語にして伝えるのではなく、自分を主語にして、「(私は)こうしてもらえると助かる」「(私は)嬉しいな」とリクエストしたい行動と自分の感情を伝えると、相手に届きやすくなるのです。
確かに、「これくらいのスピードでレスポンスして」と伝えるのと、「これくらいのスピードでレスポンスがもらえたら嬉しいなあ」と伝えるのでは、伝わり方が全く違ってきます。
これは、相手への感謝の感情を含んだリクエストになります。
3. 「〇〇してくれないと困る」は切り札

同じ「してほしい行動」プラス「自分の感情」でも、「〇〇してくれないと困る」というリクエストのしかたもあります。
しかし、これは相手といい関係が作れていないと、「あんたなんか助けたくない」「やりたくない」と思われてしまう可能性があります。
もし、「〇〇してくれないと困る」のような救助のリクエストをする場合には、しっかり関係性ができてから使うことをお勧めします。
相手によって異なりますが、10回の感謝のリクエストを使ったら、ようやく1回の救助のリクエストができる、そんな感覚だと思います。
救助のリクエストは、本当に困っているときにだけ使うようにしましょう。
4. 絶対に放置はしない

これは、ぼくの失敗談です。
以前、違うビジネスをしていたときに、上司であるぼくと馬が合わない部下がいました。この場合は、やる気がないというより意見が合わないケースで、仕事を円滑に進めることができませんでした。
ですがぼくはよくあることだと思い、「まあ、いいか」と放っておいたのです。
しかし、それが間違いでした。
最初は、その部下は孤立していたのですが、気がついたらその勢いが強くなり、他の部下がその部下の言うことを聞かざるを得ない状態になってしまっていたのです。
結局、ぼく自身が仕事を続けることができなくなってしまいました。
このときの経験が、「問題となっている本人の話を聞き、なおかつ、周りのメンバーの話を個別に聞く」という今のぼくの対処法につながっています。
チームとして仕事を進めていく上で、「何か問題があるかもしれない」と感じたときは、その状況が深刻になる前に、できるだけ早めに話を聞くことが必要です。
放置していても、いい方向に向かうことは絶対にありません。部下の話をたくさん聞いて、問題を解決する手立てを取りましょう。
5. 小さな問題はたくさん起きて当たり前

ぼくは、このような問題が起こること自体には、何も問題がないと思っています。それは、たくさんの人がかかわっているので、問題が起きるのは当たり前だからです。
ですから、「問題が起きないようにするためにどうしようか」と考えるよりは、「問題が起きたときにどう対処するか」が重要だと考えています。
実際、仕事においては、問題が起きないほうが問題です。
「問題がない」というのは「物事の本質が見えていない」ということだと思います。
もし、全く問題がないのであれば、その仕事にチーム全体が妥協で向き合っている可能性もあります。「うちのチームは問題がないなあ」と思っているなら、「危ない」と思ってください。大切なことを見逃しているかもしれません。
一方で、小さな問題が起こったときは、「ダメだ」と思わず、「よかった」と思ってください。なぜなら、それを克服していくことで、大きな問題が起こるのを未然に防ぐことができるからです。
問題が起きない状態を続けていると、大問題に発展していくことがあります。小さな問題が起こることはいいことです。それにどう対処していくかを、しつもんを使って考えていきましょう。
・今、どんな状態なの?
・どんなことが大変なの?
・気になることはある?
・どんなことが大変なの?
・困っていることは何?
・どんな状態になったら嬉しい?