すべてのことがオープンになってしまう時代です。
何も隠すことができないのです。
そうだとしたら、
隠さずに素のままを伝える勇気を持ってみましょう。
1.隠し事をするということは、本来の自分の姿を見せないということ

あなたも人に言えないことが、いくつかあると思います。
たとえば、
「大恥をかいた失敗経験」
「就職の面接で10社受けて全部落ちた」
「親との関係がうまくいっていない」
「収入や、貯金または借金について誰にも話していない」
「実は最近、失業した」
「異性とつき合い始めたけれど、離婚歴があることを話せずにいる」
言いたくない!とても言えない!と思うこともあるでしょう。
ですが、隠し事をするということは、本来の自分の姿を見せないということ。
素の自分での関わりを、遮断していることになるのです。
相手が、本当の自分の姿で関わってくれなかったら、
こちらが心で思っていることを伝えたいと思うでしょうか?
こちらが不安に思うほど相手はそれを気にしない、
ということはよくあることです。
むしろ、関係性が深いほど「早く言ってほしかった」と思うことでしょう。
実際、オープンであることは相手に安心感を与えます。
たとえば職場で部下が有能だと、
上司は自分にとって都合の悪いことは隠そうとするかもしれません。
「できない」とは言いたくないし、言いにくいものです。
実はパソコンが苦手で、タッチタイピングが遅い。
資料のちょっとした変更ができない。
でも今さら聞くこともできないし、格好が悪い。
これを隠すよりも、「実はパソコンだけは苦手で。教えてもらえないかな。」
と素のままを言えば、部下との心の距離が近くなります。
完璧な人間などいないのです。
部下にとっては、自分が力になれることがあると嬉しいのではないでしょうか。
また、地図が読めずにいつも道に迷い遅刻が怖いという人が、
思い切って「方向音痴なんです」と告白したら、
「駅までお迎えに行きます」とか「わかりやすい場所で待ち合わせしましょう」
など、不安なく行動できるようになったということもありました。
苦手なことや弱みを見せることで、
協力してもらえたり親近感を持たれることは多いものです。
自分の失敗や悩みを打ち明けたら、
相手も同じように打ち明けてくれたという経験もあるかもしれません。
「実は私、営業に配属になって3ヶ月、一つも注文がとれなかったんだ」
トップセールスの輝かしい実績を持つ上司が
かつてのダメだった時代を語ったら、部下も希望を持って進んでいけそうです。
こちらが心を開けば開くほど、相手も心を開くのです。
2. ありのままの姿で関わる

ぼくの場合は、社長をクビになったという失敗の経験が、
結果としてたくさんの人に応援されることになりました。
ぼくは、大学を出てすぐに起業して、一時は複数の会社を経営していました。
でも、事業内容が世の中よりも先を行きすぎていました。
そして当時のぼくは、社員とのコミュニケーションも
今と比べれば全然とれていなかったのです。
そしてある年の株主総会で、社長の座から追われてしまいました。
こんな話は本当だったらしたくはありません。
ですが、社長をクビになってからどのようにして立て直していったのか。
どんな道をたどって今があるのか、そのエピソードや道のりを知りたい人や
参考にしたい人はたくさんいたのです。
この話を本に書いたり、講演会で話したりしていくと、
「勇気づけられました」とか「私もチャレンジする気になりました」と
言われるようになりました。
失敗談を隠して成功した時期だけを語っていたら、
今のような自分ではなかったと思います。
応援してくれる人や、ファンになってくれる人が増えて
「自然体が魅力」と言われるようになりました。
隠し事をしても、いつかは必ずばれるものです。
隠すことなく、ありのままの姿で関わっていきましょう。
オープンでいるために心がけることは何ですか?