上司「今回のキャンペーンの準備は順調?何がうまくいっている?」
部下「商品説明DVDの出来がいいんです。今回頼んだ制作会社、大正解ですね」
上司「君が発掘したんだろう。さすがだね。他の人にも教えてあげよう」

1. ほめるのは難しくない!
部下をほめたいけれど、何をどうやってほめたらいいかわからない、という声をよく耳にします。
部下は叱るよりもほめたほうが伸びると気づき始めているのに、肝心の実践のところでつまづいているようです。
みなさんが困っているのは、ほめる材料が見つからないということ。でも、質問を使えば簡単に部下をほめる材料が探せます。
「今、何がうまくいっている?」という質問をして、本人から「ほめる材料」を聞き出しましょう。材料を聞きだしたら、「いいね」「よく頑張ったね」「私もうれしいよ」と言ってねぎらってあげてください。
「今、何がうまくいっている?」という質問に、「特にありません」と答える人もいます。その場合には、「小さなことでも構わないよ」と再考を促します。
それでも「うーん、思い浮かばないですね」と答える人には、「そうなんだ。いいことがあるといいね」と言って、いったん話を切ります。
「うまくいっていること」がなかなか思い浮かばない人は、自分自身に対する評価が低い可能性があり、普段からケアしてあげる必要があります。
地味なことであっても本人が頑張っているポイントを見つけて、「〇〇してくれてありがとう。みんな助かっているよ」と言ってねぎらってあげてください。
今、何がうまくいっている?
2. ちょい足し質問で、部下のやる気をさらにアップ!

部下にうまくいっていることを聞いたあとに、ぜひ使ってほしい質問があります。
上司なら、部下が今抱えている問題を早めに見つけて解決したいと思うでしょう。
でも、いきなり「何かうまくいっていないことはある?」と聞かれたら、部下は尋問のように受け止めて、身構えてしまうかもしれません。
まずは、うまくいっていることに部下の意識を向け、ほめてあげてから、課題や問題を探る質問をします。
ここでも、質問の順番が大事です。
さらに、「どのようにすればその問題は解決すると思う?」と質問を続け、部下と一緒に解決策を考えてあげてください。
・今、解決しなければならない問題は?
・どのようにすればその問題は解決すると思う?
3. 行動の質とスピードが上がる

上司「今回のプロモーションが終わったとき、どんな状態になっていたら最高だと思う?」
部下「代理店や販売店の方々から、例年の2倍の注文をいただけたら最高ですね」
上司「先日の会議で、数値目標を決めたよね」
部下「トータルの売り上げで〇〇円です」
同じ行動をするのでも、はっきりした目標があるかないかで、行動する人のモチベーションは大きく変わります。
会議やプロジェクトを始めるときに、「終わったとき、どんな状態になっていたら最高?」という質問をチームメンバーに投げかけると、士気が上がり、行動の質も上がってきます。
部下とともに、会議やプロジェクトが非常にうまくいったあとの姿を想像してみてください。
成功後の姿をチームで共有していると、
「ではそのために何をしたらいいのか?」
「自分の役割は何なのか?」
「今日からできることは何か?」
「いつまでに何をすればいいのか?」
といった具体的なアクションにつなげやすくなります。
逆にゴールが明確に見えていないと、部下は「やらされ感」が強くなります。
もちろん会社という組織で働いている以上、社員が勝手に決められない制約事項もあります。
例えば、期が始まる前に決めた予算や売上目標、経費など。
こうした制約事項を踏まえて、達成の難易度が適正なゴールが設定されているかチェックすることも上司の役割です。
終わったとき、どんな状態になっていたら最高?