• Skip to primary navigation
  • Skip to content
  • Skip to primary sidebar
  • Skip to footer
  • 自分探しトラベルとは
  • 今週の人気記事TOP10
  • ライフトラベラーとは
  • 魔法の質問とは
  • インタビュー
  • テーマ別に記事を探してみよう

自分探しトラベル

まだ見ぬ自分を知るための旅

  • ピックアップ記事
  • 自分探し
  • 恋愛
  • お金
  • 仕事
  • 子育て
  • ライフスタイル
  • スピリチュアル
  • 旅

部下

しつもんできる人こそ、これからの真のリーダー

2020年9月30日

ぼくは、しつもんを知る前は不安と怖れの日々でした。

でも、しつもんに出会い、しつもんを実際に使ってみようと思い、まずは自分自身に問いかけました。
その後に部下に問いかけました。

その結果、考え方が変わりました。行動が変わりました。そして成果が出ました。
しつもんには大きな力がある、そう感じずにはいられない瞬間を何度も目の当たりにしてきました。

しつもんを使いこなすことによって、自分を信じられるようになります。相手を信じられるようになります。部下を信じられるようになってから、不安や怖れはなくなり、安心して日々を送ることができるようになりました。

まったく違う世界にいるようです。

同じことを体験してほしいからこそ、ひとつでもいいので、しつもんを実践してみてください。投げかけてみてください、

すぐに大きな変化があるかはわかりませんが、小さな変化は確実に起きます。その小さな変化は大きな変化への一歩となります。

はじめは、部下を変えようとして相手のためにしつもんをしていたはずだったのですが、一番変化があり、成長したのは自分自身でした。

自分にしつもんし、相手にしつもんするということを通じ、1人でも多くの上司の方が、そして職場全体が、目指す方向に変化していくことができたら嬉しいです。

1. 「ビジネス質問家」で会社が変わる!

ぼくは、いいしつもんができるビジネスパーソンを「ビジネス質問家」と呼んでいます。

社内にしつもんができるビジネスパーソンが1人いると、その会社は変わっていくと思います。本当の問題や課題が発見しやすくなり、会社が目指す本当に辿り着きたい目標への行動も生み出していけるようになります。

たとえば、売上を上げたいとしましょう。

売上を上げるため、いくら上司が「頑張れ」と励ましたところで、そう売上は上がるものではありません。しかし、ビジネス質問家がいると、売上を上げるための最適なしつもんをすることができます。

「いつまでにどれくらいの売上をあげたいですか?」
「売上が上がらないとしたら、何が原因だと思いますか?」
「売上を上げるために、あなたができることは何ですか?」
「誰と協力したら売上が上がると思いますか?」

このような問いかけによって、その状況に必要な答えを導き出していくと、その出てきた答えに沿って自ら動いていける人たちが生まれます。

目標に対して、部下一人ひとりが自発的に行動できるようになるので、会社として大きな戦力につながります。
ビジネス質問家がいるだけで、会社は大きく変わるとぼくは思っています。

2. しつもんの効果で、売上が倍近くに

これは、あるリフォーム会社の事例です。

それまでその会社の営業マンは、お客様のところへ行く前に、商品知識を覚えてから訪問していたそうです。しかし、リフォームは商品が何万点もあるので、とても覚えきれるものではありませんでした。

そこで、ビジネス質問家が「お客様が本当に求めているものは何だろう?」というしつもんをしたところ、「お客様が本当に求めているのは、商品の多さではなく、心地よい空間である」という答えに辿り着いたのです。

そこで、社内でさらに「居心地のよい空間にするために、私たちは何ができるか?」というしつもんをしたところ、「商品知識を話す前に、じっくりお客様の話を聞くこと」が優先事項になりました。

その後、営業のしかたを変え、今までと違った視点でお客様の話を聞くようになると、お客様が解決したい本当の問題が見えてきました。それを会社に持ち帰り、改めて商品を調べ、お客様の希望に沿うような提案をした結果、それまでの1.7倍の売上につながったそうです。

3. 部署同士の距離が縮まる

それだけではありません。
これは、ある自動車ディーラーの話です。

この会社では、営業とサービス部門の仲が悪く、業績が上がらないのを互いのせいにしていました。そこで、ビジネス質問家が「本当の問題はどこにあるのか?」というしつもんをし、両者に思いをすべて出してもらいました。

それを両者で伝え合ったところ、互いに「そんなことを考えていたのか」という、それまで思ってみなかったような発見があったのです。

その後は、「サービス部門のために営業部はこんなことができる」「営業部のためにサービス部門はこんなことができる」と互いに提案し合えるようになり、そこに新しいかかわり合いが生まれました。

今では、互いにサポートし合えるいい関係ができているそうです。もちろん、売上も順調に上がっているとのことです。この会社は、ビジネス質問家によって、両者の間にあった溝が埋められ、より風通しのいい組織に生まれ変わったのです。

これは決して奇跡ではありません。
いいしつもんを使っていれば、誰もが生み出せる効果なのです。

4. そこにいるだけで、人をやる気にさせる人に

その人がいるだけで、周囲の人が自ら動き出すようになる。それが、これからの時代に最も必要とされる人物であり、次世代のリーダー像ではないかと感じています。

ぼくの夢は、そんな人をひとつの会社に1人つくること。言い換えれば、ひとつの会社に1人のビジネス質問家がいる状態です。

ぜひ、このブログを読んでくださった方が、「自分もビジネス質問家になりたい!」と思って、日々しつもんを使い、部下との関係を、その先にいる周りの人との関係を、さらには会社の雰囲気を良くしていただけたらとても嬉しく思います。

すると、今の会社の状態は、必ず良い方向へと変化していくでしょう。
しつもんのすばらしさを感じてくださったあなたにならできるはずです。

魔法の質問
・いつまでにどれくらいの売上をあげたいですか?
・売上が上がらないとしたら、何が原因だと思いますか?
・売上を上げるために、あなたができることは何ですか?
・誰と協力したら売上が上がると思いますか?
・お客様が本当に求めているものは何だろう?
・本当の問題はどこにあるのか?

