会話といわれるとあまり意識したことがないかもしれませんが、日常生活においてもほめたり叱ったりする場面は多いものです。
といっても、あらかじめ「ほめよう」と考えて話を聞くのではなく、相手の話を聞いたうえで素直に「すごいな」「よくやったな」と思ったときにほめるのが最も自然だと思います。

1. ほめたいときに素直にほめる
ちなみに、相手をほめるときに、あなたはどんな言葉を使っていますか?
「すごいですね」「さすがですね」
おそらく、どんな方も一度は使ったことがある言葉でしょう。
もちろん、そう思ったからそう言っているだけなのですが、不思議なことにこう言うと「そんなことないですよ」と言われることが多いのです。
ほめられた相手の照れもあるのでしょう。
ぼくだったらこう言います。
「いいですね」
この言葉を使って「よくないですよ」と言われたことはありません。みなさんも参考にしてみてください。
2.認めるだけでも相手は嬉しい

相手をほめようと言われても、難しいと感じる方も多いでしょう。
相手と面と向かってほめるのは勇気のいることですし、実際にほめ言葉を口にするのが照れくさいと感じる人も多いと思います。
また、勇気をふりしぼって相手をほめたとしても、日本人はほめられ慣れていないところもあるので、お世辞や社交辞令としか思ってもらえないこともあります。
ほめるのが難しければ、事実を伝えるだけでも十分だと思います。
事実を伝えるだけでも、相手を認めることになります。部下に頼んでいた資料ができたら「資料ができたんだね」と伝えるだけでもいいのです。
一方、認めることに感情がプラスされるのがほめるということです。同じケースで言えば「資料できたんだね、さすが仕事が速いね」といった具合です。
いかがでしょうか。ほめるの恥ずかしくても、事実を伝えて認めることだけなら、恥ずかしくはないのではないでしょうか。
人は、ほめられると嬉しく思います。さらに言えば、認められるだけでも悪い気はしないものです。認められることで気分が良くなればその場もなごみ、会話もつづいていくのではないでしょうか。
そのときには、相手ができたことをよく見て認めることが大事になってくるのです。
3. 叱ることは相手のため

ほめることより難しいのが、叱ることです。
まず、怒ると叱るの違いからお話しします。最も顕著な違いは、感情が入るかどうかです。怒るときには、感情がメインになっています。ほめるのとは逆に、腹が立ったという感情は抑えて対応したいものです。
部下が何か間違いをしたとき、本来は声を荒げるほどの話ではないのに、怒る上司がいます。その人は、要するに自分のために怒っているのです。自分が嫌だから、自分が頭に来たから、自分がイライラしているから、だから怒る。
そのため、間違いを改めるという本来の意図から逸脱し、問題の解決にはつながりません。「わかったか?今度はこうするんだぞ」。頭ごなしにそう言っても、相手は必ず同じ間違いを繰り返します。
反対に、叱るときには感情が入りません。
叱られている相手に良くなってもらうためにアドバイスをし、間違いや誤解を正してもらうための行為です。
できていることはしっかり認めたうえで、
「どこを改善したほうがいいと思う?」
「次回失敗しないために、何をやったらいいと思う?」
こんなしつもんを交えながら叱ると、相手は失敗を繰り返さないようにするためにはどうすればいいかを自分で考えるようになり、確実に成長するはずです。
怒ったら相手に嫌われます。しかし、叱ることでは嫌われません。なぜなら、叱ることは相手を思っての行動ですから。
相手ができているところはどこですか?