自分の仕事はどのくらい利益が出ているんんだろう、どのくらい儲かっているんだろうかという現状と、そのしくみをきちんと理解してほしいのです。
そんなの当たり前じゃないかと思う人もいるかもしれませんが、問題は何かというと、「働いているつもり」になっていないかどうかということです。

1. 「利益」とは何か?
売上から経費を差し引いたのが利益という考え方だと、多くの人は目に見える売上にフォーカスしてしまいます。
「今日は〇万円の売上があったからよかった」とよく働いた気になりますが、計算してみたら支出がとても多くて全然儲かっていなかった、という場合もあります。
自分の仕事は果たして儲かっているのかどうか、ちゃんと利益が残っているのかどうかをシビアに見ていくことが、この段階になるととても重要になってくるのです。
ここでは、「売上」ではなく、「利益」にフォーカスしてみたいと思います。「利益」とは何かというと、自分の未来をつくるエネルギーのことです。
利益はそんなになくても、売上で事業を回していくことも可能なので、今日も、明日も、来月も食べていくことはできます。
でも、利益が少ないと、次のステップへの投資ができません。
それができないと、自分がつくったビジョンにはとうてい到達しません。
あなたのビジネスの目的が、食べていくためだけではなく、ビジョンに向かっていくためであれば、利益を確実に残して、次の1歩を踏み出す必要があるのです。
利益はとても大事です。
ぼくの実家は寿司屋なので、小さい頃から「マグロの仕入れ値が高くなった」「価格を上げないと利益が出ない」というような話をたくさん聞いて育ちました。
それを聞いて、「商品には仕入れがあるんだ」「仕入れは時期によって高くなったり安くなったりするんだ」「高くなると、売っても売っても儲からないんだ」ということを自然に覚えたのです。
そんなこともあって、レストランで食事をしたりショップに買い物へ行ったりしたときに、その店の売上や利益を積極的にシュミレーションしてみるようになったのです。
このお店は、みんなが頼んでいるメニューが大体1000円くらい、客席は30席くらいあるから3万円かな。お客さんの回転がいいから2回転か3回転ぐらいするよね。でも、働いている人の数がやたら多いな、それなら売上が上がっても利益はあまりなさそう・・・とざっと予想してみます。
別に特別な教室やセミナーに行く必要はなく、日々行くお店や街を歩いて出合うお店などで、売上がとのくらい、経費がどのくらいと考えてみる。そんなレッスンを至るところでやっていくと、自分のビジネスセンスや金銭感覚も磨かれていくと思います。
2. 利益を増やすことに取り組む

では、ここで問題です。
1000円の商品があったときに、10%の値引きをします。すると利益は何%減るでしょうか。
単純に利益も10%減ると思いがちですが、もともと利益が200円しかない商品だったらどうでしょう。値段を10パーセント下げて900円にすると、利益は100円で、半分になってしまいます。
このように、頭で考えてわからないことや今までの感覚と違うことが、この利益のしくみの中にはたくさんあります。
まずは、利益のしくみを把握した上で、自分の商品やサービスの本当の利益を知ることです。働いたつもりではなく、利益が出ているのか出ていないのかを知る。そして、どの瞬間に利益が出ているのかを知らなくてはなりません。
たとえば、おにぎりをつくって販売しました。
売れたときが、利益が出ている瞬間です。
でもその前には、どんな具のおにぎりをつくろうか、どこから材料を仕入れようかと考えているなどの下準備の時間があります。その下準備の時間は、利益につながる時間ではありますが、直接利益を生む瞬間ではありません。ということは、下準備の時間をいくら長くしても利益は変わらないのです。
おにぎりを売る仕事だったら、おにぎりを売る時間をいかに増やすかということが、利益を上げていくポイントです。だからといって、下準備をおろそかにしていいということではありません。
自分の商品やサービスにおいて、どの瞬間がもっとも価値を生んでいるのか知ることがいちばん重要です。
それを知ったら、今度は、利益をさらに高めるにはどうすればいいかということを考えてみましょう。
たとえば、350mlの缶コーラがありますね。あのコーラはいくらでしょう?
自動販売機で買うと150円、ディスカウントストアで買うと80円で買えたりしますよね。でも、同じ量のコーラでも、ホテルでオーダーすると1000円だったりします。
実際に1000円で頼んでいるお客さんは大勢います。でも、「これ自販機でも売っているのと同じだから、150円にまけてよ」という人はいません。
要は、同じものでも、場所やシチュエーション、目的、相手などによって価格が変わるのです。価格が変わると、当然利益が変わってくるわけです。
利益は価値とイコールです。
同じものでも、そこにどんな価値をつくることができるか、プラスすることができるかで、利益が大きく変わっていきます。
自分の商品にさらにどんな価値をプラスすることができるか、お客様はそれをどれぐらい望んでいるのかということを意識して、利益を増やすことに取り組んでみてください。
3. 現状を把握することから

先月は、どれだけの利益がありましたか?
毎月、どれくらいの利益が出ているかを把握していますか?
売上だけでなく、利益もです。
現状を把握することが、まず第一歩ですね。
もっとも利益が生まれているのは、どんなときですか?
あなたの活動の中で、利益が生まれているのはどんなときでしょうか?
その一瞬は、あなたのビジネスにおいて、もっとも大切な時間の1つ。
よりよくなるように工夫していきましょう。
なぜ、その価格で売っているのですか?
あなたの商品は、なぜ、その価格で売っているのですか?
「周りもこの値段で売っているから」、「なんとなく」であれば、私の商品はいくらにしたらいいですか?「値段を決める」に戻って、もう一度考えてみましょう。
価格の根拠をしっかりと説明できるといいですね。
商品やサービスの価値を高めるために、何ができますか?
利益を高めるには、お客様が受け取る価値を高めるといいですね。
商品やサービスを改善してもいいですし、接客、パッケージ、オペレーション、フォローなど、改善できるところはたくさんあります。
ひとつひとつを、「もっと価値を高めるにはどうすればいいだろう?」という視点で見直してください。

どんな新しい価値を生み出しますか?
改善して生まれる価値と、新しく生まれる価値は違います。
ここでは、新しく生まれる価値を考えてみましょう。
お客様にもっと喜んでもらうために、あなたのビジョンにもっと近づいていくために、どんな価値を提供するといいでしょうか?
過去の積み重ねではなく。未来からの逆算で考えてみましょう。
利益を増やすために、何ができますか?
あなたの利益を上げていくために、他にどんなことができますか?
価値を高めていく以外のアイデアも考えて実行してみましょう。
売上を上げるために、何ができますか?
利益を上げるためには、売上を上げていくことも大切です。
どのようにすれば、売上を上げることができるかも考えてみましょう。
「売上=お客様の数 × 購入頻度 × 単価」でできています。
どこをどうやって高めることができるかを考え、実行してみましょう。
経費の用途と金額は適切ですか?
売上が十分でも、経費がかかりすぎていると、利益は上がりません。
その経費は適切なものか、その金額もふさわしいかを一度見直してみましょう。
本当は不要なものも見つかるかもしれませんよ。
上記の魔法の質問に答えてみる