「質問」というと、私たちは、つい、
「すぐに答えを出す」ことを考えてしまいますよね。
でも、ここでの質問は、短時間に正しい答えを出すことを目的にしたものではありません。
親子が一緒に考え、お互いに成長するためのものです。
一般に、親から子どもに対してのコミュニケーションは、
「指示」「命令」「詰問」になりがちです。
しかし、指示や命令、詰問は、子どもの選択肢を「減らす」ことになるのです。
いっぽう、質問は選択肢を増やし、子どもの世界を「広げる」ことができます。
これから紹介する質問は、
子どもの創造性(クリエイティビティ)や、想像力(イマジネーション)、
さらには本当の気持ちやエネルギーを引き出す効果のある、
親子コミュニケーションのカギなのです。

1. 心に刺さった「トゲ」の痛みをやわらげる方法
毎日の暮らしの中では、楽しいことだけでなく、いろいろなことが起こります。
「今日、〇〇ちゃんに話しかけたのに、返事をしてくれなかった」
「先生にあてられたとき、うまく答えられなかった」
こんなささいなことでも、心にトゲが刺さったような感じになってしまうものです。
そのトゲがチクチクして、食欲がなくなったり、眠れなくなったり・・・。
とくに小学校高学年くらいの男の子だと、一人の世界にこもりたがるようになるので、
なかなかそれを消化することができず、思い悩んでしまうことがよくあります。
なんとかトゲを抜いてやればいいのですが、それはなかなか難しいことです。
「今日楽しかったことは、なにがあった?」
と質問することで、「このトゲは小さなものだよね」というように、
視点を変えてあげることはできます。
「〇〇ちゃんとはギクシャクしたけど、ほかの子とは今日も仲良く遊んだなー」
「算数の問題は答えられなかったけど、国語のテストでは85点取れたじゃん!」
今日起こった楽しいことのいろいろが、頭の中に映像として浮かんでくると、
身体的にも、心理的にも元気になり、気持ちが楽しくなってきます。
トゲが刺さっていると、子どもはそのトゲのほうばかりを意識してしまいがちです。
でも、こういう質問をされると、それ以外の世界に視野を広げることができ、
トゲを相対化できるようになります。
今日楽しかったことは、なにがあった?
2. 楽しかったことを探していると、本当に楽しくなる

これと似たような質問で、よく、口にしがちなのが、
「今日、楽しかったこと、なにかあった?」というものです。
「なにか」と「なにが」は、たった一文字の違いですが、ニュアンスは大きく変わります。
「なにかあった?」を聞くと、「なかった」という答えが返ってくるかもしれません。
でも、「なにがあった?」というのは、楽しいことがあったということを前提にして、
その中身を聞く質問になっているので、
聞かれた人は、「楽しかったことを探し出そう」という気持ちになれるのです。
ぼくは、眠るときに、子どもにこの質問をすることもあります。
楽しかったことを探し出していると、
子どもは、「今日も楽しい一日だったんだ!」ということを発見できます。
これを毎日繰り返すことで、「毎日楽しいんだな」と思うので、
事前に答えを考えるようになるかもしれませんね。
一日の中で、どんな楽しいことがあるんだろう?
そう考えることで、毎日の過ごし方や行動が変わることだって、あるのです。
一日の中で、どんな楽しいことがあるんだろう?
この質問は子どもだけではなく、ぜひ親も答えてみてください。
きっと親子で楽しい一日をつくり上げることができ、
なにげない一日がステキな一日へと変身するのではないでしょうか。