Filed Under: 仕事 Tagged With: 売上, しつもん, 仕事, 不安, 部下, 上司, ビジネス質問家

部下の成長を後押しする「しつもん」

2020年8月16日

部下が少しずつ成長してきたなら、より自発的な部分を伸ばしてあげましょう。

会社の一員として働いているなら、上司としては、やはりステップアップしてほしいですよね。小さな一歩でも、それを積み重ねていくことがとても大事です。

そんなときにも、しつもんは大きな効果を生み出します。ぜひ、部下がさらに成長していくようなしつもんをマスターしましょう。

1. ステップアップしてほしいとき

上司としては、部下にどんどんステップアップしてもらいたいものです。
しかし、部下自身が現状維持を望んでいる場合もあります。

業務において、より成果を上げたいときは、基本は個人の希望を尊重すべきだと思います。無理やりステップアップさせても、本人の意向に沿わないときはうまくいかないことが多いからです。

しかし、会社という組織にいる以上、ステップアップを求められることが多く、希望どおりの対応ができない場合もあります。

でも、ここで、「部下の教育係を頼んだよ」「今度のプロジェクト、メインで動かしてみて」と上司から一方的に話をしたところで、相手が現状維持を望んでいる部下だったら「忙しくなるから嫌です」などの答えが返ってきてしまうのがオチです。

本来、人には成長する喜びを感じる心理があります。ですから、ステップアップしたくないというのであれば、そこに躊躇している理由があるはずです。

まずは、それを聞き出すのが上司の仕事です。
「何かステップアップに対する不安点や疑問点はある?」
と、躊躇している部分にフォーカスしたしつもんで、部下の本音を聞き出しましょう。

もしかしたら、本当はステップアップしたいのに、何か問題があって悩んでいるというケースもあるかもしれません。ここで本人を躊躇させている「何か」がわかれば、その対応策を考えることができます。

たとえば、「教育係になったら、帰りが遅くなるのが困る」という理由だったら、周りの部下を交えて仕事を調整するとか、役割分担するなどの対策ができると思います。

大切なのは、ステップアップするための阻害要因を明確にすることです。そして、解決できる内容なら、一緒に解決していきましょう。ここをはっきりさせることで、お互いにステップアップへのいいスタートが切れると思います。

魔法の質問
何かステップアップに対する不安点や疑問点はある?

2. 自ら判断してもらいたいとき

部下にリーダーなどの大きな役割を任せようと思ったとき、ただ「リーダーをやれ」と指名すると、相手にやらされ感を与えることになります。

しかし、部下本人が「リーダーをやりたいです」と言ってくれたら、上司としても応援したくなりますし、本人のやる気や責任感を強く感じます。ですから、やるかやらないかの判断は部下に考えてもらうのが一番です。

こんなときにぼくがしているのは、
「〇〇というプロジェクトに興味はある?」
というしつもんです。

このとき、リーダーを任せたいという本当の思いは、まだ伏せておきます。それは「プロジェクトリーダーに興味はある?」と聞くと、「リーダーという役割に興味があるか、ないか」という質問になってしまうからです。

まずは役割ではなく、仕事そのものに興味があるかを聞いてみてください。
そして、「興味がある」と返ってきたら、こうしつもんします。

「リーダーを任せたいんだけど、どうだろう?」

とあくまでも判断を本人に委ねる姿勢で聞くようにします。このとき、「NO」と言ってもいい雰囲気を大切にしてください。押しつけてやらせても、本当の力は発揮できません。

また、場の雰囲気も大切にしましょう。大抜擢で大きな仕事を任せるときなどには、あえて静かな個室に呼んで、「特別に頼んでいる」という状況を作り出すようにします。

こちらの真剣な思いを伝えるためにも、雰囲気は重要です。

そして、本人が「やります」との返事をしたら、部下は自分の足で一歩を踏み出したことになります。その決断は、「リーダーになれ」と上司が命令する何倍もの価値があります。

魔法の質問
〇〇というプロジェクトに興味はある?

Filed Under: 仕事 Tagged With: 成長, 仕事, 部下, ステップアップ, 判断

部下が人間関係に悩んでいるとき

2020年8月11日

上司として、部下から職場の人間関係の相談を受けることがあると思います。
そんなとき、上司としては、「私が解決しなければ」と思いがちです。

しかし、心構えとして最初にお伝えしたいのは、「人間関係のトラブルは、当事者同士でしか解決できない」ということです。それを踏まえた上で、上司としてのかかわり方を意識できればいいと思います。

1. 本当のゴールは一体どこか

あなたが上司としてできることは、「話を聞く」ことと、「事実を確認する」ことの2つです。

たとえば、「Bさんからいじめを受けている」とAさんが相談してきたとします。しかし、実際には、Bさんは「言いたいことをはっきり伝えている」だけかもしれませんし、「ただ注意をしている」だけかもしれません。

Aさんの主張によって、「いじめを受けている」というストーリーが作られていることを理解しましょう。それをわかった上で、まずは上司のあなたが冷静になって話を聞き、事実を見つけるようにします。

