
マンマミーア。
イタリア語で「なんてこった」という意味の言葉です。
今回はこの言葉から話を始めました。
理由はシンプルで、映画『マンマ・ミーア!』の舞台になった島に行ってきたから。
2週間のクルーズも、いよいよ終わり。
最後の寄港地、イスタンブールからお届けしています。
出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.251 マンマミーア
▶ エピソード全文・音声はこちら → Listenで聴く
1. 妻が好きな映画の島、スキアトス
『マンマ・ミーア!』は、妻の好きな映画です。
いつから見ていたの?と聞くと、覚えていないくらい前から、という答え。
1作目と2作目があって、どちらもだいぶ前に見たそう。
ミュージカル映画はそれほど見ないけれど、これは別。
ストーリーがいいし、出ている女優さんたちが好きなのだと妻は言います。
その舞台になったのが、ギリシャのスキアトス島。
とても穏やかで、空気が澄んでいる島でした。
妻は、それが島特有の空気なのか、それとも季節のせいなのかを考えていました。
9月に入って、ハイシーズンも暑さも落ち着いた頃。
ぼく達がこれまで訪れたギリシャの島は、たいてい真夏。
暑くて、人も多い。
だから「本来のギリシャって、こういう感じなのかもしれない」と妻。
同じギリシャでも、季節が変わればまるで違う顔を見せてくれるのだと思います。
いつもと違う季節に訪れてみたい場所はどこですか?
2. 期待していなかった島がいちばんになる
14泊、2週間のクルーズ。
いくつもの港に寄ったけれど、ふたりともいちばん良かったのはスキアトス島でした。
あそこに行けただけで、もう満足。
そう言い合えるくらい。
でも、行く前はそんなこと分かりません。
旅程を見たときは、もっと有名な街がハイライトになるのだろうと思っていました。
実際に行ってみたら、小さな島のほうが心に残った。
旅の「いちばん」は、地図やガイドブックでは決まらない。
その場所で、自分がどう感じたかで決まるのです。
期待していなかったのに、心に残っている場所はどこですか?
3. はじめてのトルコ、止まってしまった妻

島をめぐる旅のあと、船はイスタンブールに到着しました。
ふたりとも、はじめてのトルコ。
そして、大都会。
人口は1,500万人ほどで、東京よりも大きいそうです。
静かな島から、いきなりこの街へ。
そのエネルギーに、妻は最初ついていけなかったそう。
「脳が停止した」と妻は言います。
歩みまで止まってしまい、気づけばぼくはひとりで先へ歩いていって、妻の前からいなくなっていたらしい。
なんだかすみません。
人混みを抜けると、今度は坂道。
人生でこんな坂を登ったことがない、というくらいの角度です。
帰りの下り坂はもっと怖くて、ソリで滑り降りたいくらいでした。
大きな変化の中で、あなたが自分のペースを取り戻す方法は何ですか?
4. 直径2cmのマンティと、ジャパニーズなカフェ
坂の上の街は、とても良かった。
若い人たちが新しく始めたようなカフェやお店がたくさんあって、どこも感じがいい。
一方でレストランは、昔からやっていそうな家庭料理のお店を選びました。
入口で、女性たちが何かを小さく、くるくると包んでいました。
何を作っているんだろう。
妻は、お菓子だと思ったそう。
それくらい繊細で、小さなものでした。
正体は、トルコの餃子「マンティ」。
直径2cmほどです。
ほかのお客さんが食べているものは4、5cmはあったから、このお店のはひときわ小さい。
それがとてもきれいな形に包まれていました。
ぼく達が食べたのは、揚げたマンティ。
カリカリ、サクサクの食感に、ヨーグルトソースとパプリカパウダー。
さっぱりしていて、とてもおいしかった。
食べてよかった、とふたりで話しました。
そのあと、歩いて1分ほどのところで、何気なくカフェを見つけました。
アンティークとモダンが混ざり合ったインテリア。
そして、メニューにはジャパニーズサンド。
コーヒー豆にも「ジャパニーズ」と書いてありました。
日本らしさはあまり感じないのだけれど、流行っているのかもしれません。
トルココーヒーは、粉ごと淹れるスタイル。
ギリシャで飲んだコーヒーと同じように見える、と妻は言います。
ギリシャのほうは砂糖入りだったから、あれはおいしかった。
今日のコーヒーも、砂糖を入れたらもっとおいしかったのかもしれません。
その土地の食事とお店に出会うだけで、その街と少しつながれた気がする。
それだけで、もう十分。
あなたが旅先で「この街とつながれた」と感じるのは、どんな瞬間ですか?
5. 猫だらけの帰り道
帰り道も、なかなか大変でした。
とにかく、猫がたくさんいるのです。
ギリシャの島にも、沖縄にも、猫の多い場所はあります。
それでも、こんなに猫が町中にいる風景は人生で初めて見た、と妻。
1本の通りに、10匹以上。
子猫もたくさんいました。
野良猫なのか、飼い猫なのか分からない、その中間のような猫たち。
誰かの家の猫というより、街のみんなで可愛がっているのだと思います。
猫アレルギーには、くしゃみの止まらない帰り道でした。
あなたの暮らす街で、みんなで大切にしているものは何ですか?
6. 妻が珍しく写真を撮った街

大都会の中に、モダンな新しいカフェやレストランがある。
その一方で、古さも残っています。
道端に座ったおじいさんが、花を編んでいたりする。
いろいろな時代と文化が、同時に交差しているような街です。
そんなイスタンブールで、妻は珍しく写真を撮っていました。
それも、なんでもない道の写真を。
ヨーロッパにいると、きれいだから写真を撮りたくなるでしょう、とよく言われるそう。
でも妻は、ほとんど撮りません。
それが自分の中で、日常になりつつあるから。
オーストラリアでも、ハワイでも、日本でも、いい風景はたくさんあるけれど、どれも暮らしの一部なのだと思います。
だからこそ、「久しぶりに外国に来た感じがした」と妻は言います。
久しぶりに、旅に来たという感じ。
旅を暮らしにしていると、旅の感覚そのものが薄れていくことがあります。
それを思い出させてくれる街に出会えるのは、ありがたいことです。
マンマミーアの穏やかな島から、交差点のような大都会へ。
2週間の船旅は、最後に「旅に来た」という感覚を連れてきてくれました。
ぼく達はこれから、パリに帰ります。
あなたが最近「旅に来た」と感じたのは、いつですか?









































