全くソーシャルメディアなどを使わず、名刺を1枚も作らないで、第一線の方々に仕事を依頼されるという、世の中の流れとは違う着想力は一体何なのか?
積み重ねてきたことが自分の信用や価値になる、その唯一無二な存在になる方法をコンサルタント瀬田崇仁さんにインタビュー!
いかに自分の閃きが生まれることを大事にし、それをどのように整えることまでしているのか、瀬田さんの頭の中の秘訣を伺いました。
瀬田 崇仁
クリエイター・コンサルタント
1. 名刺を1枚も作らないで仕事をするという発想力
マツダミヒロ(以下、ミヒロ):結構一緒に旅してますが・・・
お仕事は何をされているのですか?(笑)
瀬田 崇仁さん(以下、瀬田さん): (笑)コンサルティングと言われる領域の仕事をしていると思います。
ミヒロ:あまり仕事の話をしませんよね。
瀬田さん:全然しないですよね。
ミヒロ:旅仲間という感じで。
コンサルタントとは改めて定義すると、どういう仕事なんですか?
瀬田さん:そうですねぇ。最近は悩んでいるところも正直あるんですけど、『成果を自分の知恵をもって提供する仕事』という感じで今はずっと行っています。
ミヒロ:なるほど。自分の知恵をもって成果を提供する仕事ですね。
そこでいう成果というのは、どういう成果を求められることが多いんですか?
瀬田さん:法人さんですと、わかりやすく言えば 100万円払うとその何倍、1000万円払うとその何倍の売上に繋がることですね。
新しいマーケティングを整えていくときもあれば、大きな会社さんだと、会社の文化や風土にアプローチしていくだけで、もすごく変わっていくこともあります。
ミヒロ:えぇ?
それは、会社の文化やカルチャーを作っていくみたいな感じですか?
瀬田さん:ぼくの場合は、「理念を作ってみんなで浸透させましょう」と言うよりも、任されるプロジェクトが・・・たとえばそれが「新卒採用の改革をお願いします」とか「会社がお客さんに向けてやる営業戦略を考えてください」とかで、ニワトリが先か、卵が先か、みたいなところはあるんですけど、そのプロジェクトを進みながら、会社の文化がもっとよくなるようにみたいな。
ミヒロ:プロジェクトをベースに文化を変えていくんですね。
でも今の話を聞くと、採用も、マーケティング的なものもあれば、組織の体制みたいなものもあって、いろいろあるんですね?
瀬田さん:いろいろあります。
ミヒロ:すごい!総合的ですね。それは結構珍しいんじゃないですか?
瀬田さん:珍しいと思います。なので最初に独立するときには、「業界絞った方がいいよ」とか「こういうテーマに絞った方がいいよ」と言ってくれる人もいたんですけど、そのときから名刺は1枚も作らないで仕事をすると決めていたので、絞らなくても腕さえ良ければ仕事は来るだろうと思っていたんです。
結局、「何をやっているのか分からない後藤さんですけども お願いします」みたいな感じでやってきたんですね。
ミヒロ:その辺のところをもう少し聞きたいのですが、名刺を作らないと言うのは、印刷代がもったいないという・・・(大笑い)ことではないですよね?
瀬田さん:はい。(大笑い)
所謂こういう業界は、独立するときにいろいろとうるさかったりするんですよね・・・
ミヒロ:え?どういうことですか?
瀬田さん:最初の3年間くらいは、このような仕事をするなと言われるんですよね。
ミヒロ:そうなんですか?それは3年って決まっている?
瀬田さん:そうです、3年と決まってます。
そういうことがひとつのキッカケになったんですけど、ぼくが独立したのは2015年で、とにかく当時は「Facebookにはたくさん投稿しなさい」とか「ブログも1日何記事あげなさい」とか、「ソーシャルメディアを使わないとこのような仕事はうまくいかないよ」といちばん言われていた時期だったので、逆に『全くソーシャルメディアなどを使わないで仕事をやっています』となったら、ネタになるなと思うところもあったので、それで一年間やったらできちゃったんです。
ミヒロ:そこを(みなさんは)聞きたいんだと思います!(笑)
「情報の発信はしません」ということは、知らない人からは声をかけられないでしょ?
瀬田さん:はい。
ミヒロ:ということは、知っている人の中から仕事になっていったってことですか?
瀬田さん:そうです。
ミヒロ:でも、知っている人がいます。そこから何かしらのアプローチやキッカケがないと発注が起こらないと思うんですけど、その辺はどうなんですか?
