会話をする相手がどんな人かを考えてみましょう。たとえば、会社関係の相手であれば、業界や立場などによって使う言葉が違ってくると思います。
「ゴールが必要ですよね」「目標が必要ですよね」「ビジョンが必要ですよね」
これらは、ほとんど同じような意味の文章です。

1. 相手の世界に寄り添うこと
人はどうしても、自分の世界で使う言葉や、自分の使い慣れている表現方法で会話をしてしまいがちです。でも、相手が使っている単語がわからず、何を言っているのかさっぱりわからないという事態に陥ってしまうこともあります。
たとえば、70歳の経営者の方に「ゴールが必要ですよね」と言っても、伝わるかどうか定かではありません。それよりも、相手が使い慣れている「目標が必要ですよね」と表現したほうが会話がスムーズに進むと思います。
次の事例は、老舗メーカーの老社長と気鋭の若手コンサルタントの会話です。
コンサル「まず御社のバリューについて・・・」
老社長 「あ、それより、頼んでおいたわが社の企業価値について聞きたいね」
コンサル「ええ、そのお話を。同じ意味で使っております」
老社長 「あ、そう。で、どうなんだい?」
コンサル「インカム、マーケットの2種類からアプローチした結果・・・」
老社長 「ん? それは?」
コンサル「収益、市場ですね・・・」
老社長 「そうかい。何だかわかりにくいねえ・・・」
この会話を読んで、あなたはどう思われましたか?カタカナ語を連発するコンサルタントと、それがわかりにくいという老社長。ふたりの会話はとてもスムーズだとはいえません。
この場合、カタカナ語の意味を理解しているコンサルタントが、老社長が理解していないことを察知し、相手の使う言葉を確認しつつ会話を勧めてあげるべきでしょう。
2. わからない言葉を理解しようとする姿勢を見せる

なぜ、そうすることが大切なのでしょうか。
相手がよく使う言葉で話すと、受け入れてもらいやすくなるからです。そのためにも相手が使う言葉をよく聞き、どういう意味合いで使っているかを考えなければなりません。それでも理解できないときは、素直に聞いていいと思います。
相手 「それは〇〇でね」
マツダ「すみません、〇〇ってどういう意味ですか?」
相手 「〇〇? それはこういう意味だよ」
マツダ「そうなんですか。わかりました」
理解したら、相手の土俵に上がって同じイメージのなかで話すことです。
相手に聞くのは失礼と思う方もいるでしょう。しかし、相手の言葉を理解しようとする姿勢ひとつで、話に共感してくれる人という印象を持ってもらえるはずです。
相手の言葉を大切にしていますか?