質問をするうえでは、テクニックやスキルよりも、その人のあり方をよくしていく、言いかえれば「人間力をアップする」ことが大事です。
あなたは、子どもに質問をしたときに、「ママ(パパ)が聞いてくれるから、答えたい」と思われる自信はありますか?
子どもに問いかけるといういことは、じつは親であるあなた自身のあり方が問われていることでもあるのです。
今回は、子どもとあなたの世界を広げ、さらに豊かな人生を送れるようになるための質問です。
ぜひ、活用してください。
1. 勉強の意味や価値を自分なりに探してみる

「宿題がなかなか終わらない」「塾の課題がいっぱいで、ついていくのが大変」「勉強がちっともおもしろいと思えない」・・・。
あーあ、どうして、こんな勉強しなくちゃいけないわけ?
つまらない勉強をさせられている、と感じたときは「やりたくない!」という思いで、子どもの胸の中はいっぱいになっているでしょう。
それを口にしようものなら、「勉強は大事なの!いい学校に行かなくてどうするの?」と、頭ごなしに言われて、「わかってるけどさぁ・・・」となってしまう。
これでは単なる押し付けで、子どもの抱えているモヤモヤは、永遠に据え置かれたままです。
「なんのために勉強するの?」
は、主体的に勉強の意味、価値を見つけるための質問です。
「ここからの学びはなに?」という質問と同じで、これを聞かれると、
「意味のない勉強」→「この勉強には意味がある、価値がある」と
考えをシフトさせることができるので、その意味や価値ってなんだろう?と探すようになります。
2. どんな答えでもOK

この質問をしたら、子どもからどんな答えが返ってくるのでしょう?
「試験のため」だったり、「ママがやれって言うから・・・」という答えもあるかもしれませんね。
たとえそんな答えだったとしても、
「違うの!ママのために勉強しろって言ってるんじゃないのよ。あなたのためにやるんでしょう?」
などと、否定はしないでほしいのです。
どんな質問でもそうなのですが、答えはなんでもOKです。ダメな答えはありません。
なぜなら、質問をする意義は、これをきっかけにコミュニケーションを広げていくことにあるからです。
「たしかに、ママ、勉強しろって言ってるねぇ。ほかには、どんな答えがあるかな?」と、いったん答えを受けとめて、さらに考えてもらうことで、自主的ななにかが生まれる可能性もあります。
「立派な人になるため」
「そう、立派な人ってどんな人?」
こんな会話もあるかもしれないし、
「将来、シーラカンスの研究をするんだ!」
などと、明確な答えが返ってきたときには、
「そうなんだ。じゃあ理科は大事だね」
「さすが、観察が得意だもんね!」
というような反応があれば、「今の勉強が将来に結びつくんだな」ということがうっすらとわかるかもしれません。
子どもによっては、答えが返ってこない場合もあるでしょう。それでもいいのです。しばらくたってから、「こういうことだね」と、言いにくるかもしれないし、先生や友だちに聞いてみたんだけど・・・ということもあるのです。
大切なのは、自分のやっていることには意味があるに違いない、と考えることです。
この質問によって、勉強に対するポジティブな意味づけを、その子なりに見つけるための旅路が始まるといいな、と願っています。
なんのために勉強をするの?
上記の魔法の質問に答えてみる