小学校で、ぼくがある授業を担当したとき、始業前、
「この授業が終わったら、どうなっていたいですか?」
と質問したら、子どもたちの姿勢が変わりました。ダラっといすに座っていた子どもの背筋が、すっと伸びたのです。
どうしてだと思いますか?

1. 他人事ではなく、「自分のこと」として物事をとらえる
「先生から教わる」という受け身の姿勢から、「自分が学習するんだ」というスタンスへと、気持ちが変化していったからです。
この授業(勉強・宿題)が終わったとき、自分はどうなっていたいのだろう?
答えは、一人ひとり違います。そして、すべての答えが正解です。人はみんな違う個性を持っているので、それぞれが、自分なりの学びについて、イメージをふくらませればいいのです。
「この授業を受けて、楽しくなれるといいな」
「新しいことがわかって、うれしい気持ちになれるといいなぁ」
「〇〇ちゃんに教えてあげられるようになりたい!」
こんなふうにイメージしていくと、自分なりのゴールが見えてきます。
ゴールの設定は、とても大切です。ゴールがないというのは、先の見えない暗いトンネルに入っていくのと同じで、ものすごく勇気がいります。
でも、トンネルの向こうに明かりが見えていれば、「あそこに行けばいいんだ!」と思えるので、それを目指して意気揚々と歩いていくことができるのです。
「他人事」としてとらえるのではなく、「自分のこと」として真剣に取り組む。
すると、「この授業を」「この時間を」「この一日を」どうデザインしていこうか?という発想につながり、何かをつかもうという意欲が引き出されるのです。
2. 質問によって、主体性と意欲を引き出そう

この質問は、いろいろな場面で応用できます。
たとえば、子どもが日曜日に家で勉強をしているとき、
「今日、4時まで勉強するの? えらいね。勉強の終わる4時には、どんな自分になっていたらいいなと思う?」
こんなふうにお母さんが聞いたらどうでしょう?
「〇〇の問題ができるようになったらいいと思う」
「宿題が全部終わって、お母さんにほめられたい」
などなど、
子どもは自分なりのゴールを設定するはずです。
でも、ここで、
「4時までに○ページまで終わらせなきゃダメよ。これをカンペキにして、今度の試験ではいい点取らなくちゃ!」
と言ったとしたら・・・。子どもは「親に言われて仕方なく勉強している」という受け身の姿勢になってしまうのではないでしょうか。
「いい点数を取る」という結果だけが、大切なのではありません。
この時間に子どもがなにを学ぶのか。その「プロセス」をサポートすることこそ、親の大切な役割です。これが、子どもが持続的に成長することを可能にするのです。
命令によって、子どもを自分の思いどおりにコントロールしようと思うのではなく、子どもの可能性を信じ、質問によって主体性と意欲を引き出す。
そこから子どもの「やる気」が生まれます。
この勉強が終わったら、どうなっていたい?

akaz says
これは大人の自分でも十分活用できる、応用範囲の広い質問です。
私は文章を書くための勉強をしていますが、
自分が考えていること、伝えたいことをスムーズに伝えられるようになりたい。
と思っています。