ぼくは、しつもんを知る前は不安と怖れの日々でした。
でも、しつもんに出会い、しつもんを実際に使ってみようと思い、まずは自分自身に問いかけました。
その後に部下に問いかけました。
その結果、考え方が変わりました。行動が変わりました。そして成果が出ました。
しつもんには大きな力がある、そう感じずにはいられない瞬間を何度も目の当たりにしてきました。
しつもんを使いこなすことによって、自分を信じられるようになります。相手を信じられるようになります。部下を信じられるようになってから、不安や怖れはなくなり、安心して日々を送ることができるようになりました。
まったく違う世界にいるようです。
同じことを体験してほしいからこそ、ひとつでもいいので、しつもんを実践してみてください。投げかけてみてください、
すぐに大きな変化があるかはわかりませんが、小さな変化は確実に起きます。その小さな変化は大きな変化への一歩となります。
はじめは、部下を変えようとして相手のためにしつもんをしていたはずだったのですが、一番変化があり、成長したのは自分自身でした。
自分にしつもんし、相手にしつもんするということを通じ、1人でも多くの上司の方が、そして職場全体が、目指す方向に変化していくことができたら嬉しいです。
1. 「ビジネス質問家」で会社が変わる!
ぼくは、いいしつもんができるビジネスパーソンを「ビジネス質問家」と呼んでいます。
社内にしつもんができるビジネスパーソンが1人いると、その会社は変わっていくと思います。本当の問題や課題が発見しやすくなり、会社が目指す本当に辿り着きたい目標への行動も生み出していけるようになります。
たとえば、売上を上げたいとしましょう。
売上を上げるため、いくら上司が「頑張れ」と励ましたところで、そう売上は上がるものではありません。しかし、ビジネス質問家がいると、売上を上げるための最適なしつもんをすることができます。
「いつまでにどれくらいの売上をあげたいですか?」
「売上が上がらないとしたら、何が原因だと思いますか?」
「売上を上げるために、あなたができることは何ですか?」
「誰と協力したら売上が上がると思いますか?」
このような問いかけによって、その状況に必要な答えを導き出していくと、その出てきた答えに沿って自ら動いていける人たちが生まれます。
目標に対して、部下一人ひとりが自発的に行動できるようになるので、会社として大きな戦力につながります。
ビジネス質問家がいるだけで、会社は大きく変わるとぼくは思っています。
2. しつもんの効果で、売上が倍近くに
これは、あるリフォーム会社の事例です。
それまでその会社の営業マンは、お客様のところへ行く前に、商品知識を覚えてから訪問していたそうです。しかし、リフォームは商品が何万点もあるので、とても覚えきれるものではありませんでした。
そこで、ビジネス質問家が「お客様が本当に求めているものは何だろう?」というしつもんをしたところ、「お客様が本当に求めているのは、商品の多さではなく、心地よい空間である」という答えに辿り着いたのです。
そこで、社内でさらに「居心地のよい空間にするために、私たちは何ができるか?」というしつもんをしたところ、「商品知識を話す前に、じっくりお客様の話を聞くこと」が優先事項になりました。
その後、営業のしかたを変え、今までと違った視点でお客様の話を聞くようになると、お客様が解決したい本当の問題が見えてきました。それを会社に持ち帰り、改めて商品を調べ、お客様の希望に沿うような提案をした結果、それまでの1.7倍の売上につながったそうです。
3. 部署同士の距離が縮まる
それだけではありません。
これは、ある自動車ディーラーの話です。
この会社では、営業とサービス部門の仲が悪く、業績が上がらないのを互いのせいにしていました。そこで、ビジネス質問家が「本当の問題はどこにあるのか?」というしつもんをし、両者に思いをすべて出してもらいました。
それを両者で伝え合ったところ、互いに「そんなことを考えていたのか」という、それまで思ってみなかったような発見があったのです。
その後は、「サービス部門のために営業部はこんなことができる」「営業部のためにサービス部門はこんなことができる」と互いに提案し合えるようになり、そこに新しいかかわり合いが生まれました。
今では、互いにサポートし合えるいい関係ができているそうです。もちろん、売上も順調に上がっているとのことです。この会社は、ビジネス質問家によって、両者の間にあった溝が埋められ、より風通しのいい組織に生まれ変わったのです。
これは決して奇跡ではありません。
いいしつもんを使っていれば、誰もが生み出せる効果なのです。
4. そこにいるだけで、人をやる気にさせる人に
その人がいるだけで、周囲の人が自ら動き出すようになる。それが、これからの時代に最も必要とされる人物であり、次世代のリーダー像ではないかと感じています。
ぼくの夢は、そんな人をひとつの会社に1人つくること。言い換えれば、ひとつの会社に1人のビジネス質問家がいる状態です。
ぜひ、このブログを読んでくださった方が、「自分もビジネス質問家になりたい!」と思って、日々しつもんを使い、部下との関係を、その先にいる周りの人との関係を、さらには会社の雰囲気を良くしていただけたらとても嬉しく思います。
すると、今の会社の状態は、必ず良い方向へと変化していくでしょう。
しつもんのすばらしさを感じてくださったあなたにならできるはずです。
・いつまでにどれくらいの売上をあげたいですか?
・売上が上がらないとしたら、何が原因だと思いますか?
・売上を上げるために、あなたができることは何ですか?
・誰と協力したら売上が上がると思いますか?
・お客様が本当に求めているものは何だろう?
・本当の問題はどこにあるのか?
上記の魔法の質問に答えてみる