パートナーシップをよりよくするために、なぜしつもんが大切なのでしょうか?
なぜなら、しつもんとは「対話をするための道具」だからであり、対話をすることで相手との関係性が深まっていくからです。
対話には3つの種類があります。
- 自分を知るための対話
- 相手を知るための対話
- 自分と相手の考えを共有するための対話
それぞれの対話では、違うしつもんが必要になってきます。
しつもんは、コミュニケーションのきっかけにもなり、本質的な答えを知るための道具にもなるのです。

1. 自分を知るための対話
人は、自分のことはよく知らないというケースが多いものです。
なぜならば、忙しい日々を過ごしていると、自分だけのために立ち止まる時間を取ることが少ないからです。
では、あなた自身のことを少し思い出してみましょう。
「最近、家庭のことも仕事のことも考えず、自分のことだけを5分間考えたのはいつですか?」
もしかしたら、1日24時間のうち、たった5分間も取ることができていなかったかもしれません。以前のぼくもそうでしたが、自分よりも家族が大切、自分のことよりも仕事が大切というように、自分のことは後回しになってしまいがちだからです。
では、しつもんを変えてみましょう。
「あなたにとって一番大切な人は誰ですか?」
ぼくのこの答えは「自分自身」です。きっと多くの方が、ぼくと同じ答えを出していることでしょう。
あなたにとって一番大切な自分自身との時間を、より多く取りましょう。自分との時間をつくることで、自分のことをより知ることができます。
自分は何が大切で、何が嫌いで、何を求めていて、何をしてほしくなくて、どんな未来をつくりたいか。
まずは、それを知ることから始めていきましょう。

2. 相手を知るための対話
あの人はどう思っているんだろう?
そんな推測で、人はコミュニケーションをしています。でも、あなたがいくら考えても、その答えは出てきません。
相手の気持ちを察することは必要ですが、その人の答えはその人の中にしかないからです。
こんなシーンを思い浮かべてください。
毎日、夫はベッドに入りながらテレビを見ています。妻は同じベッドで本を読んでいます。
夫は「いつ本を読み終わるんだろう?。早く寝たいのに」と思っていて、妻は「いつテレビを見るのをやめるんだろう?早く寝たいのに」と思っています。
あなたにも、今までこれに似たシーンはなかったでしょうか?
たった一言、相手の気持ちを聞くことができれば、お互いにストレスなく過ごすことができていたかもしれません。
相手の気持ちや答えを聞かないことで、すれ違いは起こるのです。最初は小さくても、その積み重ねが大きなすれ違いになってしまうのです。
相手の気持ちを知るには、しつもんして聞くだけです。
でも、しつもんするときに大切なことは、答えやすい環境をつくること。
「どんな答えでもいいよ」という意識が最も大切です。
相手のことをより深く知るためにも、しつもんを活用していきましょう。

3. 自分と相手の考えを共有するための対話
自分のことを知ることができ、相手のことも知ることができたら、そのお互いの答えを元に歩み寄ることが大切です。
大事なのは答えを同じにすることではなく、違う答えを受け入れあうこと、そして違う答えであればどのように取り組んでいくかを明確にすることです。
例えば
「働くうえで大切にしたいことは何ですか?」
というしつもんにおいて、男性が「お金」、女性が「やりがい」と答えたとします。
「2人の答えが違うから、わたしたちはわかりあえない」という結論ではなく、答えが違うとしたら、このケースにおいては、
自分の答えを優先するのか、
相手の答えを優先するのか、
2人の新たな答を見つけ出すのか、
などのアプローチが考えられます。
お互いの考えが違うことにフォーカスするだけではなく、違うことを認めたうえでどうすりあわせていくか、お互いの考えが重なる部分をどうつくりあげていくかという共同作業がとても大切になってきます。
相手を責めるのではなく、2人にとって理想の答を出すことにエネルギーをかけましょう。

あなたにとって一番大切な人は誰ですか?

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