会話を上手に進めるうえでの大前提についてお話ししたいと思います。
これからお話しするすべてのしつもんに言えることですが、相手にしつもんするときには、相手を気遣う気持ちを絶対に忘れてはいけません。
1. 相手を気遣う気持ちを忘れてはいけない
唐突にしつもんされると、人によっては驚いたり、気を悪くしてしまうこともあるかもしれません。相手の立場に立って、相手の気持ちを察してあげることが、上手に会話を進めることにつながるのです。
ぼくは、しつもんをする前に、ほとんどの場合、こういう聞き方をしています。
「しつもんしていいですか?」
たいていの場合、こう聞くと「いいよ」という返事が返ってきます。
このしつもんをすることで、こちらが相手に対する配慮をしているという姿勢を見せることができますし、相手の心の準備ができるのです。
このしつもんは、必ずしなければならないというものではありません。
ただ、言葉にはしなくとも、そういう気持ちでひとつひとつのしつもんをすることが、心をつかむための基本姿勢だと考えてください。
2. 心の準備をする時間を与える
さて、聞きにくいことを聞きたいときのしつもんに入りましょう。
会話を進めるなかで、どうしても聞きにくいことを聞かなければならない場面に遭遇することがあります。商談などでは、半ば避けられないと言っても過言ではありません。
みなさんはどのような言葉で切り込んでいますか。
多くの方は、次のようなフレーズを言ってから、本題に入っていかれるのではないでしょうか。
「失礼ですが・・・」
「差し支えなければ教えていただきたいのですが・・・」
こういう言い方をすると、相手は身構えてしまうのではないでしょうか。
失礼なことを聞かれるのか、差し支えのあることを聞かれるのか、そう思われてしまっても仕方がありません。
ですから、ぼくはそう言いません。ほとんどの場合、先ほどお話ししたように「しつもんしていいですか?」と言ってからお聞きしています。
このフレーズを言っても、相手が身構えることはありません。それに、これを言ってから聞くのと、いきなり聞くのとでは、まったく印象が違います。
たとえば、商談で相手の財務状況を聞かなければならない場面があったとします。
マツダ「ちょっとしつもんしてよろしいいですか?」
相 手「ああ、いいよ」
マツダ「御社の決算書を見せていただくことはできますか?」
相 手「それ、見せなくちゃダメ?」
マツダ「本気でかかわりたいので、ぜひ知りたいのです」
「財務状況なんか聞きやがって、嫌なヤツだ」とは思われないのではないでしょうか。気を遣ってくれているから、あまり見せたくないけど仕方ないか、そんな雰囲気になると思います。
知り合いのビジネスパーソンにい聞いたところ、彼は次のような聞き方でしつもんをするそうです。
「ストレートに聞いていいですか?」
その人は生命保険会社で営業をしているので、かなり突っ込んだ会話をするときは、こんな言い方もすると言っていました。
「生きた、死んだの話をしてもよろしいですか?」
相手に対して配慮することと、適度な心の準備をすること。考え方はぼくと同じだと思います。
ビジネスシーン以外でも、使い方は変わりません。
初めて会う人ばかりの飲み会などでは、会話の相手の人となりを知らないので、何を聞くと失礼なのかわかりません。
そんなとき「しつもんしていいですか?」と言ってから聞くと、その場の雰囲気を悪くすることなく、会話が広がっていくのです。
しつもんしていいですか?