
集まってくる人と大切に関わり合うことで
コミュニティは構築されていきます。
人が苦手で、
人が集まるところは
もっと苦手だったぼくでも、
5000人のコミュニティをつくり、
10年以上も運営することができました。
今ではぼくと同じように
「人が苦手だけど、
コミュニティをつくりたい」
という人たちに
その秘訣をお伝えしたりしていますが、
いわゆるノウハウ、
どのように何をしていくか、
といった「やり方」や「方法」よりも
大切なのは、
やはり自分自身の
「考え方」や「あり方」です。
たとえば、
同じようにたくさんの人と
会う機会はあっても、
より多くの人と
よりよいつながりが築いていける人と、
人となかなかいい関係性を
保っていけない人がいる時、
その違いは
どこで生じるのでしょうか?
あるいは、
あなたがたくさんの人と会った中で、
「また会いたいな」
「これからもつながっていきたいな」
と思った人と
そうでなかった人の違いは
どこにあるのでしょうか?
実は、人とよりよい関係を築く上で
手放しておきたい4つの考え方があります。
おそらく、ほとんど無自覚にしているので、
自分では気づいていないかもしれません。
この4つの考え方やあり方を知り、
自分の課題に気づき、
自分を変えていくことが、
あなたをより魅力的な人にし、
今よりもっと魅力的な関わり合いを
もっていくことにつながります。
それができる人が、
いいコミュニティをつくり、
育てていけるのです。
これは、
コミュニティにおいてだけでなく、
家族、友人、あなたの大切な人との
関係においても共通する、
人付き合いの秘訣です。
1. 「何かをしてもらう」という考え方は捨てよう

コミュニティを知るうえで一番早いのは、
自分が他の人のコミュニティに、
お金を払ってでも入ってみることです。
たとえば、自分が本当に好きなことの
コミュニティ。
日本酒好きなので、
日本酒のコミュニティに入る、とか。
海外旅行が好きだから、
海外旅行のコミュニティに入る、とか。
ただし、入ったコミュニティから
お客様を奪うことは、してはいけません。
自分がコミュニティに参加するときに、
どういう心づもりでいくかが重要です。
コミュニティというのは、
奪い合う場所ではないからです。
あくまで「知るため」に参加してください。
重要なポイントは、
「お金を払っているんだから、
何かをくれるのは当然」
という考え方を捨てること。

お金を払ったら
何かをくれる、
教えてもらう、
提供してもらえるのが当たり前。
そういう意識でいると、
あなた自身が次のステージに行けません。
普通の人は、
「コミュニティの会費を払っているんだから、
主宰者が何かしてほしい」
と思うことでしょう。
でも、これはうまくいかないパターンです。
大切なのは、
「お金を払って」
かつ
「何かを自分が与える」
ことをしていく。
つまり、お金を払って
コミュニティに参加して、
そこに貢献するのです。
ここで、陥りやすい間違いがあります。
自分がしてほしいことをやる、
ではダメなのです。
自分がしてほしいことと、
相手が求めていることは違います。
コミュニティであれば、
必ず主宰者の人がいます。
「主宰者が求めていること」を
やってみましょう。
「何か手伝えることはありませんか?」
「何かサポートできませんか?」
と直接聞くのもOKです。
そんなふうに、
主宰者と関わっていきましょう。
何を与えますか?

2. 人からエネルギーを奪うのをやめよう

コミュニティは、奪い合う場所ではありません。
人から奪わないためには、
まず自分が満たされていることが
重要です。
なぜなら、
自分にエネルギーがない状態だと、
どうしても相手から奪ってしまうからです。
人は、奪う人のところには
集まりたくないものです。
意識的に、あるいは無意識でも、
「相手から奪おう」という思いがあると、
そこには人は集まりません。
私はいつも、
「シャンパンタワーの法則」
というものをお伝えしています。

シャンパンタワーとは、
グラスをピラミッド状に積み重ねて、
そこにシャンパンを注いでいくという
セレモニーです。
このとき
1番上のグラスを自分自身、
2段目を家族、
3段目を一緒に働く仲間や友だち、
4段目をコミュニティのお客様、
と見立てます。
このときあなたは、
どの段から、シャンパンという名の
愛とエネルギーを注いでいるでしょうか?
4段目からでも、
3段目からでも、2段目からでも、
下から注いだのでは、
すべてのグラスが満たされることは
ありません。
1番上、つまり自分自身が満たされて、
あふれたエネルギーが
次の段へと注がれていくのが
美しい姿です。

