●登場人物
主人公
稲森佑之介 33歳
妻と子ども
稲森秋保 32歳
稲森良太 3歳
そばや
『七森庵』 山形県山辺町 大蕨(おおわらび)
銀行員の友人
藤田圭太33歳
シンガポールの投資家
池本知春42歳
目次
1話:ただ好きだから
2話:独立
3話:固い意志
4話:開店
5話:満員御礼
6話:それから1年
7話:バラ色の未来
8話:夫婦会議
9話:プレゼンテーション
10話:ライバルが大成功
11話:豊かさとは?(この記事)
1話:ただ好きだから
2話:独立
3話:固い意志
4話:開店
5話:満員御礼
6話:それから1年
7話:バラ色の未来
8話:夫婦会議
9話:プレゼンテーション
10話:ライバルが大成功
11話:豊かさとは?(この記事)
豊かさとは?
佑之介は、
「本当の豊かさとは何か?」
ということについて、考えるようになった。
これも、
圭太と池本さんのおかげだ。
みんな、
お金を求めて働いたり、
収入を多くしようと思うけど、
豊かさとは、
お金では買えないものなんだ。
お金で買える豊かさもあるかもしれないけど
お金で買えない豊かさが本当の豊かさ。
そして、
その豊かなものって、
すぐ近くにあった。
全国展開しなくても
売上をたくさんあげなくても、
すぐそこにあった。
それを思うと、
妻にも子どもにも感謝しかない。
この土地にも感謝だし、
お客さんにも感謝。
あー俺ってなんて幸せなんだ。
「なに、ニヤニヤしているの?」
「え、何でもないよ
あ、そうそう」
「何?」
「秋保、いつもありがとうな。
愛しているよ」
山に夕日が沈んでいく。
昨日と同じ出来事だけど、同じ景色は二度とない。
そんな景色をみながら、
今日も豊かな1日が終わった。