よくありがちな夫婦間の会話を例に挙げてみます。
奥さん「ちょっと聞いてよ。ウチの上司ったら、ひどいのよ」
旦那さん「なんでその上司はそんなこと言ったんだ?」
奥さん「それは、こういうことがあって・・・」
旦那さん「ぐちぐち言わずに、こうやって解決すれば良かっただけじゃん」
奥さん「そんなことを言われなくてもわかってるわよ!」
このあとの展開はもうおわかりですね。奥さんは怒ってしまい、旦那さんは怒っている奥さんに対して腹を立て、けんかになるのです。

1. 正論よりも気持ちが大事
奥さんは、旦那さんに原因を究明してほしいわけでも、問題を解決してほしいわけでもありません。
正直なところ、旦那さんが言ったことが正論かどうかなんてどうでもいいのです。
「あ、そう、それはたいへんだったね」
最初に、そう言ってほしかっただけなのです。
それさえ言ってもらえれば、あとはどんなことを言われても、奥さんは満足したことでしょう。
2. 相手の気持ちを想像できるか

この人は今、どんな気持ちなんだろう。ぼくは、自分自身に常にこう問いかけながら会話をしています。
話の中身より気持ちが大事なのは、夫婦間だけではありません。相手の気持ちをくみ取り、受け止めるだけで、驚くほど心の距離が縮まるものです。
これは、メールのやり取りでも同じことが言えます。
メールは単なる文字列です。メールのやり取りは、単なるインフォメーションの交換です。
表情の見えない、言葉だけのやり取りですから、相手の気持ちをひろえなければ誤解が生じやすく、些細なことから大きな問題に発展してしまうこともあるのです。
このメールを書いているとき、相手はどのような気持ちだったのか。
そのことを想像しながら返信すれば、スムーズなコミュニケーションができると思います。
もちろん、ビジネスの現場は夫婦の会話とは違います。
ただ、それでも感情のない理論だけで成立する取引などないと断言もできます。
もし感情が介在する必要がないのであれば、ネットショッピングやカタログ販売、あるいは自動販売機があれば十分です。
人が営業しているのですから、そこにはやはり感情があります。
相手の気持ちをくみ取れる人が、営業でも高い成績を挙げられるのではないでしょうか。人は、感情抜きには動きません。
商品にいくらメリットがあるとはいえ、嫌な会社や嫌いな営業マンとは取引したくないと考えるものなのです。
お客さまは困っているのか、悩んでいるのか、楽しんでいるのか。
そういう気持ちをひろってあげることが大切なのです。
相手の気持ちをしっかりくみ取っていますか?