自分からあふれていれば、
相手から奪おうという気持ちが減っていきます。
自分が満たされた状態であるからこそ、
人間関係や
コミュニティの構築がうまくいくのだ、
と知ってください。
そこで大切になるのが、
「自分を満たすために何ができるだろう?」
ということです。
自分を満たすには、
2つのステップがあります。
★ステップ1
「自分を満たすためには、
何をすればいいかを知る」
どんなことをすると満たされる?
想像してみましょう。
★ステップ2
「実際にそれをやってみる。
やってみたこと、感じたことを書きだす。」
自分の心のグラスを満たす、という表現では
ピンとこないかもしれません。
これをすると癒される、嬉しい、
ホッとする、エネルギーが満ちてくる、
ということだと考えてください。
そして、それをメモに書きだして
定期的に見返すようにしましょう。
また、実践できる頻度も重要です。
たとえば自分を満たす行為が
「2週間ハワイに行く」だと、
現実的には年に一度できるかどうかです。
それでもよいのですが、
週に数回できることとか、
1日5分で毎日できることも
考えてみてください。

たとえば、コーヒーが大好きだから、
「朝、コーヒーを飲みながら5分間、
何も考えない時間を取る」
というように。
そんなレベルでOKです。
自分を満たすことをしましょう。
自分を満たすために何ができるだろう?

3. 「3つのくれない」を手放そう

人は、誰かに何かを求める、
ということをしてしまいがちです。
無意識でいるとつい求めてしまうので、
日常から与えることを意識するのが大事です。
そこで私がいつも大切にしているのが、
「目の前の人を喜ばせるために、
何ができるだろう?」
という質問です。
これは「お客様」を喜ばせるために
何ができるだろう、
という狭い意味にとどまりません。
いま目の前に人がいるとしたら、
その人を喜ばせるために何ができるか
を常に考えて、
実践していくという意味です。
ただし、これは
自分が満たされていないとできません。
喜ばせることの内容は、
小さなことがいいでしょう。
「自分だったらこれが嬉しいから」
ということではなく、
相手が喜ぶことを想像する、
もしくは聞いておこないます。
リサーチして実践し続けていきます。
すると、どんどん変化が起きていきます。
「与える」ということは、
「求めない」ことです。
では逆に、
求めている状態とは
どういうものでしょうか。
あなたは「3つのくれない」
という言葉を、
聞いたことがありますか?
・返事をくれない
・見てくれない
・喜んでくれない
これが「3つのくれない」です。
コミュニティをつくっていく、
人と関わり合いを持っていくなかで
大切なのは
・せっかく私が言ったのに、
「なんで返事をくれないんだろう」
と思わない。
・せっかく送ってあげたのに、
「なんで見てくれないんだろう」
と思わない。
・せっかくいいことをしてあげたのに、
「なんで喜んでくれないんだろう」
と思わない。
ということです。
これは無意識でいると難しいことですが、
自分が満たされているとできます。
ですから、「3つのくれない」を手放して、
求めずに与えていきましょう。
小さいことでよいので、
たくさん人に与えてください。
もし「与えられていないな」と感じたら、
それは自分が満たされていない時です。
自分を満たすことをしていきましょう。
目の前の人を喜ばせるために何ができますか?

4. ジャッジをしない

ジャッジをすると、
コミュニティは崩壊します。
では、ジャッジとは何か?
「こうしたほうがいい」
というものすべてがジャッジです。
「こうやってくれたらいいのに」
「この対応だったらいいのに」
「こういう返事だったらいいのに」
「これはありえないよね」
というのは、
すべてあなたの主観から起こる
ジャッジです。
ここで矛盾するようですが、
重要なポイントがあります。
それは
「あなたの考えはすべてジャッジである」
ということです。
「すべてはジャッジなのだけど、
ジャッジしてはいけない」
というちょっと難しい感覚が
必要になります。
人は、コミュニティがあったときに、
そこに集まってきます。
ある人は知識が欲しい、
ある人はコンテンツが欲しい、
という理由で
集まってきているように見えるのですが、
実は違います。
関わりを求めて集まってきているのです。
関わりを求めてきているのに、
「あなたはこうだよ。
こうしたほうがいいよ」
とジャッジされたら、
嫌気がさして去っていきます。
ここが最大のポイントです。
ジャッジすると、
コミュニティはうまくいかない。
ではどうすればいいか。
相手を受け入れるのがベストですが、
まずは受け止めることです。
「受け入れる」と
「受け止める」の違いとは
何でしょうか?
受け入れるというのは、
「YES」「同意する」
ということです。
受け止めるというのは
「そうなんだ。私は違うけど、
あなたはそう思っているのね」
ということです。
すべてのことを
「受け入れる」必要はありません。
でも、すべてのことを
「受け止める」ことは、
したほうがいいのです。
ジャッジしないのは難しいことです。
でも、ジャッジする、
つまり、今までの自分の経験や価値観だけで
物事を判断してしまうと、
うまくコミュニティがつくれません。
すぐできる方法のひとつに、
相手の話に対しての第一声を
「いいね」にすることがあります。

「いいね」とは、
あなたの話を聞きましたよ、
あなたはそう思うんだね、
受け止めたよ、
という証です。
「いいね」は
決して同意の意味の
YESだけではありません。
「(どちらでも)いいね」
という意味も含まれているのです。
受け止める言葉「いいね」を
使ってみてください。
ジャッジしてしまっていたことは何ですか?


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