このとき、Aさんには、
「どんなことがあったの?」
「それに対してどう感じているの?」
という部分をメインに聞いていきます。

話を聞くことで、だんだんと相手の気持ちも落ち着いていきます。そして、相手が少しずつ冷静になってきたら、

「この問題を解決するために、あなたができることは何がある?」
と聞いてみましょう。

Aさん自身が起こせる行動にフォーカスするのです。

2. 「自分にできること」を探すサポート

ぼくも、研修に行くと、職場の人間関係にかかわる悩みをよく聞きます。

そんなときは全員で改善策を考えてもらいますが、なかには、「社長が代わればいい」「あいつが辞めればいい」「あの人が性格を直せばいい」と答える人がいます。

しかし、残念ながら、私たちは相手を変えることはできません。変えられるのは、自分の意識だけなのです。

「相手を変えること」が問題解決の目標になってしまうと、自分の力ではどうすることもできないので、現実的には何も変わりありません。これは、「売上を上げるために景気回復を祈る」のと同じことです。

景気は、自分で変えることはできません。結局、その変化を「期待する」ことしかできないのです。

ここで大事なのは、「自分にできることは何か」を見つけることが、最短の問題解決法であるということを覚えておきましょう。

ここで、Aさんの事例をもとに考えてみます。

Aさん「Bさんを異動させてください。 一緒に働きたくありません」
あなた「そうなんだね。じゃあ仮に、Bさんが異動したとしたら、あなたはどんな状態になると思う?」

Aさん「Bさんがいなくなれば、仕事がスムーズに運ぶようになります」
あなた「そうか、仕事をスムーズに進めたいということなんだね。じゃあ仕事がスムーズに進む状態になるために、今、あなたができることは何がある?」

Aさん「私にできること・・・Bさんのことを気にせずに仕事をすることですかね?」

ここでは、「仕事がスムーズに運ぶ」という状態こそが、Aさんが本当に求めているゴールになります。その答えを引き出すことができたなら、そのために「自分ができること」を探してもらいましょう。

このように、上司としてできるのは、相手に「自分ができること」を考えてもらうことだけです。仮に、「あの人を異動させて」という要望どおりの環境を与えたとしても、本人が周りに対して批判的な意識を持っている間は、また同じような問題が生じます。

部下本人が「相手に何かしてもらうこと」ではなく、「今自分ができること」にフォーカスしなければ、本当の問題解決にならないのです。

魔法の質問
あなたができることは何がある?

Filed Under: 仕事 Tagged With: 仕事, 人間関係, 相談, 問題解決, 部下, サポート

部下のメンタルをサポートする「しつもん」

2020年8月6日

部下の表情が浮かないとき、上司としては心配になるものです。
どう声をかけるのがベストなのか、対応に迷うことも多いでしょう。

下手に声をかけて、やる気を削いでしまったり、さらに追いつめてしまったりしては元も子もありません。

でも、そのようなときにしつもんが有効です。部下の悩みを紐解き、前向きに次の行動に移せるようなサポートをしていきましょう。

1. 「力になりたい」ことを伝える

部下が疲れた表情をしているとき、それが気になるけれど、どう声をかけたらいいものか迷う方がいるかもしれません。ぼくは、それを見逃すことなく、「気にかける」ことが大事だと思います。

ぼくの場合、こんなふうにしつもんします。

「今、何が一番大変?」
「何か手伝えることはある?」

大切なポイントは、「上司として気にかけていること」「力になりたいと思っていること」をしっかり伝えることです。

また、仕事において悩んでいるようであれば、

「誰かに振れそうな仕事はある?」
「後回しにできる案件は何?」
「減らしても問題のない業務はある?」

などとしつもんし、事態を少しでも改善に向かわせるようにします。

これはぼく自身の体験談ですが、「その仕事に関して、上司として手伝えることがなくても、『手伝えることはある?』『できることはある?』と聞いてもらえるだけで満足する」と、部下に言われたことがあります。

実際に行う、行わないが問題ではなく、気にかける一言で、仕事のやる気がアップしたり、元気が出ることもあるのです。

一方で、「少し休めば?」「昨日、飲みすぎたの?」など、現状を把握していない状況でのデリカシーのない質問は、部下の反感を買うだけです。

「あなたのせいよ!」「こんな仕事をさせているあなたがいけない!」と新たな問題を生む可能性もありますので、安易な質問には注意しましょう。

魔法の質問
今、何が一番大変?

2. 意外と「なぜ?」を押さえていない

部下が感情的になっているとき、まずしたいことは、受け止めることです。

部下「クライアントから、『納期を1週間前倒ししてくれ』といきなり言われたんです!」
上司「そうだったんだね」
部下「そんなのできるわけないじゃないですか!」
上司「そうか、そうか」
部下「あそこはいつも勝手なことばかり言うんですよ!」
上司「そうなんだね」
部下「ああ、腹が立つ!」
上司「そうか。じゃあ、なぜその状況になったのだろう?」
部下「・・・。 それはわかりません・・・」
上司「そこを考えてみようか」

ここでは、話を受け止めながら、現状把握に努めることが大切です。

クライアントの要求がいくら理不尽でも、「なんでその状況になったのだろう? その理由は何だろう?」と、客観的に問題を捉えるように促します。

もしかしたら、その状態になる伏線があったかもしれません。

経験者だったら、それを見逃さず、その先を見越して仕事ができたかもしれません。でも経験が少ない部下は、小さな変化など見逃してしまうことがあります。

クライアント側の「なぜ?」を理解できるようになると、次から対策ができるようになります。同じ状況を再発させないためにも、部下にその部分を考えてもらうようにしましょう。

