松下電工(現パナソニック電工)の元社長、丹羽正治さんは、
創業者である松下幸之助さんのことを常に思いながら、仕事をしていたそうです。
社長室には自分の机と、滅多にいないけれど松下幸之助さんの机があり、
若い丹羽さんは松下さんの机を見ながら、
「親父(松下さん)だったら、どんな判断をするだろう」
といつも考えていたのだとか。
だからこそ、競争の激しい商売をずっと長く続けてこられたのだと思います。
1. 今までとは違うやり方を見つけるために

自分の考えの中だけにとどまっていると、
つい、いつも同じパターンで考えてしまいがちです。
そのやり方で、うまくいかなかったときには、
考えても、考えても、
頭の中でまるで渦を巻くように堂々めぐりになってしまい、
なかなか解決策が見つからないものです。
そんなとき、
「もし〇〇さんだったら、どうするだろう?」
と考えると、今までいた枠の中から外側へと視点を動かすことができます。
すると、これまで見えなかったものが、見えてきます。
2. イチローだったら? ミッキーマウスだったら?

あるとき、ぼくの娘が、
「ディズニーランドで働きたい」と言ったので、
「じゃあ、どうやったら働けるのか、ミッキーマウスに聞いてみよう!」
ということになりました。
早速、東京ディズニーランドに出かけ、ミッキーマウスに聞いたところ、
ジェスチャーで、
「ぼくみたいに、いつも笑顔だったら働けるよ!」
と即答してくれました。
ミニーマウスは、
「いっぱい勉強して、いっぱい運動して、いっぱい食べて、大きくなったらまたおいで」
と答えてくれました。
以後、娘の中には
「ミッキーだったらこうするんだ」という思いが根をおろしたのでしょう。
「どうやったらいい仕事ができるかな」と言うと、
「いつも笑顔!」という答えが返ってくるようになりました。
このように、自分以外の誰かに置き換えて
「どんなやり方をするだろう?」と考えることで、
新しい発見があったり、今までとは違うやり方に気づくことができます。
「〇〇だったら・・・?」の〇〇に入れるのは、大好きな人、尊敬する人、
あこがれているキャラクターなど、誰でもOKです。
「イチローだったら。ゼッタイ毎日練習するよね、弱気なことは言わないよね」
「『ワンピース』のルフィだったら、あきらめないと思う」
こんな答えが返ってきたら、
「なんか、強気になってきたね!」
「そうだね、やっぱりあきらめないことが大事だよね」
と、子どもの答えを受けとめましょう。
ときには、「わかんないよ。だってぼく、イチローじゃないもん」
という答えもあるかもしれません。
でも、そのとき答えが出なくてもいいのです。
考えてみることで、視点が変わるきっかけを得ることが大切なのですから。
〇〇だったら、どんなやり方をすると思う?
(尊敬する人などを入れて)