人の成長を促す質問は、相手を信じることがベースです。
そのうえで、こちらの先入観を捨て、相手の答えを受け止めましょう。
押しつけるのではなく、サポートする気持ちで問いかけを。
「教える」のではなく、「気づかせる質問」が人を育てます。

1. 自分で考える力がつく質問
正解を与えられるのを待つのではなく、自ら解決する力をつけるには、よい質問が欠かせません。
「なぜできないのだろう?」から「どのようにしたらできるだろう?」への転換がカギになります。また、原因の根源を尋ねたり、解決のためにできることを聞くのも有効です。
2. 問題解決力を育てる
解決策を自分で生み出せるようになる質問
① NG質問「どうしてできないの?」
↓
・どのようにしたらうまくいくと思う?
・なるほど、いいね。 では、何から始めていこうか?
「うまくいかない=できない」にフォーカスすると、言い訳しか出ません。解決に向けての行動を生み出すのは「どのようにすれば」という「できる」が前提の質問です。ゴールに向けてやるべきことが見えてきます。
表面的な問題の奥にある、原因の根源までさかのぼる
② NG質問「うまくいかない理由は何だと思う?」
↓
・うまくいかない本当の問題は何だと思う?
・それが本当の問題なら、どうすれば解消できると思う?
問題の渦中にいるとき、人の視野は狭くなります。そんなときこそ、問題発生の根源に意識を向けさせる問いかけをしましょう。
表面的な問題ではなく、うまくいかない「本当の理由は何か」を深く考えさせることができる質問です。
問題解決のために 今できる具体的な行動を促す質問
③ NG質問「なんでこんなミスしたんだ?」
↓
・問題解決のために 今、何ができると思う?
・やることの優先順位は、どのようにする?
・誰に協力してもらえばうまくいくと思う?
ミスやトラブルのリカバリーは、適切な対応を迅速に進めることが重要。
ミスを責める前に、限られた時間や環境の中で「今できる解決策は何か」に意識を向けさせましょう。本人から答えが出てきたら、過不足を確認して応援する姿勢で。
3. 目的・成果を確認する

目的とゴールを共有すれば、チームワークが発揮される
① NG質問「このイベント、絶対成功させよう!」
↓
・このイベントをやる目的は、何だったかな?
・このイベントが終わったとき、どうなっていたら最高?
多くの人が関わる催しでは、行う目的が全員に浸透していることが成功のカギになります。何のために行うか。どんな結果が出ればよいか。ゴールへ向けた意識を共有する質問によって、成果が上がりやすくなります。
よかったこと、達成できたことに、まずフォーカスする
② NG質問「今日の反省点はどこかな?」
↓
・今日、うまくいった点は何だと思う?
・よかった点をさらに伸ばす方法は何かな?
・他にはどんなときに応用できると思う?
成果を確認するとき、反省点から聞くのは避けましょう。まずはうまくいった部分に焦点を合わせ、お互いをねぎらう習慣を。
できた満足を味わってから「さらによくするには?」と、つっこみ質問で前向きに改善点を考えます。
4. 行動を起こす

未来を具体的にイメージできれば、今やるべきことに力が入る
① NG質問「今後に向けて、もう少し頑張れる?」
↓
・1年語の自分は、どうなっていたら最高?
・1年後には何ができるようになっていたらうれしい?
人は「何のために?」が腑に落ちないと、なかなか行動にうつせません。「未来の自分はどうなっていたいのか」をイメージできる質問が有効です。
1年後、2年後など、時間軸をたどって、理想像を尋ねてみましょう。
役割が明確になれば、何をすればよいか具体的に見えてくる
② NG質問「自分の責任を果たしているかな?」
↓
・あなたの役割は何だと思う?
・自分では、どんな役割を担当していると思う?
・あなたは、どんな役割を求められていると思う?
自分の役割を理解してはじめて、やるべきことが明確になり、責任感が生まれます。「自分に何が求められているのか」、与えられた役割を考えさせましょう。
自分の中から出てきた答えなら、具体的な行動につながります。
目標に向けた、小さな一歩を導き出す質問
③ NG質問「どうして行動にうつさないの?」
↓
・目標のために、今できることは何?
・一歩踏み出すとしたら、まず何をする?
・今週できる具体的な行動は何?
目標が大きすぎると、何から行動していいか戸惑うものです。そこで、やるべきことを細かなステップに分解し、何から手をつけるか、イメージさせましょう。「今すぐできることから始めよう!」と、背中を押す問いかけです。
5. 結果を出す

「選ばれる理由」を再認識することが売り上げ強化につながる
① NG質問「売るための工夫が足りないのでは?」
↓
・お客様が私たちから買う理由は何だと思う?
・お客様は何を喜んでくれていると思う?
・「お客様の声」には、どんなものがある?
商品販売だけでなく、サービス提供や契約などでも「相手に選ばれる理由」を問い直してみましょう。
見過ごしていた自分たちの価値や魅力に気づき、再認識することで、相手への説得力も増し、おのずと結果につながりやすくなります。
押し付けはNG 自分で決めるからこそ頑張れる
② NG質問「この売り上げ数値を達成してほしいんだけど・・・?」
↓
・結果を出すためには、どんな目標が必要かな?
・目標を達成するために、今やるべきことは何かな?
結果を出すには明確な目標が必要。ただ、上からの押しつけには反発や。やる気の低下が起こります。
自らが具体的に考えることで、自覚と強い責任感がうなれます。チームの場合はともに目標を考え共有することで、連帯感も培われます。
売り上げや達成時期など、目標は数値化する
③ NG質問「このままで、売り上げの目標を達成できるの?」
↓
・いつまでに、どのくらい売り上げを伸ばしていく?
・売り上げを達成したら、得られるものは何?
・達成したときはどんな気持ちだと思う?
目標を設定するときは「いつまでに」「これだけ」と、達成時期や売上高などを数字にし、目に見える形で表すのがポイントです。クリアするべきものが具体的になれば、そこへ向かう意欲や意識がぐっと高まります。
akaz says
私自身、よくやってしまうのは、できない自分にフォーカスを当ててしまうことです。
当然、出てくることは後ろ向きなことばかり。
でも、よく見てみるとできていることのほうが多い。
できないこともあるけれど、どうすればできるのかを考えれば、だいたいはできることが多くあります。