そして、クライアントの「なぜ?」がわかったら、解決策を考えることにシフトします。もし、部下が冷静な状態に戻って、解決できそうであれば任せたほうがいいでしょう。

しかし、理不尽さを感じていて、ベストな対応ができないようであれば、一緒に考えるスタンスがいいと思います。上司が先に解決策を言うのではなく、部下の考えをもとに一緒に考えるというかかわり方がいいでしょう。

このような場合、上司は、つい「しかたないだろう」「なんとかしろ」と、最初からお客様目線で部下に対応してしまいがちです。でも、上司が敵になってしまったら、部下は反発するだけで、冷静な判断などできなくなります。

部下が感情的になっているとき、部下以外の味方になってしまう上司の方は意外と多くいます。ここは、上司として注意しておきたい大事なポイントかもしれません。

まずは、上司が部下の話を受け止めることで、部下を冷静な状態にすることが大切です。

魔法の質問
なぜその状況になったのだろう?

Filed Under: 仕事 Tagged With: 仕事, 経験, 部下, 上司, サポート, メンタル

「教える」より「考えてもらう」ことで人は成長する

2020年8月1日

愛想なく仕事をしている、礼儀やマナーが見についていない、対応が適切でない・・・。このように、「お客様目線での仕事をしていない」部下がいる場合、まず上司としては、部下の視点ではなく、お客様の視点で考えてもらうことが必要です。

1. 「お客様」「職場の人」を主語にする

そのために、「お客様」を主語にしたしつもんをしましょう。

「お客様だったらどう思うかな?」
「お客様はその対応で満足するかな?」
「お客様だったらこの説明でわかると思う?」

最初からお客様目線で仕事ができる人はいないものです。

もし、答えが出づらいときには、実際にお客様の立場を体験してもらうといいでしょう。たとえば、接客業の場合、お客様の立場で商品を買ってみて、客観的に仕事を捉える経験をしてもらうのもひとつの手です。

体感することで、部下の考えの幅も広がっていくでしょう。

また、これは「社内」においても同じです。
たとえば、自由な服装で働ける会社の場合、女性の肌の露出度が高い服装は、周りを困惑させるケースがあります。

服装の乱れなど、仕事以外のことで、職場の同僚のパフォーマンスを下げてしまうのはよくありません。上司としてもできるだけ早めに対処したいものです。

この場合は、
「周りの人はどう思うかな?」
「どんな服装だったら、周りが働きやすいと思う?」
と、「職場の周りの人」を主語にしつもんをしてみましょう。

仮に、「あなたはどんな服装がいいと思う?」と部下自身を軸にして質問してしまうと、自分本意の答えしか返ってこないでしょう。

「私はこれを着たい」「私はこれで問題ないと思う」という考えからは、改善は生まれません。

また、「その服装はやめろ!」など、「禁止」で相手の行動を押さえつけることも得策ではありません。

このような指導をすると、この先問題があった場合、すべての行動や選択をいつも禁止しなければならなくなります。これは、上司のあなたの仕事が増える上に、部下から考える力を奪ってしまうことになります。

さらに、上司の皆さんならわかるかもしれませんが、「禁止」からは「反発」が生まれやすくなります。

服装に限らず、香水のつけすぎ、携帯電話の使いすぎなども同様の問題です。
相手目線で考えてもらうことで、より改善する方向に導いていきましょう。

魔法の質問
お客様だったらどう思うかな?

2. 「無意識」の部分に働きかける

経費に対する概念は、会社ごとにそれぞれルールがあると思います。

しかし、経費とは、「その費用を使うことで、仕事にプラスの影響を与えることができる」というのが前提だと思います。

実際に、経費に対する認識ができていない部下はいるものです。
本来は、最初にその概念をしっかり伝えることが上司の役割です。ただ、常識は人それぞれなので、どんなに伝えたつもりでいても、驚くような解釈をしている部下がいることもあります。

なかには、就業時間中に発生するすべての費用が経費だと思っているケースもあります。そんなときは「常識がない!」と一方的に責めずに、本人に「経費」について考えてもらうことが大切です。

「経費とは何だと思う?」

としつもんして、まずは考えてもらいましょう。
もし、「なぜ、これを経費で落としているのか?」と疑問に思った場合は、「これはなんで経費だと思う? 仕事にどう役立つと思う?」と理由を尋ねてみてください。

本当にそれが仕事に必要なのかを、本人に再度確認してもらうことが大切です。

ここでは、「これ、経費になると思ってるの?」のような尋問や、「いつもこれを経費にしてるの?」と犯人扱いするような質問は、避けるようにしてください。

相手を責めるような気持ちで聞いてしまうと、たとえ正当な理由があったとしても、答える側は真実を隠したくなるものです。

目的は相手を責めることではなく、次回から改善された行動を生み出すことです。それでも改善されない場合には、指導をしましょう。

「認められない」とはっきり伝えることも上司の役目です。

しつもんすることは、相手の判断にすべて任せるということではありません。考えてもらった上で、なかなか行動に移せない場合は、しっかり指導することも必要なのです。

魔法の質問
経費とはなんだと思う?

