初対面の人にも商品を買ってもらったり、契約をとることが上手な人がいます。そんな人は「質問」を効果的に使っています。
相手がこちらの提案を受け入れるのは「自分にとってこれは必要だ」と感じるからです。その人にとって「必要なこと」を質問の中で引き出せばいいのです。
その一例となる質問の流れを紹介します。

1. 初対面から商談がまとまるまでの質問の流れ
自己紹介の後、相手の名前にまつわるエピソード、出身地や家族構成などを聞き、相手のバックボーンを尋ねましょう。同じ故郷や同じ長男という立場など、そこに共通点があれば、そこから会話がつながり、心の距離も近くなります。
さらに、しっかり相手の話を聞くことで、信頼感が生まれます。
お生まれはどちらですか?
相手がどんなきっかけで、今の仕事を選んだのか聞いてみましょう。
仕事がらみの話題も、商談の中では違和感がありません。成功談や失敗談、多くのエピソードが聞ければ理想的です。
この仕事を始めたきっかけは何ですか?
会話の中から、または以前から話に聞いている、相手の成功体験を語ってもらいます。成功のきっかけや要因を聞くことで相手の問題解決力や、行動の傾向、信念がわかります。
うまくいったきっかけは何ですか?
相手が頭に描いている、将来の仕事や自分の理想像を語ってもらいましょう。
将来はどうありたいですか?
将来の理想像を聞いたら、そこへ向かうために課題があるか、あるならば何か教えてもらいましょう。雑談の段階で好印象を与えていれば、心を開いて離してもらえる可能性大です。
その理想に未来に向けて解決したい課題はありますか?
ここで初めて、その人が欲しいと感じるサービスの説明をします。押しつけではなく、相手の課題を克服するため、手助けしたいという姿勢で。
「お役に立てれば幸い」という態度で聞きましょう。
その課題を解決するのに、〇〇はお役に立ちませんか?
相手との話がまとまった場合は、納期や金額など、具体的に聞きたいこと、不安などはないか尋ねてみます。疑問が出れば、それに対しての解決策を提案し、解決していきます。
何か疑問や不安はありますか?
相手の課題の克服に応えられない場合は、問題解決に役立つ情報や人(会社)を紹介してあげましょう。それがうまくいけば、相手はあなたに感謝するでしょう。
人は「よくしてもらったことにはお返しをしたい」と感じるもの。あなたの仕事を誰かに紹介してくれるなど、いい流れが起こります。これを「返報性の法則」といいます。
2. 「1分間・傾聴ゲーム」をしてみよう

相手の話をさえぎることなく、ひたすら、あいづちを打ちながら聞きます。話が終わった後に、相手の感想を聞いてみましょう。
「こんなに自分の話をしっかり聞いてもらえたのは初めて」「たくさん話せてよかった」という満足の声が聞けるはず。普段ではあまりない「しっかり話す」と「しっかり聞く」を体感してください。
「1分間・傾聴ゲーム」のやり方
① 2人1組になります
② 話すテーマを決めます。 例「最近あった、よかったことは何?」
③ 話し手、聞き手を決めます。
④ 1分間時間を計りながら、会話をスタート。
聞き手は相手の話に対して「へえー」「そうなんだ」「それで?」と
あいづちを打つだけ。自分の話をするのは禁止。
⑤ 1分間経ったら終了。
話し手・聞き手の役割を交換。
ふたりの話が終了後、お互いにどんな気持ちになったか、感想を述べ合います。
人は自分が話したいことを話し、しっかり聞いてもらえたときに喜びを感じ、聞き手に対してもよい印象をもちます。