
1ヶ月ぶりに、日本へ帰ってきた。
降り立った空港のロビーから、空気がもう違う。
うまく言葉にできないけれど、肩の力がすっと抜けるような、まろやかな空気。
海外がどんなに快適でも、好きな場所だったとしても、日本に戻ってくるとどこかでほっとする瞬間がある。
その正体を、今回の帰国でようやく言葉にできた気がする。
「なごやかバイブス」——日本にしかない、丸くて、やわらかい、独特の和やかさ。
出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.232 なごやかバイブス
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1. 山も、木も、空気も、なんだか丸い
日本に帰ってきて、まず感じるのは「景色の丸さ」。
山の稜線も、木の枝ぶりも、海外で見てきた風景とはどこかが違う。
切り立っているのではなく、ほろっとほどけているような、やわらかな輪郭。
それは「日本人だから感じるんでしょ」と言われるかもしれない。
でも、空港に降り立った瞬間から、空気そのものが違う。
木々のあいだを抜けてくる風も、なごやかという言葉がいちばんしっくりくる。
長く住んでいた場所だからこそ、離れてみて初めて見えてくる、日本の景色の丸さ。
あなたが「ここに帰ってくるとほっとする」と感じる場所はどこ?
2. 甘酒、しじみの味噌汁、おはぎ。帰国してすぐ手にする味
日本に着いて、真っ先にスーパーへ向かう。
買い物カゴに迷わず入るのは、甘酒、しじみの味噌汁、おはぎ。
長いフライトで疲れた体に、甘酒のひと口がしみわたる。
パックに詰められたおはぎが、2個で200円。
機械が作るとはいえ、その機械を動かす人がいて、パックを詰める人がいて、店頭に並べる人がいる。
その全部がこの値段でいいのかな、と思わず手を合わせたくなる。
食べることは、いただくこと。
日本の食卓には、その感覚がするんと残っている。
あなたが「これを口にすると帰ってきた気がする」と感じる味は?
3. スーパーで、思わず泣きそうになる

味噌汁コーナーひとつとっても、棚の端から端まで種類がならんでいる。
クオリティも、値段も、海外で暮らしているとちょっと信じられない。
「ありがたいね、ありがたいね」と言いながら、スーパーをうろうろしてしまう。
世界中で物価がぐんと上がっているなかで、日本のスーパーの棚は、まるで時代から少しだけ守られている場所のよう。
その背景には、たくさんの人の手間と、誰かのがんばりが必ずある。
当たり前の便利さを、当たり前と思わずに、ありがたいと感じられる。
その感性のスイッチが入るだけで、毎日の景色がふっとあたたかくなる。
今、あなたが「当たり前すぎてありがたみを忘れていたもの」は何?
4. コンビニアイスパーティーという、ささやかなご褒美
もうひとつ楽しみにしているのが、コンビニのアイスコーナー。
新しいフレーバーが次々と出てきて、棚の前で目移りしてしまう。
ひとりだと2個しか食べきれないから、何人かでアイスパーティーをして全部少しずつ味わう。
大人になってもこういう小さなワクワクが日常にある国って、なかなか他にない気がする。
日本のコンビニは、海外でちょっとしたブームにもなっているらしい。
「あの便利さ、楽しさ、もう一度味わいたい」と思う人がいるのも、わかる気がする。
大きな贅沢じゃなくて、ささやかな選ぶ楽しさ。それが日本のコンビニには詰まっている。
今日、自分にあげたい「ささやかなご褒美」は何?
5. たまたまの再会、その奥にある「流れ」
帰国してすぐ、たまたま立ち寄った場所で、バイロンベイで親しかった友人と再会した。
そのお母様まで一緒で、しかもそのお母様とは以前、山形のお宿でも偶然お会いしていた。
「またお会いしましたね」と笑うしかない、不思議なめぐり合わせ。
これは偶然ではなくて、流れ。
縁というものの正体は、たぶんこういう積み重ねの中にある。
パリにいるときも、日本から来た友人たちが同じ日に5組重なったことがあった。
会うべきタイミングで、会うべき人に、ちゃんと会える。
無理に手繰り寄せるのではなく、ただ流れに身を任せて、目の前の出会いを大切にする。それだけで、十分。
最近あった「たまたま」の出会いの中に、どんな流れを感じる?

まとめ
「なごやかバイブス」というのは、自然にも、食卓にも、コンビニの棚にも、人との出会いにも宿っている。
派手ではないけれど、確かにそこにある、まろやかであたたかい空気。
それは日本という国がずっと大切にしてきた、目に見えない財産なのかもしれない。
これから2ヶ月、日本で過ごす日々の中で、どんな出会いが待っているのか。
派手な体験じゃなくていい。
一日のなかに、ささやかな和やかさをいくつ受け取れるか。
それを味わいに、ゆっくり歩いていきたい。
