人は、相手の話を聞くよりも、自分のことを話したいという思いが強いものです。それは1対1で話をするときも同じです。
自分が話そうとせず、相手に話をしてもらう。
そのきっかけをつくる問いかけ=しつもんを意識する。
これが「たった1分で心をつかむ」ための大事なポイントなのです。いわば、ぼくが伝えたいのは「話さない力」を身につけてほしいということです。
相手の心をつかむためには、話術も交渉術も必要ではありません。あなたが自分から話そうとする時間はわずかでいいのです。

1. 段落を変えるしつもん
「〇〇といえばさあ、昔・・・」
会話をしていると、話が少し脱線してゴールが見えなくなってしまうことがよくあります。どんどん話してくれるのはありがたいとはいえ、仕事などでは、脱線した話を本題に戻す工夫も必要になります。
そんなとき、有効なしつもんがこれです。
「ちょっと確認したいのですが・・・」
「忘れないうちに思い出しておきたいのですが・・・」
このしつもんには、会話の段落を切り替える効果があります。段落を切り替えることで、相手から会話の主導権を取り戻し、自分のゴールに向かった会話に引き戻すことができるのです。
このとき、会話が今どこにあるのかということを認識する必要があります。
自分は今、スタートからゴールまでの線上にちゃんと立っているのか。その線上のどの位置にいるのか。20%の位置なのか、50%の位置なのか、80%の位置なのか。もしくは、まったく線上からはずれてしまっているのか。
そのことを頭のなかでイメージして、必要になったらこのしつもんをするようにしましょう。
2. 相手にゴールを気づかせる

それでは、会話がゴールから完全に脱線してしまったときはどうすればいいでしょうか。
気持ちよく話をしているのに、あまりにもあからさまに話を切ってしまうのは相手に失礼です。場合によっては、相手が気分を害してしまうことだってあるかもしれません。そんなとき、ぼくはこういうしつもんをします。
「いちばん困っていることは何でしたっけ?」
「最初に言っていただいた課題は何でしたっけ?」
こう言うと、たいてい相手は気分を害することなく脱線していることに気づいてくれます。そして、相手自身のゴールにも気づいてくれるのです。
ほかに、今まで聞いた話を確認するという方法もあります。
「ちょっと、ここまでの話を整理させていただいてもよろしいですか?」
「課題は、売上を上げたいということでよかったですよね?」
もちろん、すべてが台本どおりである必要はありませんが、完全にゴールを見失ったときは、相手の話をまとめてあげることで、相手の話を本筋に戻しましょう。
・いちばん困っていることは何でしたっけ?
・ここまでのお話を、確認したいのですが?
akaz says
相手から興味のある話をされ私も色々質問すると、どんどん脱線することが多くなりますね。
いつの間にかそれで時間を使ってしまうことも。
今回の内容をもとに、話がズレないようにしていきたいですね。