Filed Under: 仕事 Tagged With: 無意識, 仕事, 視点, 部下, 礼儀, お客様目線

「何が大切なのか」「どうして大切なのか」を考えてもらう

2020年7月28日

基本的なマナーや礼儀などが身についていない部下もいるものです。

でも、最初から頭ごなしに指導するのは得策とは言えません。部下には「何が大切なのか」「どうして大切なのか」を考えてもらう必要があります。

ここでは、そのために有効なしつもんを押さえていきましょう。ポイントはいつでも「部下のためになるしつもんか?」です。

1. 遅刻を繰り返さないための「具体策」

どんな職場でも、遅刻をしてくる部下はいます。その理由は、本当に避けられない事情の場合もありますが、あきらかに本人に原因があることもあります。

このとき、もし、「なんで遅刻したの?」と質問してしまうと、「だって、目覚ましが鳴らなかったから」「忘れ物を取りに戻ったから」「出がけに電話が鳴ったから」という言い訳が返ってきます。

しかし、言い訳からは改善策は生まれません。
そんなときは、こんなふうにしつもんしてください。

「どのようにすれば時間どおりに来られるかな?」

これは、何が悪かったのか、その要因を自分の中で探してもらうしつもんです。
この問いかけをすることで、「今後は、どう改善していけばいいのか」ということを自ら見るけてくれるようになります。

繰り返しになりますが、「どのようにすれば」で始まる問いかけは、未来にフォーカスするしつもんです。きっと、自分なりの対策を前向きに考えてくれると思います。

たとえば、「目覚ましを3つかけるようにします」「忘れ物がないよう、前日にしっかり準備します」などのアイデアが出てくるかもしれません。

もし、遅れた理由が電車の遅延の場合でも、「もう少し早めに家を出るようにします」「違う路線での行き方をチェックしておきます」という答えを出してくれれば、改善の余地があるでしょう。

このように、次回から遅刻しないための対策がかい返ってきたら、その後は「じゃあ、それをやってみようか?」と促すだけです。

これは上海でしつもんを実践している知人の体験談ですが、いつも遅刻してくる中国人スタッフにこのしつもんを使ったところ、次の日から遅刻しなくなったと喜んでいました。

しつもんの効果は世界共通です。ぜひ、使ってみてください。

魔法の質問
どのようにすれば時間どおりに来られるかな?

2. 「重要度」がわかると休まない

大事な会議の日や、期日間近の仕事が終わっていない日に、あまり深く考えない様子で休む部下がいます。そんなときは、休んだ理由を問いただすよりも、なぜ会社に出てくることが必要なのか、仕事そのものの重要度を、部下に理解してもらう必要があります。

部下の認識が、上司のあなたと同じであるとは限りません。

もし、「行ってもいいし、行かなくてもいい」という考えだった場合、問題意識がない部下に改善を促すのは難しくなります。

そこで、
「この会議(案件)の重要度は、どれくらいだったと思う?」
というしつもんで、仕事に対する認識を明確にします。

万が一、部下から「休んでも他の人がなんとかしてくれると思った」などの安易な答えが返ってきたとしても、否定はしないでください。

それが、本人にとってのその時点での事実です。そのときは冷静に、「なんで休んでも大丈夫だったと思う?」と理由を聞くようにしてください。

もし、相手から答えが出てこなかった場合は、「絶対に休んではいけない案件」「それほど重要はない案件」などの選択肢を与え、どれに当たるか考えてもらいましょう。

相手の考えを確認したら、そこで初めて「私は〇〇だと思う。なぜなら〇〇だから」と理由を添えて上司としての意見を伝えます。

ここで大切なのは、しつもんを通じて、すり合わせを行っていくということです。あくまでも部下に考えてもらうことが大事なので、「これは大切な会議だったよね?」と意見を押しつけることはしないでください。

自分で答えを出さなければ、実際の行動には結びつきません。こちらから指示するのではなく、考えを引き出すことが狙いであることを忘れないようにしましょう。

魔法の質問
この会議の重要度は、どれくらいだったと思う?

Filed Under: 仕事 Tagged With: 仕事, 部下, 上司, 遅刻, 重要度

部下が仕事に対して消極的なときにする「しつもん」

2020年7月18日

部下には、自分から積極的に成長してもらいたいものです。

でも、なかには消極的になってしまっている部下もいます。それによって、自分で成長の芽を摘んでしまっているのはもったいないことです。

そういう場合には、上司からのしつもんで、部下の中に眠っている「積極性」を引き出して上げましょう。
しつもんは、その部分に働きかけることができる最高のツールです。

1. 「どのくらい」を数値で表す

営業などの職種の場合、仕事上、数字に対する意欲が求められるケースがあります。

ただ、新人の頃は、「今月の目標」と言われても、その件数や金額が実際に達成できるのかどうか、どのくらい頑張ったら到達できるのかもわからないことが多いでしょう。

まず部下に意識してもらいたいことは、常に「その時点での自分の達成度を数値で把握する」ことです。

「今、目標の何%達成してる?」

というしつもんで、数字を認識してもらうようにしましょう。

もし、目標に対して何%まで達成しているのかすぐに答えられない場合は、現状把握ができていないということです。

通常、人は意識していないことは行動に結びつきにくくなるので、その状態では目標を達成することが難しくなります。80%まで達成しているのか、まだ40%なのか、現状を把握するように促しましょう。

このしつもんをする頻度を上げていくと、部下に数字を意識する習慣がついてきます。

理想的な使用頻度は業種にもよると思いますが、1ヶ月に1度よりは、週に1度のほうがより効果が上がると思います、可能なら、3日に1回でもいいでしょう。これは、無意識だったことを、意識あるものに変えることが目的です。

また、数字の目標は、その目標を細かく刻んで達成しやすい数字にすることで、より具体的な行動を生み出すことができるようになります。

たとえば、年間の売上目標が1000万円の場合、1ヶ月、1週間、1日と細かく落とし込むことで、するべき行動が見えてくるでしょう。

どうしたら小さな成功体験を積んでいけるかを、部下と一緒に考えることも必要かもしれません。

魔法の質問
今、目標の何%達成してる?

