顧客の生活を細かく見ていくと、製品・サービスの開発、マーケティングに役立つ情報やヒントに必ず出合えます。

1. 顧客は移り気だが、ファンは違う
お客様のことをとことん知るという点で、すごいお店だなぁと感じているのが、宇都宮市にあるサトーカメラです。友人の話でその存在を知り、ちょうどカメラが欲しかったので、実際に買いに行ってみました。
何がすごいかというと、とにかく接客に時間をかけるのです。普通のお店なら「どんなカメラを探していますか?」と機種選びから始まるのですが、ここは「どんな写真が撮りたいですか?」から始まり、「何を撮影しますか?」「写真を撮るときに大切にしたいことは何ですか?」と、ユーザーの視点に立った的確な質問が続きます。
写真談義で盛り上がったあとに「それなら、こんな機能がついたカメラがいいですよ」と、自分に最適のカメラを紹介してくれます。1回の接客時間が1時間を超えることも珍しくないとのこと。
感心したのは、この会社の企業理念です。
私達サトーカメラは個性と独創性を大切にし、あらゆる多様性を認め受け入れ、1人でも多くのお客様にありがとうと喜んでいただくこと。
写真に対する常識を変え本当に良い写真、今までに無い新しい価値を持つ写真を創造し、地域のありとあらゆる人々に想い出を写真に撮る喜び、みんなで写真を見る幸せ、後世に写真を残す感動を提供します。
(同社のホームページから抜粋)
お客様が求めているのはカメラではなく、カメラで撮った写真であり、それを見て笑顔になることですよね。
しかも、この理念を実際に行動に移しています。例えば、この店では、デジカメで写真を撮った人がプリントをするために多数来店し、セルフ式のデジカメ・プリンターを前に、店員さんと楽しそうに写真を選んでいます。
デジカメプリントがそんなに利益を生むわけでもないし、おそらくこの接客だけを切り出してみると、人件費を考えれば割に合わない ” 過剰接客 ” です。
でも、お客様は確実にこの店のファンになるだろうし、写真がもっと好きになるかもしれません。これから企業が目指すべきなのは、単に顧客を増やすことではなく、ファンを増やすことです。
顧客は移り気なので小さな理由で他社に乗り換えますが、ファンはちょっとのことでは心を動かされません。
2. 突然のトラブルにも見事に対応

店員さんと相談をしてぼくが購入したのは、ペンタックスの「Q」(Questionの頭文字でもありますね)という小型で軽量のデジタル一眼レフカメラです。3日後に米国出張の予定があり、持っていって撮影しようと思っていました。
ところが、東京の事務所に持ち帰ってカメラを触っているうちに、突然、電源が入らなくなってしまいました。何しろ出張まで時間がありません。購入した宇都宮のお店に電話をして相談しました。
対応してくれた副店長さんは「アメリカへの出張に間に合うように、こちらからすぐに新品を送りますので、ご安心ください。明日、お手持ちのカメラをお店にお送りください」と言ってくれました。
こうした場合、まずこちらが先に不具合のあった商品を送り、店は到着を確認してから新品を発送するのが一般的な方法です。でも、それでは出張に間に合いません。
「ぼくの都合を考えて、特別に対応してくれたのだな」と非常に感激しました。まさに、ファンにならずにいられないお店です。
サトーカメラでは。プリカメラマンによる写真スクールや撮影会など、写真を撮る楽しさを多くの人に体験してもらうためのイベントなども頻繁に企画しています。
仕事というのは、本来、
- 商品やサービスを提供する
- 商品やサービスがお客様のお役に立つ
- お客様が喜んだ対価として代金を払ってくれる
という順に流れていくべきですが、多くの場合、1と3がほぼ同時に行われ、2があとになるため、肝心の目的であるべき2が、ないがしろになりがちです。
サトーカメラの場合、最も重要な2に会社を挙げて取り組んでいて、素晴らしいと感じました。
ちなみに、この会社では、接客したお客様の情報を記録するノートがあるそうです。お客様のことをよく知って、喜んでもらうために自分たちは何ができるかを真摯に考えているからこそ、この厳しい時代でもしっかりと好業績を収めているのだと思います。
お客様はどのように24時間を過ごしていますか?

akaz says
仕事のある日の朝は、イヤイヤ仕方なく起きる。
仕方なく会社に行き、やりたくない興味のわかない仕事をする。
「本当はもっとこうしたい」
というのがあるけれど、それを押し殺して生活のために仕事をする。
休みの日も仕事のことが気になってしまう。
思う存分遊ぶことができない。
そして夜は、仕事のことを考えて憂鬱な気分で眠る。
「一体自分は何のために生きているんだ?」
「こんな生き方や仕事や生活スタイルを望んでいないのに!」
そんな思いを感じている方が多いと思います。