質問に気持ちよく答えてもらうためには、こちらの印象が大切。
質問する人の感じが悪ければ、相手は心を開いてくれません。
外見や態度だけではなく、答えやすい質問をすることや、喜んで話してくれる話題を提供することも好印象の条件です。
相手によい印象を与えるために、多くの言葉はいりません。
人は誰でも、自分の話を聞いてもらいたいもの。
よい質問で相手の話を引き出せば、
「気分よく話ができた」「よく聞いてもらえた」と感じ、おのずとあなたに好印象をもちます。

1. 相手のことをよく知るための質問
初対面やお付き合いの浅い人には、名前や故郷を皮切りに、好きな物事などについて聞きましょう。
相手は「興味を持たれている=認めてもらえた」と感じ、あなたに好意を持ちます。また、会話の中から、相手の喜ぶ言葉や価値観がわかれば、ご縁を深めていけます。
始めて会ったとき
(例)「〇〇(名字)」さんとお読みするのでしょうか?
↓
・〇〇さんという名字は、どちらに多いお名前ですか?
・素敵なお名前ですね。どんな由来があるのですか?
自分に興味をもってくれる人に、相手は良い印象を抱きます。名前とは自分そのもの。名前について、話題が広がる質問をすることで、出身地や家族など、その人のバックボーンが見えてきます。何気ない質問ですが、効果は抜群です。
(例)お生まれはどちらですか?
↓
ぼくは山形出身ですが、〇〇さんはどちらのご出身ですか?
(つっこみ質問)
・ふるさとの名物(料理)は何ですか?
・よく行かれた地元の名所はどこですか?
出身地にまつわる雑談は場を和ませ、お互いの親近感もわきます。出身地を尋ねるときは、いきなり「どこの出身か」と問うのではなく、自分の出身地や故郷の情報を先に伝えると、相手も構えずに話しやすくなります。
喜びのツボを知る

(例)最近景気が悪いですよね?
↓
最近、どんないいことがありましたか?
(つっこみ質問)
・それはいいですね!もっと詳しくうかがえますか?
相手がどんな出来事を「いいこと」と感じているか、つまり価値観がわかる質問です。相手の喜ぶツボがわかれば、つっこみ質問でさらに話を展開させましょう。結果的にポジティブな会話になるので、一石二鳥です。
(例)〇〇という映画は、ご覧になりましたか?
↓
・最近いいなと思った映画は何ですか?
・最近おもしろいと思った本(ドラマ)は何ですか?
相手の好みや世界観がわかる質問です。返事がノーだと会話が途切れてしまうので、どんな答えでも話が広がる質問が最適です。好みのテーマは映画に限らず、本やドラマなど幅広く応用できます。
(例)最近は、どこかへ旅行されましたか?
↓
今までで、忘れられない旅先はどこですか?
(つっこみ質問)
・その旅で印象深かったことは何ですか?
・その場所を選んだきっかけは何ですか?
旅先の選び方やその地での体験は、その人の価値観を如実に表すもの。最近の話題に限らず「印象深かった旅」に焦点をあてる質問をしましょう。気分よく話をしてくれるだけでなく、その人の本質も見えてきます。
(例)趣味は何ですか?
↓
・今、夢中になっているもの(こと)は何ですか?
・最近気になっているもの(こと)は何ですか?
趣味を聞かれると構えてしまう人もいますが、「夢中になっているもの(こと)」を聞けば、気軽に答えやすくなります。さらに、今もっとも興味のあるものがわかるので、相手との距離を縮める最高の情報となります。話題にも困りません。
(例)先週末はどこかに出かけましたか?
↓
・ふだんの休日はどんな風にお過ごしですか?
・リラックスできる場所ってどこですか?
・どんな風にリフレッシュされていますか?
休日の過ごし方から、相手の素顔が見えてきます。日付や行動を絞らずに、「ふだんの休みの過ごし方」を尋ねましょう。習い事や料理好きなど、相手の好みや意外な一面を知るきっかけにもなります。
2. 相手に気持ちよく話してもらうための質問

自分が語りたい話題を、相手が興味をもって聞いてくれたとき、人には大きな喜びが生まれます。
こちらが生徒のようになって教えてもらうことも、相手に気分よく話してもらうコツのひとつ。さらに、相手のこだわりに気づいてほめれば、話がふくらみます。
相手をほめる
(例)その腕時計、どこで買われたんですか?
↓
素敵な時計ですね。どちらで買われたんですか?
(つっこみ質問)
・結婚記念の品ですか!お二人のなれそめを聞かせていただけますか?
相手の素敵な持ち物に気づいても、買った店やブランドをいきなり聞くのは無枠。質問の前に「ほめ言葉」をプラスして、印象よく尋ねましょう。ネクタイや手帳、名刺入れなどの小物や、髪型の変化にも応用できる質問です。
(例)背筋もスッとして、姿勢がいいですね?
↓
姿勢がいいですね。何か特別なことをされているのですか?
(つっこみ質問)
・ぼくもやってみたいです!詳しく教えていただけますか?
姿勢や容姿など、外見や見た目をほめるなら、その背景や過程を聞いてみましょう。ただほめるよりも、相手への興味の深さが伝わります。その背景がわかったら、具体的なやり方を教えてもらう追加質問も効果的です。
(例)和やかな雰囲気をお持ちですね?
↓
・素敵な笑顔ですね。よく言われませんか?
・いい声をされていますね!よく言われませんか?
相手をほめるとき、第三者的な視点を加えると、言葉に信憑性が出ます。ほめ言葉に「よく言われませんか?」のひと言を添えてみましょう。「客観的に見ても素敵です」というニュアンスで、相手の魅力を強調できます。
(例)どうすれば、〇〇さんのようになれますか?
↓
・いろいろな人から活躍ぶりを聞いています。 どうすれば、〇〇さんのようになれますか?
(つっこみ質問)
・見習いたいです!秘訣を教えていただけませんか?
ストレートなほめ言葉は、お世辞か嫌みにとられる場合も。そこで第三者から聞いた相手の評判や噂をからめて、間接的にほめてみます。客観性が入るぶん、相手も素直に受け取りやすくなると同時に、自尊心もくすぐられます。