2. 部下の「やる気のもと」を知る

仕事になかなかやりがいを見いだせない部下がいます。

実際、本当にやりたい仕事に最初から就ける人はそう多くはないと思います。
しかし、上司としては、たとえどんな仕事であっても、部下にやる気を持ってもらいたいという思いがあります。そんなとき、ぼくはその人の「やる気のもと」を知るようにしています。

それを聞くには、
「どんなときにやる気が出る?」
としつもんするのがいいと思います。

たとえば、「認められた」と感じるとモチベーションが上がる、少し困難なことでもやりがいのある仕事を任されるとやる気が出る、自分の得意なことをしているときは何時間でも本気で取り組めるなど、人によってやる気のもとは違います。

上司として、部下のやる気のもとを知っておくことが大切です。

ぼくの体験談ですが、いつも事務所で仕事をお願いしている女性に、このようなしつもんをしてみたとき、「お客様の声を直接聞きたい」と言われたことがあります。「実際にお客様の声を聞いて、自分が役立っていることを実感したい」ということでした。

そこで、お客様の声を直接聞くことができる場面を設定したところ、それまでよりも仕事への具体的な働きかけが見えるようになり、本人の満足度も上がりました。

部下のやる気のもとを知ったとしても、職場によっては、それをすぐに叶えることはできないかもしれません。ただ、部下のやる気のもとを知っているのと知らないのとでは、かかわり方が変わってくるでしょう。

あきらかにやる気が見られない様子の場合でも、「やる気あるの?」と聞くのはお勧めできません。これは相手からやる気を削ぐ質問です。そこからは何の改善策も生まれませんし、部下の成長にもつながりません。

魔法の質問
どんなときにやる気が出る?

Filed Under: 仕事 Tagged With: 仕事, やる気, 部下, 消極的, 積極性

今すぐ使える!部下のタイプによって響く「4つのしつもん」

2020年7月9日

部下にはさまざまなタイプがいるので、同じしつもんでも、相手によって響く場合と、あまり響かない場合があります。

ここでは、部下のタイプを大枠で把握しておくことをお勧めします。

仕事において、人は大きく2つのタイプに分かれると思います。
1つは「コミュニケーション型」、もう1つは「自立型」です。

1. コミュニケーション型は「気にかけること」

まずコミュニケーション型は、人とのかかわり合いを好むタイプです。このタイプの人は、感情を聞いてもらうとモチベーションが上がります。

たとえば、

魔法の質問
・今、どんな感じで進んでる?
・困っていることはある?
・何か手伝えることはある?

など、できるだけ「気にかけている」ということを伝えるしつもんをすると効果的です。

コミュニケーション型は、総じて人にかまってもらいたいタイプです。

ですから、何もせずに放っておくと、モチベーションは下がり、周りや仕事に対しての不満が溜まっていきます。ぜひ、多くのしつもんを通じてかかわることをお勧めします。

2. 自立型は「干渉しすぎないこと」

これと対象的なのが、自立型です。

自立型は仕事をすべて任せてほしいタイプなので、仕事のプロセスにおける上司との深いかかわり合いをあまり好みません。

放っておいてもらいたいこのタイプには、タイミングを計りながら、次のしつもんをしてみましょう。

魔法の質問
・進捗状況はどう?
・どれくらい達成してる?

しつもんは必要最低限に留めますが、ずっと放っておくのはリスクがあります。必要なときは遠慮することなく、現状把握や事実確認をしましょう。ただ、過干渉にならないように気をつけてください。

またこのタイプには、しつもんだけでなく「必要なときは言ってね」などの声がけも有効です。

一方で、「大変?」「悩んでない?」「本当に大丈夫?」などを頻繁に繰り返すと、仕事への意欲を下げてしまうことがあるので、できる範囲内で見守る姿勢を見せましょう。

3. 未来志向型は「未来にフォーカス」

さらに、部下の得意分野に焦点を当て、もう2つのタイプを押さえておくと、しつもんをより効果的に使うことができます。

これは、部下に役割を与える際に役立ちます。

人には、未来のことを考えるのが得意な人と、過去の事実や実績に目を向けることが得意な人がいます。前者を「未来志向型」、後者を「リスクヘッジ型」としましょう。

たとえば、あるプロジェクトを進めるとき、未来志向型にはこんなしつもんをすると効果的です。

魔法の質問
・どんなことがあったら、この企画が盛り上がるかな?
・たくさんの人の役に立つにはどうしたらいいかな?
・どのようにすればもっとうまくいくかな?

未来志向型の場合、アイデアがどんどん出てきます。

4. リスクヘッジ型は「過去にアプローチ」

一方で、リスクヘッジ型は、過去の事実や実績を分析するのが得意なタイプです。

そういったタイプには、次のようなしつもんが有効です。

魔法の質問
・うまくいかないとしたら、何が原因だと思う?
・改善するとしたら何ができると思う?
・どんなリスクがあるだろう?

