こちらの質問に対して相手が答えているときは、必ず「あいづち」を打ちましょう。このとき重要なのは、あいづちの言葉ではなく、表情や態度。
つまり表現力がモノを言います。「真剣に話を聞いている」「よく理解している」ことを相手にしっかり伝えましょう。
1. 答えには「あいづち」が必須
人が、目の前の人から受ける印象の半分以上は「視覚情報」によるもの。「言葉の意味は、わずか7%しかない、と言われています。
つまり、あいづちを打つときに大事なのは、どんな表情で、どんな声のトーンで話しているかということです。同じ「そうなんですね」という言葉でも、さまざまなニュアンスを表すことができるのです。
「そうなんですね」は、どんな場面にも使いやすい、あいづちのフレーズです。「今の話を聞きました」という意思表示になりますが、そのニュアンスは喜びをにじませることができます。
① うれしい話題のとき
A「最近、うれしかったことは何ですか?」
B「誕生日に素敵なサプライズをしてもらったんですよ!」
A「そうなんですね!」
「よかったですね。もっと話を聞かせてください」
② 悲しい話題のとき
A「桜を見るときに、思い出すことはありますか?」
B「亡くなった父のことです。納骨が桜の季節で・・・」
A「そうなんですね・・・」
「お父様とのお別れ、さみしかったでしょうね?」
③ 腹の立つ話題のとき
A「どうしました? 何かあったんですか?」
B「聞いてくれますか。 昨日、ホントに最悪なことがあったんです!」
A「そうなんですね?!」
「一体何があったのですか? 余程のことでしょうね」
そうなんですね
2. 効果的なあいづちの打ち方
表情や態度が、あいづちの表現とすれば、あいづちの言葉は、ムードづくり。リズムが大切になります。
さらに、相手や状況に応じて内容を変えていきましょう。
自分よりも若い人や同世代には、親しみを感じる言葉でフレンドリーに。
目上や初対面の人には、丁寧な言いまわしで礼儀正しく。
あいづちが堅苦しい言葉ばかりだと、相手は萎縮したり恐縮したりして、居心地が悪くなります。自分より若い人や同世代なら、くだけたフレーズもいいでしょう。相手と同じ言葉を使うと、心の距離がグッと縮まります。
① フレンドリーな「あいづち」言葉
肩ひじの張らない表現、親しみのある言いまわしが適しています。
ただし、あまり下品なものや、くだけすぎたフレーズは避けること。
A「歓送迎会の段取りは決まったの?」
B「はい、趣向を凝らして屋形船でやろうかと」
A「へぇ、いいね!」
B「他にも、面白い案が出ているんです!」
言葉例
・うん、うん ・ほお〜 ・さすが! ・ええ ・わあ〜 ・私もそう思う
・そうなんだ ・すてき! ・なるほど〜 ・へえ〜 ・すごい!
・それいただき!
目上の人や初対面の人、仕事でのおつき合いには、丁寧な言葉であいづちを打ち、真摯な態度を印象づけましょう。相手の話に質問や反論があるときは、話がひととおり終わった後にするのがマナーです。
② フォーマルな「あいづち」言葉
相手の話を誠実に聞く態度を示すのはもちろん、「と、おっしゃいますと?」「その後、どうなりました?」など、さらに話を促すようなフレーズも効果的です。相手も流れにのって話してくれます。
逆に、「いや」「でも」で始まるような否定のあいづちは厳禁。口癖でつい言ってしまう人もいるので注意しましょう。
A「来季の商品ラインナップはどうされますか?」
B「取り扱う商品を増やそうと考えています」
A「と、おっしゃいますと?」
B「既存のシリーズに姉妹品を加えて、シニア層を狙います」
言葉例
・それはそれは ・お見事ですね ・はい、わかります ・あやかりたいです
・お気持ち察します ・私には真似できません ・そうなんですね
・なるほど、そうなんですね ・すばらしいですね!
・その後、どうなりました? ・すごいことですね!
・ぜひ、最後まで聞かせてください
・へぇ、いいね!
・と、おっしゃいますと?