
パリに帰ってきた。
空港からの帰り道、エッフェル塔が見えた。
東京タワーを見て「ただいま」と思うように、エッフェル塔を見ても「ただいま」が出てきた。
東京タワーとエッフェル塔。
形は似ているのに、住んでいる街は全然違う。
でも、どちらを見ても「帰ってきた」と思える。
ふたつの街がホームになった日。それは、人生がひとつ広がった日でもあった。
出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.228 パリが東京にやってきた
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1. 「ただいま」が増えるほど、人生は豊かになる
3ヶ月前、最初にパリに来た時は、この場所に馴染むのに数日かかった。
でも今回は、着いた瞬間から溶け込めた。
「あ、卵はあそこに買いに行って、パンはここで」と体が覚えている。
「ただいま」と言える場所がふたつあるということ。
それは、根無し草になるんじゃなくて、根が増えること。
帰れる場所が多いほど、世界はやさしくなる。
「ただいま」と言いたい場所は、いくつある?
2. 東京とパリは、思ったより近い
東京とパリは約24時間かかる。距離で言えば遠い。
でも、帰ってきてみたら、景色が「違う」という感覚がなかった。
パリの街並みも日常。東京の街並みも日常。
どちらも自分の暮らしの一部になっていた。
南青山の裏道を歩いたら、パリの近所にあるお店と同じ店がたくさんあった。
街が似ているのか、自分の感覚がつながっているのか。たぶん両方。
距離は数字だけど、心の距離は自分で縮められる。
遠いと思っていたのに、意外と近かったものは何?
3. 期待しなかった時に、いいものが来る

帰りの飛行機はエコノミークラスだった。
ところが、エコノミーの食事がなくなってしまって、「ビジネスクラスのお食事でもいいですか?」と聞かれた。
もう喜んでしまった。
すごいお肉とサーモン。
2回目に出てきたチャーハンはまるで日本料理屋のおこわのようで、驚くほど美味しかった。普段は飛行機であまり食べないのに、全部食べてしまった。期待していなかったから、余計に嬉しかった。
人生のアップグレードは、予想しない形でやってくる。
最近、期待していなかったのに嬉しかったことは何?
4. 表参道に、パリのカフェがやってきた
東京の表参道に、パリのカフェ文化を持ってきたお店がオープンした。
カフェ・ド・フロールで長年ギャルソンをしていた山下さんが作ったお店。
メニューがパリ。店内もパリ。佇まいもパリ。
ショコラショが、パリのそれだった。
カップとは別に銀色の入れ物に入って出てくる。自分で濃さを調整しながら、温かいのをつぎながら飲む。カフェクレームも、コーヒーとミルクが分かれて出てくるスタイル。
パリに行かなくても、パリの空気に触れられる場所が東京にできた。
行きたい場所の空気を、近くで味わえる場所はどこ?
5. クロワッサン一つで、暮らしが動き出す

パリに帰ってきて、翌日クロワッサンを買いに行った。
3ヶ月もいたのに食べなかったクロワッサンを、帰ってきた翌日にさっそく食べてしまう。
パン・オ・ショコラは、丸いパンの中にチョコレートの塊がドカンと入っていて、美味しすぎた。
パリにいる時に何を食べようか考える。
日本にいる時にもパリのご飯を想像する。
食事は単なる栄養補給じゃなくて、暮らしへの楽しみの表明。
クロワッサン一つで「ここに住んでいる」という実感が蘇る。
「ここに暮らしている」と実感できる、小さな楽しみは何?
まとめ
エッフェル塔に「ただいま」と言えた日、世界がひとつ広がった。
東京とパリ、二つの街が自分のホームになる。それは距離じゃなく、心の問題。
パリに行けなくても、表参道でパリの空気に触れることはできる。
大事なのは、どこにいるかじゃなくて、その場所をどれだけ自分のものとして感じられるか。
「ただいま」を増やしていく暮らし。それが、ライフトラベラーの生き方。