仕事のうえで、あまり面識のない目上の人と、話をしなければならない場面で、重い雰囲気にならないよう、あなたが無理をして話をする必要はありません。
相手が話したいことを、気分よく語ってもらえばいいのです。
そのための「切り札」ともいえる質問があります。

1. 「きっかけ質問」で話を引き出す
「きっかけ質問」だけで、話が30分以上続くことはよくあることです。
職業や会社、現在の立場など、どんないきさつでスタートしたのか尋ねます。
過去にさかのぼれば成功や失敗など、心が動くエピソードは山のようにあります。
しかし、その人の周囲では「またその話?」と、うんざりされていることも。
だからこそ、興味をもって聞くだけで喜んでもらえるのです。
「参考になります」など、感謝の姿勢で聞きましょう。
2. 「過去→現在→未来→現在」を聞く

「きっかけ質問」で過去の話を聞いたら、時間軸を現在、未来へと移行しましょう。
昔と今の変化を尋ねたり、将来への展望を問いかけたりして、最後に未来を見据えた課題を聞きます。ビジョンや考え方を知ることで、相手の人物像が垣間見えると同時に、自分の学びにもなります。
熱心に聞くことで、好印象を与えることもできます。
・昔と今では、ずいぶん変わったのでは?
・将来的にはどんな姿が理想ですか?
・未来のために何が必要ですか?
3. 質問はキャッチボール。相手がうけやすい球を投げる

質問を介した会話は、キャッチボールに似ています。こちらが「受け取りやすい」ように投げかけた問いには、相手からも「まっすぐな」答えが返ってきます。
こうした言葉のやりとりが、豊かな人間関係を育みます。
快い会話のキャッチボールを続ける秘訣のひとつが、相手の答えに含まれている「キーワード」を見つけること。
趣味や普段の生活の様子、家族構成など、話が広がりそうな「つっこみネタ」を敏感にキャッチしましょう。キーワードを深める質問をしていけば、会話が自然に広がっていきます。
下の例文では、たったこれだけの答えから、3つのキーワードが考えられます。何をキーワードにするかは自分次第。相手の様子や話の展開から、相手が「話しやすい課題」を選んで問いかけます。
A「休日はどんな風にお過ごしですか?」
B「のんびりしたいので、よく公園に行って本を読んでいます」
・キーワード「のんびり」
・のんびりしたいときは、他には何をなさいますか?
・一番の癒やしは何ですか?
・キーワード「公園」
・どちらにある公園ですか?
・どんな公園なんですか?
・キーワード「本」
・どんな本ですか?
・その本のどこが面白かったですか?