瀬田さん:有り難いことに、ぼくが元々いた会社は、めちゃくちゃ鍛えられる会社だったので、正直言うと、辞める瞬間からいろんな声がかかるんですよね。
ミヒロ:え?そうなんですか?
瀬田さん:結構かかります。「あそこにいた奴はめちゃくちゃスゴいから仲間に引き入れたい」というのはあるんですよ。
辞めるということをオープンにしてからも、親切で「困っているだろうから仕事をしようか?」と言って下さる方もいれば、「こんなスゴい奴が出たんだったら、うちの組織に入れたい」というのも来るんですけど、そういうのは実は全然受けていなかったんですよ。
ミヒロ:断ったってことですか?
瀬田さん:はい、お断りしました。最初は仕事を増やすつもりがなかったので。独立して働きぶりを見ていただいて、お仕事を任せていただいた会社さん1社だけと仕事をして、悠々自適に仕事をしていようかなくらいにしか最初は思っていなかったんですけど、3ヶ月後くらいに その会社さんにわたしが講師をやる合宿をしたんですね。
ミヒロ:瀬田さんが講師としてやる合宿ですか?
瀬田さん:そうです。その合宿を箱根で終えた後、今でも忘れないんですけど、その会社さんの社員さんがめちゃくちゃ喜んで下さり、なんとも言えないくらいすごく変わったというか、「これは自分でもすごいことをしているかもしれない」ということを教えてもらった瞬間がありまして、そこから自分が狭くやっていてはいけないという天啓のような衝撃が走ったんですね。
ミヒロ:なるほど。目の前でお客様が変化している姿を見て、これはもっと欲している人がいるんじゃないか、っていう・・・いいことですよね、それ。
瀬田さん:そこから、初めて「仕事を広げようかな」、と全く切り替わりました。
ミヒロ:広げようかと思っても、SNSはしないわけでしょ?(大笑い)
瀬田さん:そうですね(笑)
2. 『オセロ理論』と名付けてやっている仕事の発想法とは?
ミヒロ:どうやってお客さんは増えていくんですか?
瀬田さん:去年、沖縄カンファレンスに来ていただいた人には触りだけを話したんですけど、『オセロ理論』とぼくが名付けてやっている仕事の発想法がありまして、簡単に言うとオセロって真ん中からめくっていくじゃないですか、順番に。
順番にめくっていって領土を広げていくっていうやり方が普通なんですけど、そういうことをしなくて、四隅の4つさえ取ればすべてがめくれるじゃん!っていう発想だったんですよね。
普通の仕事をオセロで例えると、簡単に言えば最初にめくりやすい場所、置ける場所にだけみんな置いていく・・・それは、声をかけやすい人に声をかけたり、会いやすい人に会いに行ったり、売りやすい商品を売ったりだとか、いろいろあるんですけども・・・
入口にFacebookイベントを立てるとか、やりやすいことなんすけど、そうじゃなくて全部めくれる4つの仕事は何だろう?ということを最初は考えました。
ミヒロ:おぉ、全部めくれる4つの仕事・・・4つの仕事というのは?
瀬田さん:比喩でもあるんですけど。
ミヒロ:あぁ、なるほどなるほど。4人ということじゃなくて、4種類?
瀬田さん:4種類という場合もあったりとか・・・
ミヒロ:なるほどね。
オセロの話にいきたいんですが、オセロって角を取るときに、どうやったら角を取れるんですか?
瀬田さん:ぼくが考えていたことだけサラッと言いますと、元々いた会社がセミナーやコンサルティングの業界ではものすごい成果を出している会社だったんですよ。
これを見てくださっている方は、自分で講座とかをする方も多いと思うんですけど、元々いた会社は、入口に 3日間で20万円くらいの講座があるんですけど、大体年間に新規=新しく20万円の講座を受けたいという人だけで、2000人〜2500人いるんですよ。
ミヒロ:え?!そんなにいるんですか?
瀬田さん:そんなにいるんですよ。すごいんですよ。
この先を聞くと、みなさんもっとビックリするんですけど、2000人〜2500人の20万円の講座を受けた人の八割五分くらいの方が、更に3日間の10万円くらいの講座に行くんですよ。
ミヒロ:それは安くなるの?
