自分がやっていることをパッケージ化(商品化)することで、自分が直接動かなくても、その商品が流通することで売上や収益が上がるというしくみをつくることができます。

1. 商品やサービスをデリバリーできる方法をつくる
自分のビジネスや商品では、そんな大きなことはできないのではないかと思う人のほうが圧倒的に多いと思います。でも何もしないままでは、一生自分が動き続けなければならず、動いた分しか売上が上がらない、という状態になってしまいます。
「私は自分が一生食べていければいい、私だけがよければいい」と思っているのであれば、パッケージ化はもしかしたら必要ないかもしれません。
でも、あなたにはビジョンがありますよね、ビジネスをパッケージ化しないと、いつまでたっても売上や自分の自由な時間が増えない、ビジョンにも到達しない、いずれは自分の進むべき方向も見失ってしまうと思うのです。
パッケージ化とは、「商品やサービスをデリバリーできる方法をつくる」ということです。
すぐにでもできる例としては、たとえば自分のサービスや商品を、テキストや冊子、本にしてまとめてみることです。PDFにまとめるのもいいですね。また、自分がやっていることや伝えていることをCDや音声データにしてみるのもいいでしょう。ダウンロード形式で配布すればコストもカットできます。
ぼくの講演に何度も足を運ばなくても、本などを読むことで、ぼくが伝えたいことを理解していただくことができます。事情があってなかなか講演に来られないという方には、とても有効なパッケージなわけです。
2. パッケージ化への2つの考え方

パッケージ化には、大きくわけて2つの考え方があります。
自分がつくったものをデリバリーするのがまず1つです。
でも、「私はエステサロンを経営しています」という人だとしたら、すぐにものをつくるのはちょっと難しいですよね。
このように、商品が手に取れるかたちになりづらい業種やビジネスの場合は、商品のつくり方や運営方法をパッケージ化してみましょう。
たとえば、運営方法のパッケージ化の代表として、フランチャイズというものがあります。フランチャイズはとてもわかりやすいシステムですね。
フランチャイズまでいかなくても、1店舗目のサロンをつくったときに、こんなことに気をつけて、こういう手順で運営したら、とても繁盛した。
その実績、やり方を元に2店舗目をつくることになったら、やはり運営方法のパッケージ化が必要です。
店長や社長の勘だけでやっていこうとすると、2店舗目以降の成功はたぶん難しいと思います。なぜならば、どちらの店舗も、1人が同時に指導しなくてはいけないからです。
もしかしたら2店舗はできるかもしれませんが、3店舗、4店舗、5店舗とお店が増えていったときに、この運営方法が社内でパッケージ化できていないとうまくいかないのです。
逆に、パッケージ化したことで2店舗目もうまくいく、3店舗目もうまくいくのであれば、どんどんお店を増やすことができるし、他のサロンの人がそのやり方を知りたいというかもしれません。
するとお客様の幅がどんどん広がるわけです。これがパッケージ化の利点です。
ぼくは、以前はコーチングをやっていました。コーチングとは、コーチがクライアントの悩みを聞いて、その人に適したタイミングで質問をしたり行動を促したりします。10分でいくら、1時間でいくらという時間で値段設定をしていました。
コーチングの内容も、かかる時間も、クライアントごとに違います。その内容を録音したとしても、誰に対しても有効な内容ではないので、買い手もないだろう、これはパッケージ化はできないと思っていました。
では、どうやって最初のパッケージ化をしたのでしょうか。
もし、ぼくがコーチングをオーダーメイドでやるとしたら、100点満点が取れるかもしれません。でも、パッケージ化にあたっては、100点ではなく、80点でも、75点でもいいかもしれないと考えたのです。そういえばこういう悩みの人には最初この質問をすることが多い、その次にはこんな質問をすることが多い、というパターンを見つけて、質問をいくつかつくってみました。
そしてそれに答えてもらってみたら、ある程度の効果が出ました。また別の人にやってみたら、そちらも効果が出たので、これはできるかもと考えたのです。
最初は無理だと思っていたコーチングのパッケージ化を実現したのが、「魔法の質問マンダラチャート」です。
これは、すべての人に100パーセントの効果はないかもしれないけれど、効果的な人がまったくいないかというと、そうではありません。必要な人に、必要な分のクオリティを届けることができるのです。
あなたのビジネスやサービスがどんなものであっても、「自分のビジネスにおいてパッケージ化できるものは何だろう?」ということを、ぜひ真剣に考えてほしいと思います。
パッケージ化は、自分が楽になるためだけにあるわけではなく、世の中を自分のビジョンに近づけるためのものです。
たとえば、今自分が山形にいても、そのパッケージは北海道と沖縄に同時に届けることができます。すると山形だけではなく、北海道と沖縄で困っている人たちが助かったり、何かやりたいと思っていた人たちの可能性を引き出したりすることができます。
パッケージに込められたあなたの思いは、まだ見ぬたくさんの人たちに届けることができ、素晴らしい出会いにつながるかもしれません。
3. 商品をつくる目的を考える

パッケージ化(商品化)することで、どんないいことがありますか?
あなたがパッケージ化をすると、どんないいことがあるでしょうか?
商品をつくる目的を考えてみましょう。
どんな人に商品を届けたいですか?
商品化すると、今までとは違う人にも商品を届けることができるかもしれません。どんな人に商品を届けたいのか、どんな人に買ってほしいのか、どんな人のお役に立てる商品なのかを明確にしていきましょう。
何を教えてあげたいですか?
そのお客様に、何を教えてあげたいですか?
どんなゴリヤクを届けたいですか?
どんなふうにお役に立つかを考えてみましょう。
遠くのお客様にゴリヤクを届けるには、どのようにすればいいですか?
パッケージ化すると、遠くの人にもゴリヤクを届けることができます。
遠くの人にも価値を届けるためには、どんなパッケージにすればいいかを考えてみましょう。

あなたがやっていることを何度も再現するには、どのようにすればいいですか?
あなたの商品やサービスは、なかなかパッケージ化できないものかもしれません。
そんなときは、自分が普段の仕事の中でやっていること、うまくいっていることを、何度も再現するにはどうすればいいかを考えてみてください。
自分の考えていること、行動していることを思い返してみましょう。
どのようにすれば、お客様はもっと喜んでくれますか?
お客様をもっと喜ばせるためには、どんなパッケージがあるといいでしょうか?また、どんな工夫をするといいでしょうか。
パッケージ化するからこそできることもあります。
お客様の気持ちになって考えてみましょう。
パッケージを買ってくれた人に、どんな状態になってほしいですか?
パッケージを買ってくれた方に、どんなふうになってほしいですか?
こんな気持になってほしい、こんな状態になってほしい、こんなことに気づいてほしいなど、パッケージ化の先になるものに目を向けてみましょう。
どんなパッケージをつくりますか?
ここまでのしつもんの答えを振り返ってみて、どんなパッケージをつくりますか?
どんなものがあるとお客様が喜んでくれるか、そんな視点でつくっていきましょう。