このように聞いてあげると、冷静に判断して、そのポイントを考えてくれます。

部下のタイプを細かく把握する必要はありませんが、どのようなタイプなのか、大まかに押さえておくことは重要です。

しつもんはどんな人の可能性も引き出しますが、もともと持っている得意な分野に合わせたしつもんをしてあげると、より効果を発揮します。

コミュニケーション型も自立型も、未来志向型もリスクヘッジ型も、企業にとってはどれも必要です。上司が部下のタイプを知り、その良さを引き出してあげることが大切です。

最初は、部下がどちらのタイプかわからないこともあるでしょう。

もし、しつもんをしてみて反応が悪いと思ったら、他のタイプのしつもんにトライしてみてください。その中で、相手に合うしつもんを見つけていければ、部下はどんどん成長していきます。

Filed Under: 仕事, ライフスタイル Tagged With: 仕事, コミュニケーション, 才能, 部下, タイプ, 自立, 未来志向, リスクヘッジ

聞き方次第で答えが変わる!5つのしつもん

2020年7月5日

質問にはいくつかの種類があります。
ここでは5つを取り上げます。
それぞれの特徴を知ることで、効果的な使い方ができるようにしましょう。

1. クイズ

クイズとは、正解が決まっている問いかけです。
これは正解を知らないと答えることができません。

仕事においてのクイズとは、
「この企業の社長は誰?」
「去年、当社で一番売れた商品は?」
などです。

部下にとってみると、試されているような感覚になります。

結局、○か✕かの答えになるので、知識を確認するときにはいいかもしれませんが、これによって部下の「考える力」を伸ばすことはできません。

2. 疑問

疑問とは、しつもん者が知りたいことを聞く問いかけです。

「あの書類はいつまでにできる?」
「〇〇さんから連絡はきた?」
「今日中に決裁しなければいけない案件は?」

確認や状況把握のためによく使われ、「何(Whet)」「いつ(When)」「誰(Who)」「どこ(Where)」などを含んでいることが多くあります。

ビジネスを円滑に進めるために、疑問は必要です。
ただ、これによって部下の「新しい考え」を引き出すことはできません。

3. 尋問

尋問も、疑問と同じくしつもん者のための問いかけですが、相手を責める気持ちが含まれるので、問いかけられたほうは嫌な気持ちになります。

何かを生み出すというよりは、物事を突き詰めるときによく使われます。
基本的には、「なぜ(Why)」という疑問詞が頭につきます。

「なぜ書類ができていなの?」
「なぜ相談しなかったの?」

このように「なぜ(Why)」と聞くので、相手からは「なぜならば(Because)」という言い訳に似た理由が返ってきます。

「他の仕事で手一杯だったから」
「すっかり忘れていて」

たとえ本当の理由がわかっていても、答える側は自分をかばいたくなったり、素直に答えたくないというバリアができることがあります。

ですので、尋問からは、未来につながる解決策は出づらくなります。

4. 命令質問

基本的に指示命令なのですが、最後にクエスチョンをつけて質問の形にしているものです。これは、しつもん者が欲しい答えをもらうという目的で使われます。

「これをやってみたらどう?」
「Aプランがいいんじゃない?」

などは質問に見えますが、「これをやりなさい」「Aプランをやりなさい」という意図があります。

これらは指示命令であり、部下の本当の成長にはつながりません。

5. しつもん

その質問に答えるだけで、相手のためになるものを「しつもん」と呼んでいます。

しつもんからは、アイデアや解決策、改善策が生まれるだけでなく、相手の本当の思いを引き出すことができます。また、自分自身に使えば、今までになかった視点が得られたり、ビジョンを明確にすることができます。

しつもんは「どのようにすれば(How)」の部分をメインに聞きます。

「どのようにすれば書類を明日に間に合わせることができるかな?」
「どのようにすれば忘れずに連絡できるかな?」

すると、こんな答えが返ってきます。

「今日中に必要な資料を準備するようにします」
「気づいたときに、まず上司に連絡します」

頭につける言葉を「どのようにすれば」という形に変えるだけで、部下の答えが変わります。すると、行動も変わっていくのです。

魔法の質問
・どのようにすれば期日に間に合うかな?
・どのようにすれば忘れずにできるかな?

Filed Under: 仕事 Tagged With: 成長, 質問, 尋問, 仕事, 疑問, 部下, クイズ, 命令

成長を信じるからこそ、しつもんが活きる

2020年6月30日

しつもんを使う上でとても重要なのが、「部下を信じる」ことです。
「急に部下のことを信じろと言われても難しい・・・」と思うかもしれません。

でも、ぼくがここで言う「信じる」というのは、「あなたが期待するような答えが返ってくることを信じる」ことではありません。

「部下の成長を信じる」ということです。

1. 部下を信じよう

それは言い換えれば、「どんな答えであっても、部下が考えた末に出した答えならば、それによって自ら行動を起こし、必ず成長していくことを信じる」ということです。

部下を信じることができると、いいことがたくさん起こります。なかでも一番のメリットは、部下がやる気になるということです。

なぜ、やる気になるのかというと、それが人の心理だからです。

自分に置き換えて考えてみてください。
誰かに「君を信じている」と言われるのと、「お前のことなんか信じていない」と言われるのでは、どちらが嬉しいですか?

どちらがやる気が出ますか?
どちらが頑張ろうと思いますか?

「信じていない」という言葉から、モチベーションが生まれることはありません。それはしつもんも同じです。相手を信じている状態で部下に問いかけたときに、初めて相手のやる気を引き出せるようになるのです。

2. 経験が浅い部下を信じるには・・・

ところが、ここからが問題です。
「部下を信じる」ことが大切だと理屈ではわかっていても、現実的にみれば、経験の少ない部下を信じるのはなかなか難しいでしょう。

しかし、上司のあなたがある状態になると、部下を信じることができるようになります。それは「自分が満たされている状態」です。

自分自身が満たされた状態にないと、余裕がなくなり、「人を信じる」ことは難しくなるのです。

ぼくは現在を含め、これまで4つの会社を経営してきましたが、しつもんの効果を実感する以前の会社では、心の余裕がなく、周りを信じることができませんでした。

それで会社を失ったことがあります。
借金を背負ったことがあります。
不安でいっぱいの日々を過ごしたことがあります。

そこでわかったのは、自分の心が満たされていない状態では、部下をきちんと受け止めることも、信じることもできないということでした。

自分が満たされていないと、イライラしたり不安になるので、言い過ぎたり、相手を責めてしまったりするのです。結局、その状態では、いい成果など生み出せないのです。

それに気づいてからは、「自分の心を満たすこと」「自分をいい状態に保つこと」を心がけるようにしました。

すると余裕が生まれ、自然と部下を信じることができるようになっていったのです。そして、その状態から出てくるしつもんは、どれも部下の成長へとつながる効果的なものばかりでした。

3. 上司自身の心の余裕が大切

では、「自分が満たされている状態」は、どうやって作り出したらいいのでしょうか?