瀬田さん:ちょっとだけ1回安くなるんですよ。
10万円くらいの講座を2000人くらいの人が「すごくいい」と言って行かれ、その2000人から更に1500人くらいの方が、大体また30万円くらいの講座に「また行きたい」とすごく言うんですよ。
その1500人くらいのうちの、1000人〜1200人くらいの方が、これまた30万円くらいの講座に行かれるんですよ・・・ということが毎年という。
ミヒロ:へぇ〜、すごい!
瀬田さん:こういう仕事をしている人たちから見ると驚異の・・・そんな会社なのでダイレクトにぼくがやっている仕事って、自己啓発やセミナー業界に、いちばんシンプルにストレートに役立ちやすい場所だったんですよね。
その時に決めていたことが、最初は3年くらいかかってもいいので、売上がそんなに高くなくてもいいから、自分がめちゃくちゃ実績の出るオセロの四隅になるような人をクライアントにしたら、最初の3年間は売上が低くても、次の4年目から10年目くらいは仕事に困らないだろうという発想でいました。
とにかく最初に決めていたのは、自己啓発やセミナー業界と呼ばれるところの、日本で5本指に入るような人たちの誰かから、仕事を頼まれようと決めていました。
ミヒロ:でも、そこまでは考える人もいるかもしれないけれど、そこから実際に、その人から仕事を得るのは、普通に考えたら難しいですよね?
瀬田さん:元々いた会社で10年くらいやっていたということが、1つの信用になりましたね。最初のお客様も本を80万部くらい出しているような、業界では知られた人がお仕事を頼んで下さいました。
ミヒロ:なるほどね。過去やってきたことが、自分の信用や価値になっているんですね。
で、1個取れて、2個取れて・・・3個、4個っていっちゃうんですか?(笑)
瀬田さん:そうですね(笑)
丁度良かったことが、寿司屋で言う隠れた名店みたいになっていたんです。
「すごい人が食べに行ってるぞ」みたいな。「あの人が仕事を頼んでいるし、あの人も仕事を頼んでいるけど、なぜか看板が出ていない」みたいな。
「成果はめちゃくちゃ出るらしい」という感じになっていったので、名刺を作らないということと相性がすごく良かったです。
ミヒロ:なるほどねぇ。隠れた名店はいいですよね。
隠れた名店の方が惹かれますよね(笑)
もし、みんなが実践できるとしたら、
『自分にとっての四隅は何だろう?』ということを考えてみるといいよね。
瀬田さん:そうですね。
あとは、有り難いことにいろんな業界のすごい成果を出してきた人に聞かれて、そういう人たちに共通することでもあり、わたしも意識してきたことなんですけど、自分より腕が上の人をお客さんにしているかどうか、ということが・・・
100人いたら100人じゃなくてもいいんですけど、それは売上の規模の場合もありますし、例えばセラピーとか治療家でも、自分よりも何十年も先からいた業界のすごい人とかがお客さんになっている人たちは、みんな引き上げられ方というか、広がり方が全然違うという。
ミヒロ:自分より上の人をお客さんにするってこと?
瀬田さん:はい、お客さんにするんです。多くの人は、自分の年商がこれくらいだったとしたら、自分よりも腕が上だったりする人って恐れ多いみたいな・・・
ミヒロ:そうだね。
瀬田さん:そういう人にも自分ならではの提供できる価値や強みというのは、今までやってきた蓄積とかもしっかりしているほど早いですし、そういう人であれば実はいくらでもあると思います。
ミヒロ:なるほどね。
だとしたら、『自分を超える人をお客さまにしていますか?』ということが1つですね。
瀬田さん:それはすごく大きいです。
ミヒロ:もし、まだNOだとしたら
『自分を超える人をお客様にできますか?』ってことですね。
瀬田さん:はい。
ミヒロ:それは必ずあります?
瀬田さん:必ずあります。なんとなくの感覚だと、考える前にやめている人が99%くらいだと感じます。
ミヒロ:たとえば、仮に自分がセラピーをやっているとします。
お客様がセラピーの鉄人です、の場合もいいけれど、そうではなくて、自分と違う分野で秀でている人という意味でもいいんですか?
瀬田さん:全然いいです!
ミヒロ:そうすると考えやすいですよね。
自分よりすごいなと自分が思っている人も、自分自身に求めていることがあるかもしれないですよね。
瀬田さん:ありますね、絶対。
▼インタビューは後半はこちら
閃きは逃してはいけない。そこで育む!瀬田 崇仁さんインタビュー(2)
瀬田 崇仁さんも登壇予定!
しつもんカンファレンス
2019年11月9日(土)10日(日)
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