「たったひとつの質問で、子どもたちは大きく変わる」
たくさんの小学校や中学校で授業をさせていただく中で強く感じることです。
これは、いい意味でも悪い意味でも。
尋問を投げかけてしまうと、一瞬で子どもたちはやる気を失い、
魔法の質問を投げかけると、一瞬でキラキラと目を輝かせる。
では、子どもたちのやる気を引き出す魔法の質問とは、どんな質問なのか?
ここではその魔法の質問をピックアップしました。
実際に子どもたちに使い、魔法のように効果がでています。
無限の可能性を持っている子どもたち、未来をつくり上げる子どもたち、
そのきっかけをつくるのは今読んでいるあなた。
子どもたちのやる気と能力を引き出す魔法の質問を投げかけてみてくださいね。
今回は「前向き思考がクセになる質問」です。
おもな効果は、いつも新しい見方ができ、視野が広くなります。
1. 前向きの失敗は、失敗ではない
誰だって、物事がうまく運んだときには喜びますが、失敗したらがっかりして落ち込むものです。
テストで思ったよりいい点が取れなかった、友だちとケンカした、
発表のときにミスをしてしまった・・・。
子どもの毎日にも、ガックリくることはいろいろあります。
そんなとき、あなただったら、どんな言葉をかけますか?
「元気出して!」というのは、よくあるパターンですね。でも、「元気を出せ」と言われると、
「今、ぼく(私)は元気がないんだ」ということを改めて認識させてしまうことになり、
ますます元気がなくなって、どんよりしてしまうことがあります。
あなたも、すごく元気な人に「元気出しなよ」と言われて、
ちょっとムッとした、という経験はありませんか?
元気じゃないときに「元気を出せ」と言われるのは、逆効果になってしまうことがあるのです。
こんなときは、
「ここからの学びはなに?」
という質問を、ぜひ投げかけてください。
すると、「今のは失敗体験ではなくて、学びの体験なんだ」というように、
「失敗」→「学び」へと、視点を転換させることができます。
前向きの失敗というのは、じつは失敗ではありません。
今はまだ成功していない状態、つまり「未成功」ととらえることができるのです。
「今回はムリだったかもしれないけど、次の成功につながればいいや」
「この経験を活かして前に進もう、転んでもタダでは起きないぞ」
というように、質問によって、視点を変えていくのです。
長い目で見れば、今起きている出来事は、成功だろうと、失敗に見えようと、
すべてが子どもにとって必要なものと考えることができます。
だとすれば、その出来事からどんな学びがあるんだろう?どんな成長があるんだろう?と
子ども自身に振り返ってもらうことが大切です。
視点を転換すると、あらゆることを「前向きの学びのチャンス」ととらえることができ、
本当に元気が出てきます。
2. 失敗を恐れず、チャレンジする気持ちを育てよう
「ここからの学びはなに?」
と子どもに聞いたとき、
「あ、ここから学べるものがあるんだ」
「今のは失敗じゃないんだ」
と、すぐに気づいてくれるのか、というと、なかなか難しいかもしれません。
この質問に限らず、すべての質問は長期にわたって、何度も繰り返していくことが大切です。
同じようなシーンになったとき、この質問をいつもしていると、
「そういえば、失敗したときにはいつも、成長とか学びって言葉を聞くなぁ」ということがわかってきます。
すると、なんだか安心して失敗できるような気持ちになってくるのではないかと思います。
失敗して怒られてばかりいると、子どもは失敗に対して臆病になります。
「失敗しても得られるものがあるんだ」と思えば、
物事に思い切り取り組み、失敗を恐れずにチャレンジする気持ちをつくり上げることができるのです。
ここからの学びはなに?
この魔法の質問は子どもだけじゃなく、大人でも、いや、すべての人に効果がありそうですね!
上記の魔法の質問に答えてみる