ぼくは自分を満たすためのしくみを「シャンパンタワーの法則」を使ってお伝えしています。

シャンパンタワーとは、シャンパングラスをピラミッド型に並べて、上からシャンパンを注ぐセレモニーのことです。結婚式やイベントなどで見たことがあると思います。

ぼくはあのセレモニーを見て、これは人間関係のエネルギー循環と似ているということに気づきました。

まず、1番上のグラスを自分自身、2段目を家族や大切なパートナー、3段目を会社の仲間や部下、4段目をお客様に見立てます。
そうしたとき、あなたはどの段のグラスからシャンパンというエネルギーを注いでいるでしょうか?

たとえば、企業で働く多くの方はお客様を大切にしているので、4段目のグラスから一生懸命シャンパンを注いでいます。すると、4段目は満たされますが、その他が満たされません。

一方で、従業員満足度を高めている企業が増えてきました。そこで、自分よりも先に部下の心を満たすことで、従業員の満足度を挙げました。すると、その先にいるお客様の満足度につながりますが、まだ上のほうは空っぽです。自分や家族の心は満たされないままです。

では、全体を満たすには、どうすればいいのでしょうか?

もうおわかりだと思います。
全体を満たすためには、1番上のグラス、つまり自分自身のグラスを満たさなければなりません。

つまり、最初に満たすべきグラスは、お客様でも部下でも、家族やパートナーでもなく、自分自身のグラスなのです。すると、エネルギーが循環し、すべての段のグラスが満たされていくのです。

やっかいなことに、人は自分のグラスが空っぽの状態にあると、そのグラスを満たそうとして相手を攻撃したくなるという心理が働きます。人を攻撃すると、一時的にその枯渇感が埋まる感覚を得られるかもしれませんが、うまく循環していないので、結局もとの空っぽの状態に戻ってしまいます。

まずは、相手に問いかける前に、自分自身の状態を確認することが「しつもん者」として大切だとぼくは考えています。上司である前に、1人の人間として、「自分の心の状態」を意識しましょう。

4. 些細なイライラを放っておかない

自分が常にいい状態でいるためには、自分を客観視する習慣をつける必要があります。自分のシャンパングラスが満たされているかどうかを確認するということです。

これは難しいことではありません。

自分が「イライラしているかどうか」を感じればいいのです。
そして、少しでも自分のイライラを感じたなら、自分自身を満たしましょう。

たとえば、好きな音楽を聞く。
散歩に行く。
美味しいものを食べる。
本を読む。
外を眺める。

そんな些細なことでいいのです。そうやって、自分の心の状態を整えます。

自分に余裕が生まれれば、自ずと相手を信じることができるでしょう。
その状態が、上司として、そしてしつもん者としての理想の姿といえます。

しつもん力を最大限に生かすために、まずは自分の心を満たすことを大切にしましょう。

魔法の質問
あなたはどの段のグラスからシャンパンというエネルギーを注いでいるでしょうか?

Filed Under: 仕事, ライフスタイル Tagged With: 成長, 仕事, 信じる, 経験, 部下

  • Page 1
  • Page 2
  • Next Page »

Primary Sidebar

新着記事をお知らせします

   

プロフィール


マツダミヒロ

質問家。「魔法の質問」主宰。
時間と場所にとらわれないビジネススタイルで世界を旅するライフトラベラーでもある。 各国で「自分らしく生きる」講演・セミナー活動を行う。 著書は国内外で35冊を超え、年間300日は海外に滞在。

独自のメソッドの「魔法の質問」は世界各国に広がりインストラクターは5,000人を、 メルマガの読者は5万人を超える。 NHKでも取り上げられた「魔法の質問学校プロジェクト」では、ボランティアで世界各国の学校へ訪問。

『質問は人生を変える』(きずな出版)『賢人たちからの運命を変える質問』(かんき出版)ほか著書多数。
→著書をチェックする(Amazon)

人気記事TOP10

  1. 愛とお金、どちらが大事?
  2. 私だったらこうする
  3. 今だから 家族と対話しよう
  4. なぜ自分探しの旅はしていけないのか?
  5. 職場の人と深めてみよう
  6. 幻想を現実に変える「妄想」をしよう
  7. あなたを引き上げる5つのポイント
  8. バランスライフに必要なシャンパンタワーの法則
  9. 本音と本気を引き出す心得「心が動くことを大事にしよう」
  10. 「受け止める」と「受け入れる」の違い

テーマ別に記事を探してみよう

カテゴリー

  • ピックアップ記事
  • 自分探し
  • 恋愛
  • お金
  • 仕事
  • 子育て
  • ライフスタイル
  • スピリチュアル
  • 旅
  • Uncategorized

記事を検索する

Footer

  • 自分探しトラベルとは
  • 今週の人気記事TOP10
  • ライフトラベラーとは
  • 魔法の質問とは
  • インタビュー
  • テーマ別に記事を探してみよう
運営会社

Copyright © 2021 自分探しトラベル All Rights Reserved.