
いまぼく達は、走っている車の中。
どこから、どこへ?
答えは「知らない町から、知らない町へ」。
いま自分がどこを走っているのかも、正直よくわかっていない。
妻とふたり、パリを出て南フランスへ向かうドライブ旅を始めたところだ。
目的地はある。でもそこまでの道のりは決めすぎず、地図を見ながらダーツのように、気の向くままに進んでいく。
そんな旅の途中から、今日はお届けしています。
出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.244 フランスドライブ旅のはじまり
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1. 車の旅が、いちばん心が楽になる
運転は、正直に言うと苦手。15分でも嫌になる。
それでも昨日は2時間、今日はもう3時間ほどハンドルを握っている。休み休みだけれど。
それでも車の旅は、飛行機よりずっと気持ちが楽。
荷物の重量や個数をいちいち気にしなくていい。
いつもは重さや数を数えるような生活をしているから、それをしなくていいだけで、ふっと肩の力が抜ける。
そして、ふたりだけの空間だということ。
誰にも気をつかわない分、不思議と疲れにくい気がする。
フランスは特にそうなのだけれど、パリから30分も車を走らせれば、景色がまるで違う。
見わたすかぎりの麦畑やトウモロコシ畑。その広大な景色を見ているだけで、心が広がっていく。
だから車の旅は、毎年すごく好きなのだ。
あなたが「肩の力が抜ける」のは、どんな移動のとき?
2. 17世紀のファームハウスで、久しぶりに自然の中で眠る
昨日泊まったのは、パリから2時間ほど走った森の中にある、小さな宿だった。
17世紀のファームハウスを買い取って、宿泊もできるカジュアルなコース料理も出す、そんな場所。サウナがあって、プールがあって、本当に「森の中」という言葉そのままのところだった。
久しぶりに、自然の中で眠った気がする。
ずっとパリの、それも街の真ん中に暮らしているから、外の夜の空気の匂いや、朝の空気の匂いが、たまらなくいい香りに感じられる。
その匂いをできるだけ体に入れておこうと思って、夜中に起きては窓を開けて外の空気をくんくんと吸い、朝方にもまた起きてくんくんと吸っていた。
妻に笑われたけれど、それくらい、自然の空気が愛おしかった。
最後に、自然の匂いを深く吸い込んだのはいつ?
3. Wi-Fiのパスワードは「デジタルデトックス」

その宿には、面白いことがあった。
Wi-Fiのパスワードが「デジタルデトックス」だったのだ。
パスワードを入力している時点で、「なんだかすみません」、という気持ちになる。
ところが、本当に繋がらなかった。
前日に車がクラッシュして、その影響でWi-Fiの機器まで壊れてしまったらしい。
おかげで携帯の電波も通じず、ぼくらは本当の意味でのデジタルデトックスをすることになった。
でもそれは、たぶん今のぼくらにいちばん必要な時間だった。
今月は本当に忙しくて、ずっと頭を動かし続けるような日々だったから。
自然の静けさの中で、たった1泊。
それなのに、ものすごく修復された感じがあった。自然の力はすごい。
ふたりで、心からそれを感じた夜だった。
もし1日だけ電波が届かなかったら、あなたは何をして過ごす?
4. 行き先は、Google マップに任せて
今日も次の町へ向かっている。
途中でリフレッシュがてら、ある街に降りてみた。
かのジャンヌ・ダルクゆかりの街だという。
そこでたまたまお茶をした店が、豆から淹れるコーヒー屋さんで、なんと店名が日本語だった。
店内には日本のものもたくさん並んでいて、聞けばオーナーが数年前に日本に住んでいて、日本が好きなのだという。
思いがけない出会いに、すっかりリフレッシュしたありがたい時間だった。
今日の宿が何という街にあるのかも、実はよくわかっていない。
ただGoogleマップに導かれるまま、車を走らせている。
旅なんてそんなもの。
しかも、その次の宿はまだ決めていない。
明後日からは、また地図を広げてダーツのように行き先を決めていく。
この旅は28日間ほど続く予定。だからこれからも、道中でラジオでお届けしていこうと思う。
目の前で畑を耕すトラクターが土埃を舞い上げる。
その土埃の中を「急げ、急げ」と抜けていく。
決まっていないことばかりだけれど、決まっていないからこそ、ひとつひとつの出会いが際立つ。
行き先を決めない旅は、そういう豊かさを連れてくる。
あなたの人生に、あえて「決めない余白」をつくるとしたら?






























