「会話がはずむ」ということは、キャッチボールと同じです。
会話が続かない、話がふくらんでいかない・・・。そんなときは、話題の核になる「キーワード」を見つけましょう。質問することで、答えの中に話を広げていく「種」が見えてきます。

1. 話の土台を共有するための質問
話がかみ合わないと感じるときは、同じものを見て話ができていない状態です。話題を共有するために、そもそもの基本的な事項を確認したり、何についての話題なのか、焦点を絞り込んでいきましょう。
フォーカスすることで話題を深めたり、つっこんだ質問もできます。
・確認しつつ、話の内容を深めていける質問
相手の話の要点が曖昧な場合、あいづちだけで終わらせず、内容を確認する質問を加えましょう。勘違いが妨げるだけでなく、「話を理解しました。ぜひ、その先を聞かせてください」という姿勢を表すことができ、会話がはずみます。
・NG質問
なるほど、そうなんですね?
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・なるほど、今のお話は〇〇ということですね?
・別の言い方をすると、〇〇とも言えますか?
・〇〇という認識でよろしいですか?
・質問する前に「確認のひと言」をはさむことで心の準備ができる
これはいわば、挨拶に近い質問です。いきなり本題に入るのではなく「今から聞いていいですか?」と、確認のひと言をワンクッションはさみます。
これで相手は心の準備ができ、落ち着いて答えることができます。
・NG質問
〇〇についてご意見を聞かせてもらえますか?
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・〇〇について、いまお聞きしてもよろしいですか?
・ストレートに聞いてもいいですか?
・ちょっと質問させてもらえますか?
・お願いごとをするときは、まず相手の状況を確認する質問を
相手の都合を無視して、一方的にお願いごとをしていませんか?
依頼の前には、「時間がありますか?」と先方の状況を確認することが大切です。どうしても、というときは「お忙しいところすみません」のひと言を。
・NG質問
書類の確認をお願いできますか?
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・今、少しお時間いただけますか?書類の確認をお願いしたいのですが。
・今日どこかで10分ほど、お時間いただけますか?
・相手の話が要領を得ないときは、要点を聞いてみる
話の意味がくみ取れない場合、「あえてひと言でいうなら」と、相手の趣旨を確認する問いかけを。話の要点を相手に答えてもらい、会話の土台を共有するための質問です。
・NG質問
どういった意味でしょうか?
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・ポイントをひと言でいうと、どうなりますか?
・今の話で、とくに重要なキーワードは何でしょうか?
・相手の本音を確認するときは、ストレートな言葉を添えると効果的
相手の本音を確認したいときは、まわりくどい聞き方はNG。「実際のところ」「率直にうかがいます」など、相手と正面から向き合う、ストレートな言葉を添えることで、建前でなく一歩踏みこんだ会話ができます。
・NG質問
例の件について、どうお考えですか?
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・例の件について、本当のところ、どうお考えですか?
・ここだけの話、どうお考えですか?
・単なる共感ではなく、魅力にフォーカスするつっこみ質問で会話を広げよう
共感することも大切ですが、楽しかった点やよかったところにフォーカスした質問をすることで、相手は楽しく詳細を話せます。答えの中にその人の価値観が垣間見えることも。会話を盛り上げるヒントも得られます。
・NG質問
そのイベント、楽しかったんですね?
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・そのイベント、とくにどんなところが楽しかったですか?
・とくにどんなところがよかったですか?
・参考になると思ったところはどこですか?
・あいづちよりもさらなる具体例を聞く質問をすれば答えの幅が広がる
あいづちも、会話をはずませるテクニックのひとつですが、「他には何が?」と質問すれば、答えの幅が広がり、より多くの事例を引き出せます。さらに、そこから応用できる方法などを問い返せば、会話も発展していきます。
・NG質問
なるほど、そんな例があるんですね?
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・ほかにはどんな事例がありますか?
・それは、〇〇にも応用できますか?
・その事例の特徴的な点はどこですか?
2. 相手に負担をかけない質問

すらすらと答えられる質問とは、過去にあったことや、物事のきっかけについてなど、真実をそのまま話せるものです。気負いなく語ることで口が滑らかになり、その奥にある思いやエピソードまでもひもとかれていきます。同時に警戒心や見栄も解けていくはず。
・物事がうまくいったきっかけを聞くと、成功の原点がわかる
仕事や家庭、プライベートの人間関係などで、物事がうまくいっている人に「そのきっかけ」を尋ねると、感謝すべき人物や出来事などがよみがえり、熱心に話をしてくれます。本人も忘れていた、成功の原点に気づきこともあります。
・NG質問
うまくいっているようで、うらやましいですね?
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・うまくいったきっかけは何でしたか?
・きっかけをくれたのは、どんな方ですか?
・そのきっかけでどんなことが変わりましたか?
・仕事を始めたきっかけを聞けば、仕事に対する思いがわかる
何気ない問いかけですが、相手の答えが30分以上続くことも珍しくない「使える質問」です。「仕事を始めたきっかけ」が呼び水となり、仕事に対する思い、これまでの苦労話、成功体験などを楽しく語ってもらえます。
・NG質問
いつからこの仕事をしているんですか?
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・この仕事を始めたきっかけは何ですか?
・そのお話(きっかけの話)について、もう少し詳しく聞かせてもらえますか?
・知人と第三者との関係を聞くときは、「出会いのきっかけ」を尋ねる
知人に人を紹介された折など、2人の関係を確認する場合があります。このとき「どんな関係?」では説明や答えに相手が困ることも。むしろ「どんな風に知り合ったか」、きっかけを尋ねると話がしやすくなります。
・NG質問
〇〇さんとは、どんなご関係ですか?
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・〇〇さんとはどんな風に知り合ったのですか?
・〇〇さんと出会ったきっかけは何ですか?
・〇〇さんとは長いお付き合いなんですか?
・流行や最新の話題は、「相手が知らない」という前提で質問
流行や新しい話題を、相手が知っているとは限りません。知らないことで、恥ずかしい思いやひけ目を感じさせないように、「ご存知ですか?」と確認から入りましょう。興味がないようなら他の話題にスイッチします。
・NG質問
最近〇〇って流行っていますよね?
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・〇〇のことはご存知ですか?
・ご覧になりましたか!どんなところがよかったですか?
・興味があることをずばりと聞いて、会話の糸口に
思うように会話がはずまないとき、相手はどんなものに興味があるのか、ストレートに聞きましょう。好きなこと、心ひかれることなら、気持ちよく話してくれます。このとき、対象を絞った質問は、当たりはずれがあるので避けて。
・NG質問
ゴルフはなさいますか?
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・最近、興味を持っていることは何ですか?
・最近、面白いと思っているものは何ですか?