質問にはいくつかの種類があります。
ここでは5つを取り上げます。
それぞれの特徴を知ることで、効果的な使い方ができるようにしましょう。

1. クイズ
クイズとは、正解が決まっている問いかけです。
これは正解を知らないと答えることができません。
仕事においてのクイズとは、
「この企業の社長は誰?」
「去年、当社で一番売れた商品は?」
などです。
部下にとってみると、試されているような感覚になります。
結局、○か✕かの答えになるので、知識を確認するときにはいいかもしれませんが、これによって部下の「考える力」を伸ばすことはできません。
2. 疑問
疑問とは、しつもん者が知りたいことを聞く問いかけです。
「あの書類はいつまでにできる?」
「〇〇さんから連絡はきた?」
「今日中に決裁しなければいけない案件は?」
確認や状況把握のためによく使われ、「何(Whet)」「いつ(When)」「誰(Who)」「どこ(Where)」などを含んでいることが多くあります。
ビジネスを円滑に進めるために、疑問は必要です。
ただ、これによって部下の「新しい考え」を引き出すことはできません。
3. 尋問

尋問も、疑問と同じくしつもん者のための問いかけですが、相手を責める気持ちが含まれるので、問いかけられたほうは嫌な気持ちになります。
何かを生み出すというよりは、物事を突き詰めるときによく使われます。
基本的には、「なぜ(Why)」という疑問詞が頭につきます。
「なぜ書類ができていなの?」
「なぜ相談しなかったの?」
このように「なぜ(Why)」と聞くので、相手からは「なぜならば(Because)」という言い訳に似た理由が返ってきます。
「他の仕事で手一杯だったから」
「すっかり忘れていて」
たとえ本当の理由がわかっていても、答える側は自分をかばいたくなったり、素直に答えたくないというバリアができることがあります。
ですので、尋問からは、未来につながる解決策は出づらくなります。
4. 命令質問
基本的に指示命令なのですが、最後にクエスチョンをつけて質問の形にしているものです。これは、しつもん者が欲しい答えをもらうという目的で使われます。
「これをやってみたらどう?」
「Aプランがいいんじゃない?」
などは質問に見えますが、「これをやりなさい」「Aプランをやりなさい」という意図があります。
これらは指示命令であり、部下の本当の成長にはつながりません。
5. しつもん

その質問に答えるだけで、相手のためになるものを「しつもん」と呼んでいます。
しつもんからは、アイデアや解決策、改善策が生まれるだけでなく、相手の本当の思いを引き出すことができます。また、自分自身に使えば、今までになかった視点が得られたり、ビジョンを明確にすることができます。
しつもんは「どのようにすれば(How)」の部分をメインに聞きます。
「どのようにすれば書類を明日に間に合わせることができるかな?」
「どのようにすれば忘れずに連絡できるかな?」
すると、こんな答えが返ってきます。
「今日中に必要な資料を準備するようにします」
「気づいたときに、まず上司に連絡します」
頭につける言葉を「どのようにすれば」という形に変えるだけで、部下の答えが変わります。すると、行動も変わっていくのです。
・どのようにすれば期日に間に合うかな?
・どのようにすれば忘れずにできるかな?