ありのままの子どもを認めよう、あなたはそのままで十分よ、という気持ちはあっても、親としては「ここだけはこうなってほしい」という、おさえておきたいポイントがあるのではないかと思います。
あなたにとって、一番大切で、譲れないことはなんでしょうか?

1. 子どものためにできること
「勉強はできたほうがいいわよね。でも順番からいったら、健康であるほうが上だし、人間関係も大切よね。親孝行なほうがありがたいし・・・。そうすると、勉強って4番目か5番目よね。やっぱり元気で友だちとうまくいってくれることが一番!」
というように、自分の中で価値の順番を整理し直して、日ごろ子どもとどんな会話をしているのかを振り返ってみてください。
「勉強は4番目か5番目と思っているはずなのに、日常会話の中では、勉強がさも一番大事であるかのように話しているかもしれない」
というように、自分の本当の思いと、子どもとの会話のギャップに気づくかもしれません。すると、どのレベルで、なにについてコミュニケーションを取るのか、という構成が変わってくるのではないかと思います。
「どんな関わり方ができる?」
この質問を自分自身に投げかけて、親であるあなたが大事に思っていることを客観的に見直しましょう。それを子どもとの関わり方を考えるきっかけにしてください。
どんな関わり方ができる?
2. 本来の目的はなに?

ディズニーランドに行くと、よく見かける人たちがいます。
それは「いつも怒っているお母さん」です。
どうして怒っているのでしょう? お母さんたちは、怒りたくてディズニーランドに来たわけではないはずです。
では、どんな気持ちになりたくて来たのでしょう?
きっと、楽しい気持ちになりたくて、ワクワクしたくて、来たはずです。
それなのに、
「もっと早く走りなさいよ、これじゃ、全部回れないじゃない」
「アイスこぼさないようにしなさいよ!」
などと、小さなことにとらわれて、怒ったり悲しんだりしてしまう。それはちょっと残念ですよね。
子育て中のママがイライラしたり、カッカしたりするのは、ささいなことが原因になっている場合が多いように思います。ごはんをこぼしたとか、グズグズしているとか、その程度のことなのですが、むしろそういうことのほうが頭にくるようです。
脊髄反射レベルでカッとしてしまうと、もっと大きな目的が失われがちになります。そんなときには、
「私はどんな気持ちになりたいんだろう?」
と自分に問いかけましょう。感情的な反応にとらわれているときに、この質問を投げかけることで、より大きな目標、本来の価値に立ち返ることができるはずです。
3. 自分の感情に意識を向けよう

「怒る」という字は、心の奴隷と書きます。つまり、自分の感情に支配されることを意味します。でも、感情というのは自分の持ち物であって、ご主人様ではないはずです。感情に振り回されるのは本末転倒、というわけです。
つまらぬことで、つい、カッとなって怒ってしまった。
そんなときには、自分が今、どんな感情を味わっているのか、自分の内側に意識を向けて考えてみることが大切です。この作業を「感情モニタリング」といいます。
感情モニタリングをしてみて、「自分は腹が立っているという感情を持っているな」と見極めたら、それを握るのか、手放すのかを考えましょう。
感情を握るのも、手放すのも、あなた次第です。
ワクワクした気持ちや楽しい気持ちを握りたいのだったら、今抱えている、つまらないことから発生した怒りを手放してみましょう。
せっかくディズニーランドに来たのに、子どもがグズグズして、腹が立っている。「高いお金払ってきたんだから、せめてこれくらいはアトラクションに乗りたいのに! なんでグズグズしてるわけ?」という不満や怒りがあるとしたら、
「私はどんな気持ちになりたいんだろう?」
と問いかけてみてください。
「私はここに、楽しくなりたいから来たのであって、アトラクションを全部回ることが目的ではないよね。だったら、全部乗らなきゃ、なんてあせる必要ないかも」
そんなふうに思えたら、ニコニコできるのではないでしょうか?
自分の感情に意識を向ける習慣はとても大切なことです。この質問は、そのためにきっと役立つはずです。
どんな気持ちになりたい?
KANAKO says
・指示命令を減らして、聴く、委ねるをふやす。
・穏やかにゆとりを持って楽しみたい。時間を愛しみたい。